マルーーンさん のコメント
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井上直樹、朝倉海を連破! RIZINバンタム級ジャパンGPを制した 扇久保博正 13000字インタビュー!(聞き手/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】 ・ 強くて面白くて恐ろしいムエタイ・吉成名高は何を考えているのか
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―― あけましておめでとうございます!そしてバンタム級GP優勝おめでとうございます!!
扇久保 ありがとうございます! すいません、お正月なのにわざわざ柏まで来てもらって……。
―― いやいや、いまの扇久保選手は縁起物なので新年早々ありがたいです!(笑)。大晦日から2日経ちましたが、優勝の実感はいかがでしょう。
扇久保 元日の昨日よりは実感が出てきてます。優勝直後とかあんまりなかったんですけど。夢を見てるような……。 夢というか、まだ興奮してたからかな。客観的には見れてなかったです。
―― 勝った試合後はいつもそんな感じなんですか。
扇久保 いや、いつもと全然違いますね。とくに今日は寝て起きたときに「 いっぱい取材が来んのかな……」っていう。
―― 朝起きて「あ、優勝したんだな」と幸せを噛みしめる感じっていいですねぇ。1日2試合は相当ハードでしたし。
扇久保 キツかったですねぇ。 2度とやりたくないです、ホントに(苦笑)。
―― 1日2試合の対策って難しいですよね。
扇久保 いやあ、1試合目の井上(直樹)選手のことしかまったく考えてなかったんで。次の試合のことを考えられるような相手ではなかったし、正直決勝戦のことはもう。
―― 試合が終わってすぐ切り替えられるもんですか?
扇久保 切り替えれなかったですねぇ。井上戦は14時半ぐらいに終わったのかな。 スタッフの方に聞いたら「メインは22時半ぐらいじゃないかって。
―― 決勝戦まで8時間30分。
扇久保 井上選手に勝った時点でボクは満足してたんですよ。 ホントにそれだけ考えてたんで、何がなんでも井上直樹に勝つ。もう燃え尽きてたんですよ。 勝ったあとにふっと思ったのは「 8時間後にもまた戦えるのかな……」って。 しかも朝倉海というシンドイ相手ですよ(苦笑)。
―― 「前門の井上直樹、後門の朝倉海」ってイヤすぎますねぇ。
扇久保 メンタルを整えるのがめちゃくちゃ大変でしたね。 “もうひとりの扇久保博正”が「もういいんじゃない。これで準優勝の賞金はもらえるんだから」みたいに囁いて。「いやいやいや、ダメだダメだダメだ!ここで諦めたら後悔するぞ」と。
―― 井上直樹戦、朝倉海戦のあいだに、準優勝で満足するもうひとりの扇久保博正を倒さないといけない。
扇久保 やっぱり1回そういうふうに思っちゃうと、またモチベーションを上げるのは大変ですよね。
―― それくらいファイター心理って繊細なんですね。決勝戦までどうやって過ごしたんですか?
扇久保 フィジカルトレーナーの方に来てもらってたので、ずっとアイシングをしてもらって、あとは栄養補給をしたり。 最初は寝てたんですけど、 寝てるとすごい頭が回っちゃっていろんなことを考えちゃうんですよ。 身体もスイッチが切れてダルくなってきて。横になっているとちょっとマズイなと。 そこからは椅子に座ったり、 そのへんをゆっくり歩いたりして。横になったままだとまたアドレナリンに出すのが大変だろうなと。
―― 井上直樹戦でどこかはケガはなかったですか?
扇久保 どこ折れたとかはないですけど、カーフキックをちょっと効かされちゃって。いまも足を引きずってるんですけど……
―― ああ、井上選手のカーフでコカされましたね。
扇久保 ヒジで頭も殴られてたんで痛かったんですけど、同じ控室に宮田(和幸)さんがいたんすよ。宮田さんと朝倉海選手ってYouTubeでGP優勝をするみたいな動画を上げていて……。
―― 朝倉選手とブレイブジムは練習でも交流してますね。
扇久保 宮田さんがスパイをするってわけじゃないですけど、 足を冷やしたりする姿を見せるのはなんかイヤだったんですよ。
―― あー、心理的にも。
扇久保 そうです。宮田さんが朝倉選手に伝えるとかってわけじゃないですけど。 「元気だぞ!」っていう姿を意識してたというか。
―― 聞くところによると、扇久保さんがケガされてて練習ができてなかった時期があったとか。
扇久保 ……じつはそうなんです。 肋骨が折れちゃって。 11月頭ぐらいに石渡(伸太郎)さんのところに出稽古したときにちょっとアバラをやって。そこから1ヵ月ぐらいはスパーリングができなくて「マジか……」と思いました。1回戦(春日井“寒天”たけし戦)で拳を骨折して、それが治って大塚(隆史)選手にも勝ったし。 あとは大晦日だけだから気合い入れてるときに折れて、もうホントに……。 肋骨にヒビが入ったことはあったんですけど、完璧に折れたのは今回が初めてで。寝返りするのも痛くて「大晦日はどうなるんだろう……」ってホントかなり落ち込んだんです。
―― それは落ちますよねぇ。
扇久保 ありとあらゆる治療をやって4週間で治して、最後の3週間だけスパーリングをやって作った感じですよね。拳を折ったり肋骨を折ったり、1日2試合やったり、ホントすごい疲れた1年ですよねぇ。
―― みんな満身創痍で大晦日のリングに上がっていたみたいで。
扇久保 ああ、そうですよね。海くんは1試合目で拳をやっちゃったみたいですし。もうホントに「おつかれさまでした」って(しみじみと)。
―― あの決勝のリングにたどり着くまでがどんなに過酷かと……。
扇久保 決勝戦、試合終了のゴングが鳴って、ボクは勝ったことの安堵感はありましたど……海くんには「俺たち、やったよね!」って称えたかったというか。
扇久保 もっと試合を盛り上げれたかもしれないけど、うん。1年間、身体を酷使して、ここまで戦い抜いたよねって。こんなことボクが言うのもあれですけど、朝倉海あってこその今回のバンタム級GPだったじゃないですか。彼がいたからこそ、 たくさんの 人たちも注目してくれたところは絶対あるし。 だから……「俺たちやったよね、おつかれさま!」って言いたいです。
―― いやあ、ホントに……半年足らずで計4試合、最後は1日2試合ですもんねぇ。
扇久保 まあ彼とは3回目があるかもしれないんで、あんまり仲良しこよしはしたくないけど。やっぱり同士……という感じはあります。
―― 今回の斎藤裕選手と朝倉未来選手もそうですけど、精神的に繋がってないと過酷な大晦日は戦い抜けないというか。
扇久保 ホントにそう思います。リザーブマッチ(元谷友貴vs金太郎)の2人も含めて6人はあの日 かなり削られた1日になったんじゃないっすかね。みんなボロボロになった……1年間、戦い抜いてボロボロだと思います。みんなに「おつかれさま」って言いたいですね。
―― 今回のGPに参加した16名の皆さん、おつかれさまでした。……みんなボロボロになった中、不参加だった太田忍選手が大晦日に元気でしたよね。ひとりだけ忘年会の2次会から参加する感じで「先輩!夜はこれからですよ!」と(笑)。
扇久保 ハハハハハハハ、あれはちょっとヤバイっすね。 ホントに強いし。
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