masaさん のコメント
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前・修斗バンタム級王者・ 岡田遼 インタビュー。平良達郎の参謀として今回の試合を振り返ってもらいつつ、アメリカのいまを語ってもらいました!(聞き手/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】 ・ UFCファイター平良達郎「素晴らしい会社に就職できたなって思ってます」
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―― 岡田さんは錦糸町でジムをオープンしたばっかりなのに、平良達郎選手の試合のセコンドでアメリカまで帯同していたのでビックリしました!
岡田 ハハハハハハ。ジムのオープンが10月1日で平良のUFCが10月16日だったんです。オープンと同時に入会してくれる方もいらっしゃったんですけど、次の週からボクがいないなら臨時休業になります……と。ホントにふざけてますよね(笑)。
―― ハハハハハハハ!
岡田 平良がパフォーマンスボーナスの5万ドルをもらったんで、そこからちょっと補充させていただければ嬉しいんですけど(笑)。
―― ジムのオープンするのはけっこう前から準備が必要だから、試合より先に決まっていたわけですよね。
岡田 そうです。平良と松根(良太)さんからは「できるならば来てほしい」というふうに言われて。平良はやっぱり、かわいい後輩なんで、必要とされるならばできることはやってあげたいなってことで。オープンしたばっかりで、ジムのお客さんには迷惑かけたんですけど、帰ってきたら皆さん好意的でした。「試合を見たよ」と喜んでくれてました。
―― なぜ休んだのか理由はわかりますもんね。平良選手サイドからすれば、それくらい岡田選手のセコンドは重要だってことですね。
岡田 もちろん彼の役に立ちたい気持ちもありますが、ボクの勉強にもなるし、誰にでもできる経験ではないと思うので。UFCという格闘技の最前線からしか見えないものもありますから。
―― やっぱりUFCは世界最高峰だけあって違うと。
岡田 全然違いますね。たとえばUFCは計量するための水抜きキットが提供されるんですけど、リカバリー食も「計量パスしたら1口目はこれをこれぐらい時間をかけて食べてください」と指示されるんです。
―― 病院食みたいですね(笑)。
岡田 ホントそうなんですよ(笑)。このドリンクにはこんな栄養素が入ってるから、10分か15分ぐらいかけて飲んでくれと。それが終わったら、こういう栄養素が入ってるドリンクを30分ぐらいかけて飲めと。3本目は……ここまで管理されてるんだって。
―― それって他の団体だったら、選手が個人トレーナーをつけてやるようなことを団体としてコントロールしているってことですね。
岡田 昔の日本だと計量パスしたらビールを飲む選手がいたんですが(笑)、絶対にありえないです。選手がいいパフォーマンスをしてくれるためだったら、UFCはお金をかけてなんでもやってくれるんですね。
―― 選手をサポートする環境がすごいと。それなのに今回の平良選手の相手は計量オーバー。しかも早々に減量を諦めたみたいですねぇ。
岡田 そうなんですよ! 計量時間の猶予が1時間以上あったのに諦めてましたからね。UFC PIにはサウナがあるので、まだ落としきれてない選手はそこに行っていたんですけど、そんなこともせず。
―― 無理して肉体的負担を負うなら、ペナルティの罰金を支払って万全の状態で試合をしたい……ってことなんでしょうねぇ。ふざけた話なんですけど。
岡田 「ペナルティのお金を払うし、いいだろ? まさかオマエこれでやんないのかよ?」みたいなノリですよ(苦笑)。日本みたいに計量失敗を断罪する雰囲気はなくて緩いです。
―― 日本って計量オーバーに世界で1番厳しいんじゃないかなって。風当たりが厳しいことはいいことなんですけど。
岡田 向こうのコーチも計量失敗した選手に「オッケー、オッケー、レッツゴー!やってやろうぜ!! これで相手が受けなかったら相手は逃げたことだから!」みたいなノリになっててす(笑)。
―― もう文化が違うっていうことに尽きるんでしょうね。
岡田 日本人は生真面目すぎるのかもしれないですけど、達郎は「相手が何キロでもやります!」というスタンスで。試合をしないっていう選択肢が彼の中にないんです。あれだけ期待されてアメリカに行って、相手が体重オーバーしたから試合ありませんでした、というわけにはなかなか……。
―― デビュー戦も試合当日の朝に相手の体調不良で延期になりましたし……。
岡田 これが勝ったからよかったですけど、もし相手のパンチが当たってやられてたとしたら……体重を1キロ以上は超過してる相手と試合をやらせたということで、ボクだったり松根さんが非難されていたかもしれない怖さはありますね。
―― そこを断る選択肢も持つべきだっていう考えはあるわけですね。
岡田 もちろんです。ただ、判断が難しいですよねぇ。達郎からすると「やりません」とは言いづらかったのはたしかです。
―― トラブルがあったうえで受けた試合は平良選手の腕十字一本勝ちで完勝でした。
岡田 松根さん的には「あそこはちょっと……」っていうシーンはあったんですけど、総じていうと全然100点に近い。達郎は行きすぎるっていうか、ボクからすると羨ましくもあるんですけど。ちょっとリスキーで、もうちょっと固めて固めてステイしながら進めていけばいいな……っていうところをマウントまで一気に行っちゃって、ブリッジでひっくり返された。そこがいいところでもあり、ちょっと危ないところでもあるんですけど。
―― そこは若さなんでしょうね。
岡田 いや、そこがすごいですよね。試合ってリスクとステイのバランスの取り合いというか、バランス感覚が大事なんですけど。達郎はリスクを選ぶ。「ステイでいい」と言っても、ここだと思ったらどんどん行くんですよね。そこは勇敢で誇らしいんですけど。
―― UFCデビュー戦と今回の第2戦目、何か違いは感じましたか?
岡田 VTJで試合をしたときと比べて、やっぱりフォロワーさんがとんでもなく増えてますし、知名度自体がとてつもなく上がったので。期待されていることで「俺は見られてるぞ」という意識が強くなってますよね。責任感が芽生えているというか、「みんなが早起きして俺の試合を見てくれてるから絶対に明日は試合をしなきゃいけない」と。
―― だからキャッチウエイトでも引き受ける。
岡田 いい子がゆえの責任感ですよね。達郎はけっこう気にしぃなんだよあ。アメリカに来て「ボクの実力はどうかな?」じゃなくて「こういう風な試合をしたら、みんなどう思うかな……」みたいところを気にする子なんで。
―― メジャーで戦うことでプロファイターとしての意識が変わってきたということですね。
岡田 だいぶ変わってます。日本で期待してくれるみんなのことを考えてますね。
―― だからステイしないで攻めちゃった結果、5万ドルのボーナスをゲットできた(笑)。
岡田 そうですね(笑)。相手はランカーでもないし、フィニッシュしなきゃダメだ……みたいことは達郎も言ってたんで。ボーナスが欲しいからじゃなくて、日本で朝早く見てくれてる人たちに楽しんでもらいたい意識で一本勝ちができて、それがボーナスに結びついたのはよかったですね。
―― ボーナスをもらったときはどんな反応だったんですか?
岡田 贔屓目に見ても達郎よりインパクトある面白い試合はなかったんで「これは絶対に来たよ」っていう話をしてたんですけど、達郎は「絶対ないっすよ!」って執拗に繰り返してて。
期待したくないと(笑)。
―― 期待して獲れなかったらショックが……ってことですかね(笑)。
岡田 そこなんですよ。「オマエがもらえるよ」と言っても「そうじゃなかったら落ち込むからやめてくださいっ!!」って怒られたんです(笑)。彼がずっと食べたいって言ってた『In-N-Out Burger 』という有名なバーガー屋さんのレジに並んでるときにボーナスゲットが発表されて。めちゃくちゃ喜んでました。
―― なにしろ5万ドルですからね(笑)。
岡田 いまは円安だから、日本円に換算すると約750万円ですからね。安いハンバーガー屋でファイトマネーの計算を始めて(笑)。
―― そうやってまた成長してくでしょうね(笑)。2試合連続UFC APEX だったから、次回は観客がたくさんいる会場で見てみたいですね(2月韓国大会決定)
岡田 APEX はめちゃくちゃ少ないんですけど、一応お客さんいるんですよ。とんでもない値段でチケットを売ってるんです。たしか1番安くて33万円で見れるんです。100人もいないんですけど。
―― このあいだFacebookのマーク・ザッカーバーグ が1大会借り切って観戦してましたね。平良選手は3戦目のマッチメイクが気になります。
岡田 同じ無敗同士の(ムハンマド・)モカエフとか。マネル・ケイプは日本でチャンピオンだったことをUFCわかってるから、ケイプとかもありえるのかなって思ってるんですね。
―― モカエフやケイプはどこかのタイミングで組まれそうですね。ケイプといえば、彼もしばらくラスベガスに居座って試合やトレーニングをしてましたけど、あそこは格闘技に専念できる環境ってことですよね。
岡田 そういうファイターは多いみたいですよ。パトリック・ミックスはもともと全然違うところでやってたんだけど、ラスベラスがいいってことで移ってきて。カリフォルニアのアルファメールでやっていたコディー・ガーブランドも引っ越してきたそうですし。世界各地から選手が集まってくるのは、ラシベガスにUFC PIという最先端のトレーニング施設があるからってことですね。
―― 日本でよく言われるのは、アメリカで練習しなきゃダメだってことですが、岡田さんはどう思われますか?
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残念だけど、ぜひ岡田選手には今後コーチとして選手育成し、日本MMA界の底上げをしてほしい。
岡田選手ほど実績と人格とインテリジェンスを備えた、コーチとして相応しい存在は他にはいない。
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