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プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回は 東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021 です!
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―― 今月のテーマは、小佐野さんが選考委員の1人を務めた東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞2021についてお伺いします!
小佐野 今年は蝶野正洋と小橋建太が特別選考委員として参加。選考委員は19人。第1次投票で過半数の10票を上回ったら決定。過半数を満たなかったら上位3名もしくは2名に絞って投票するするというかたちで選考されました。 ☆MVP 鷹木信悟
☆ベストバウト 潮崎豪vs武藤敬司 ☆最優秀タッグ賞 タイチ&ザック・セイバーJr. ☆殊勲賞 ジェイク・リー
☆敢闘賞 竹下幸之介 ☆技能賞 グレート-O-カーン ☆女子プロレス大賞 林下詩美
☆新人賞 荒井優希
―― MVPは新日本プロレスの鷹木信悟選手でした。
小佐野 MVPは鷹木と武藤敬司の一騎打ち。鷹木14票、武藤5票。一発で鷹木に決定しましたね。
―― 今年はこの2人が妥当ですよね。
小佐野 MVPは逃したけど、武藤は58歳にしてGHCのチャンピオンになったり、DDT、ノア、東京女子の3団体が集結したサイバーフェスでは禁断のムーンサルトを披露したよね。
―― 人工関節のヒザをマットに打ち付けると「もう二度と歩けなくなる」と、お医者さんにめちゃくちゃ怒られたやつですね。
小佐野 負けたけど、あのムーンサルト一発で主役を奪ったからね。新日本はコロナでリング上をだいぶ狂わされたところもあって、鷹木もコロナにかかってしまった。負傷欠場でカードの変更を余儀なくされる大変な状況の中、その鷹木が新日本を引っ張っていった。東京オリンピック直前の東京ドーム大会では棚橋弘至を挑戦者に迎えてのIWGP世界王座タイトルマッチだったけど、あのとき世間はオリンピック一色の中、オリンピック以外のニュースを取り上げるということで取材に来た新聞記者があの試合を見て感動したというか、オリンピック一辺倒じゃないという印象を持つくらい存在感があったと言ってたね。
―― 鷹木信悟はコロナやケガなんかのトラブルがなかったら、こういう展開になってなかったかもしれませんが、そのチャンスを逃さないのが鷹木信悟の強さですね。
小佐野 鷹木が受賞会見でも言っていたけど、「運とタイミング」というものがあるから、それを掴めるか掴めないか。あと彼のファイトスタイルはどちらかっていうとクラシカルなものに近いでしょ。新しいんだけど、昭和のプロレスファンも馴染めるようなもの。飯伏幸太や内藤哲也がいる中、そこも差別化できたのかもしれないよね。
―― 鷹木信悟は完全なアスリートプロレスではないってことですね。
小佐野 そうだね。かといって、そういったアスリートプロレスの要素がないわけではない。そんなに身体を大きくないんだけど、パワーでも勝負できる。2018年の全日本のチャンピオン・カーニバルで、巨体の石川修司と互角の勝負をしちゃったしね。あとドラゲー出身ということもあって弁も立つ。
―― これでMVPは新日本プロレスの11年連続受賞ですけど、今年は「また新日本か……」という印象ではなかったですね。
小佐野 新日本プロレス所属レスラーの受賞が続いてる中でも、鷹木が風穴を開けた感じはあるよ。棚橋やオカダ・カズチカ、内藤だったりが代わる代わる取り続けてきた中、今回は鷹木がポンと出てきたわけだから。なんだかんだ業界を動かしてるのは新日本プロレスなので、新日本を引っ張ってる存在がMVPを取るのはある意味で当然の流れなのかもしれないけど。
―― ベストバウトはノアの潮崎豪vs武藤敬司のGHCヘビー級選手権試合。
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