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K-1からRIZINに移籍後、アンチが爆増した皇治……なぜ「皇治は俺たちのスーパースター」なのかがピンとこない方が多いのではないだろうか。そこで皇治の魅力を探るべく現在はKNOCK OUTプロデューサーで、かつて新生K-1プロデューサーとして皇治を「俺たちのスーパースター」に磨き上げた 宮田充 氏に話を聞いた(聞き手/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】 ・「すべらせろ!」と叫んだセコンド山田武士が明かす「桜庭和志vs秋山成勲の真相」
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―― 今日は皇治選手のことをよく知る宮田さんに、“俺たちのスーパースター”の魅力を伺いに来ました!
宮田 K-1オフィシャルサイトで皇治くんの戦績を振り返ってきたんですけど、「ああ、こんな試合をやってたんだ……」って懐かしかったですねぇ(しみじみと)。いまは皇治くんに関わってないからこそ無責任に「何をやってくれるのかな」って楽しみにしてるところはあります。
―― 皇治選手ってRIZINに参戦してから、これまで以上にバッシングされてるんです。RIZINはMMAファン中心だから絶対にこうなるなと思ってたんですけど(笑)。MMAファンは「キックはいらない!」ぐらいのスタンスなので、いろいろと目立つ皇治選手には何か言いたくなってるというか。
宮田 まだ3回ぐらいしかRIZINに出てないですよね。
―― 那須川天心戦、五味隆典とのボクシングマッチ、キック1DAYトーナメントですね。
宮田 たまたまですけど、ボクと皇治くんは同じ年にK-1を離れて。彼はK-1に違約金を払ってRIZINに移ったわけですけど、RIZINで存在感を増してるところはあるので、また幅が広がったなあと見てたんですけど。やっぱりプロって見てもらってなんぼじゃないですか。
―― 皇治選手ってサービス精神が旺盛だから二極化すると思うんですね。時間の大切さを説く話でも「先日、女の子とちょっと贅沢なホテルに泊まったんですが、あのホテル代、どこかの空き地で取り戻さないとあかんなとか、常に考えてます」と書くと、皇治軍団は「カッコイイ!」となるけど、アンチは「鼻につく!」となるでしょうし(笑)。
宮田 ハハハハハハハ。いま倒されてるところが見てみたい選手ナンバーワンでしょ! 技術的なことは語れないですけど、天心選手や五味選手、白鳥大珠選手にしても皇治くんからKO勝ちできなかった。なので爪痕はしっかり残してるなあとは思いますよね。バッシングを含めて皇治という格闘家の魅力なのかもしれないし。
―― 皇治選手の入場曲を歌っている強さんの新曲は「ダークヒーロー」ですね(笑)。
宮田 本人もそのPVに出てますけど、インパクトありました(笑)。アンチを含めて存在としては大きくなってるわけなので。彼はなによりメンタルが強いんですよね。ボクがK-1プロデューサー時代、 SNSで誹謗中傷がガンガン飛んできてたんですよ……。
―― 「天心vs武尊」絡みですね。
宮田 あいや、「武尊vs天心」です(キッパリ)。
―― 近年の格闘技界では忘れ去られた、どっちが赤コーナー問題が再燃(笑)。
宮田 あれって本当に心が傷つくときがあるんですよね。こっちの心に引っかかるような言葉をチョイスして送ってきますから。 でも、皇治くんは何を言われても弱いところを見せない姿は立派だと思いますね。
―― 皇治選手の試合に初めて関わったのはいつなんですか?
宮田 2012年の7月のKrush新宿FACE大会ですね。「関西のほうにイケイケのファイターがいる」ってことで出てもらって判定勝利。2013年1月の後楽園ホールでは判定負け。Krushはランキングはないんですけど、初戦はランキング9位ぐらいの選手に勝って、次は4位くらいの選手に判定負けだったのかな。関西ベースの選手ということで、そのあと3年近くKrushには出てなかったんですよ。そのあいだはHEATやREBELSに出たりしてて。で、2016年にK-1で60キロのトーナメントやるという情報が出たのかな。そうしたら皇治くんがツイッターのDMで「俺を使ってくれ」と。
―― K-1出場は皇治選手からの売り込みだったんですね。
宮田 基本的にキックってジムの会長さんやマネージャーさんを通してオファーするので、こういうやり方はご法度なんですけど。それでも SNSの時代になると、そういう売り込みが多くなってきてて。皇治くんは「試合も盛り上げるし、チケットもガンガン売るから使ってくれ」と。
―― それが皇治選手26歳のときで、その年齢で格闘技をやめる予定だったらしいので、そのDMはラストチャンスの意気込みがあったんでしょうね。
宮田 あらためて所属ジムの会長である寒川(慶一)さんにオファーをすることになって。 まずは内々の査定試合としてKrushで試合を組んだらハイキックでKO勝ち。その試合はK-1の煽りVでずっと使いましたね。
―― いきなり名刺になる試合をやってのけたと。
宮田 それで日本代表決定トーナメントに出ることになって、いきなり大本命の卜部功也とぶつけたんですよ。あのキャラなら中途半端に扱うより面白いんじゃないかってことで。そうしたら会見から「卜部弘嵩にも勝てる」と言い出して「なんだ、弟が相手か」と煽っていい度胸でしたよ。 試合は判定負けだったんですけど、食い下がって盛り上げて、そこからK-1のレギュラーになっていきましたよね。 そのあとで兄の卜部弘嵩にも勝ったりして。
―― K-1期待の存在になっていったわけですね。
宮田 そうですね。皇治くんって2016年のK-1登場から4年弱で11試合してるんですよ。何勝何敗だと思います?
―― うーん……6勝5敗とか。
宮田 まったく評価してないですね(笑)。7勝4敗ってまんざらでもない成績なんですよ。そんなイージーマッチもなく、トーナメントにひとつ出ているし、武尊くんともやってるし、それで7勝4敗はかなりいいなと。なかなかいいタマなので、後楽園でKrushのタイトルを目指すというよりは、本人も望んでることだし、K-1だけでいいじゃんと。他の子たちはK-1とKrush交互に出てもらってたんですけど、皇治くんはK-1だけにしちゃいましたよね。
―― 事実上のK-1専属は珍しかった 。それくらい「俺たちのスーパースター♪」の資質が見えたと。
宮田 ホントそうなんですよ。そのほうが活きるんじゃないかっていう話になったんですよね。
―― 新生K-1って早い時期から劇場型記者会見を見せてましたけど、それって皇治選手のK-1定着ぐらいからなんですか。
宮田 会見を「場面」にする才能がありますね。記者会見にいろんな小物を持ち込んだりとか(笑)。言葉でもガンガン煽りますしね。
―― そこはモハメド・アリの影響みたいですけど。
宮田 やっぱり「頑張ります」だけじゃ記事の見出しにはならないわけで。そういう努力は一番してたんじゃないですかね。皇治くんに煽られて相手選手がいつもイライラしてましたし。
―― いまだったら「皇治だったら何か煽ってくるに違いない」と身構えるんでしょうけど。
宮田 当時は怒っちゃう子もいれば、アドリブがきかない子もいる。大雅くんなんか本当に怒ってましたね。記者会見でボクを挟んで2人が並ぶんですけど、大雅くんの顔を見なくても怒ってるのがわかるんですよ。 隣からヒリヒリと熱いものが伝わってくる(笑)。
―― そんな殺気が(笑)。
宮田 大雅くんが襲いかかろうとしたら、どう止めようかな……とか考えながら記者会見をやってたくらいですからね。一番危なかったのは武尊くんとの会見。大阪でやったんですけど、その前に武尊くんがフライデーされたじゃないですか。
―― 元・読売巨人軍の外国人バッターと同じ名前の芸能人と。
宮田 もんじゃ屋デート。そうしたら、皇治くんがどこで見つけたのかわからないけど、もんじゃで使うヘラ、しかも金色の大きなやつを持ち込んで(笑)。「これにサイン書いとったからやるわ」と。そうしたら武尊くんが「ふざけんじゃない」って振り払って。そのときは会見場に入りきれないぐらいファンも来てたんですけど、尖ったヘラがそこに飛ばなくてよかったなあって。
―― 後楽園ホールでも乱闘まがいになりましたよね。
宮田 ああ、格闘代理戦争のとき。あれは武尊くんと皇治くんのチームが戦って、試合が終わってノーサイドになるはずが、マイクで煽り合いが始まって。皇治くんがマイクを投げたら武尊くんの顔に当たっちゃったんですよね。
―― あのとき武尊選手はめちゃくちゃ怒りましたね。
宮田 まあマイクが当たって顔が切れましたからね。武尊くんは火の玉みたいな男ですから。
―― 大阪府立でやった武尊戦を見たときに「皇治選手は大阪でこんなに人気があるんだ」ってビックリしたんですよ。
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