としさん のコメント
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RIZIN北海道大会で友人対決を制した 新居すぐる インタビュー!(聞き手/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】 ・ 極真世界王者・上田幹雄「大山総裁ならRIZINに殴り込んでいたと思います」
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―― 新居選手は経歴がかなり特殊だったので、ずっと取材したかったんですよ!
新居 あ、それは嬉しいです(笑)。
―― さっそくいろいろとうかがいます! RIZIN3戦目で初勝利を収めたわけですけど、飯田建夫選手とは地元・北海道の友人同士とは思えない決着でした。まったくためらわずにサッカーボールキックで蹴り上げて。
新居 ああ……そこはみんなから言われますね。自分はそこは吹っ切れていたんですけど、「もう友達なのに」とか言われすぎちゃって、自分でも「ホントに友達だと思っていたのかな」と考えるようになっちゃって……。
―― だんだんと自分を疑い始めちゃいましたか。
新居 建夫とは格闘家になる前からの関係で。高校は違うんですけど、柔道部繋がりで知り合ったんですよ。時期は違いますけど、2人とも上京して格闘技をやって、あるとき地下格闘技で試合が組まれそうになったんだけど、関係者が「2人がどうせやるなら、もっと大きい舞台でやらせたい」と。
―― とうとうその日が実現したんですね。しかも地元の北海道で。
新居 すごく嬉しかったですよね。でも、ああいう結果になったことで「やりすぎじゃないか」とかいろいろ言われて、仲のいい飲み友達にあんなことできるのかなと考えたんですけど。それは試合だから蹴れただけで。試合以外で友達を蹴るなんてことは想像しても無理だし、そこは減量と一緒だと思うんです。試合がないのに体重を落とすなんて、キツくてできないんですよ。
―― 試合があるから減量もできる。
新居 そうですね。試合だと、どんな友達でも自分は躊躇なく蹴られるんだと思う。建夫ともう1回やっても同じことを絶対やりますね。1週間くらいそんなことをずっと考えてました。「ちょっとやりすぎじゃないか」みたいに言われたので。
―― RIZINの場合、サッカーボールキックはオッケーだから、感情的に蹴ってるわけではないんですけどね。
新居 自分はアームロックが得意なんですけど、練習では絶対に本気で力は入れないですよね。勢いでやっちゃうと折れちゃうじゃないですか。だからゆっくりかけるんですけど、試合のときはおもいきりやります。打撃も一緒で、レフェリーに止められるまで全力でやる。いい意味で試合中に余裕はないですよね。
―― 最近アメリカのPFLで親友同士の試合が手抜きで問題になったんですよ。外国人だとフレンドリーファイトになりがちなんですけど、日本人の場合は手を抜かずに徹底的にやるんだなと。
新居 サッカーボールキックだったから良くも悪くも動画が拡散されたところはありますね。自分は建夫との試合を1人でも多くの人に見てもらいたいし、知ってもらいたかったので、そういう意味ではよかったなとは思います。
―― 飯田選手とは試合後にお話はされたんですか?
新居 試合後のリング上で「ありがとう」ぐらいですかね。そこから連絡も取ってないです。
―― 連絡は取りづらい?
新居 いや、取りづらいわけではないですけど……建夫からツイッターをブロックされてるんですよ。
―― えっ、それは試合後ですか?
新居 そうですね。共通の友達はブロックされてないけど、建夫と連絡を取っても返事はないみたいで。
―― なるほど……。飯田選手は地元の北海道に帰ることをツイッターに書いてましたけど。
新居 あ、そうなんですか。全然知らなかったです。
―― いったん戻って休養するみたいです。
新居 脳のダメージもあるし、奥さんが北海道にいるから、それはいいと思いますね。
―― 聞きづらいですけど、ブロックされたことはどう捉えてるんですか?
新居 うーん、ボクが同じ負け方しても次の日に飯に行けるぐらいフラットに考えるんですけど、建夫ってすっごい優しいんですよ。何に対しても優しいからこそ、いろいろ考える部分があっただろうし。自分は勝った側だからわからないこともあるだろうし、ボクですらサッカーボールキックの件でめっちゃいろんな声が入ってきた。負けたほうはもっとイヤなかたちで入ってくるじゃないですか。
―― SNSで無責任なことをいろいろと言われがちですよね。
新居 建夫の考えは自分にはわからないですけど……まあ、何かしら考えがあって連絡は取らないと決めたんだろうなと。でも、現役でやってる以上、同じ階級の選手と仲良くする必要ってないし。そこも含めて建夫はファイターだなって感じたし、心が狭いなとか自分や周りは何も思ってないです。
―― あの試合の余韻がまだあるんですね……。
新居 だから、そこらへんは……ボクもなんかいろいろ感じましたね。イヤな意味じゃなくて。言葉にできないいろんな感じが。
―― そもそも今回のオファーがあったときはどう思われたんですか?
新居 最初は別の選手でオファーがあったんですよ。その選手が他の選手とやることになって、建夫とのオファーに変わって。興行側からしたら2人の関係を知らなかったと思うんですよね。ボクは建夫に特別な気持ちもあったし、すごいいい場面でドラマみたいな感じでできるなと思って。でも、周りから話を聞くぶんには、建夫は自分とやることを嫌がってたみたいで。
―― その理由はわかります?
新居 それこそ友達だからだったから、ですかねぇ。思ったのはボクってRIZIN2連敗してるし、色物のTikTokだと思われて。建夫は強いけど、目立つ選手じゃないからなかなか知られてない。北海道の人は見るけど、他の人は興味を持ちづらいというか、薄いカードだったと思うんですよ。だから自分は1人でも多くの人に俺たちのストーリーを知ってもらいたいと思って。昔の建夫との写真を探して、それで動画を作ったり、SNSを通してこのカードの意味を伝えていったんです。
―― そのかいあって“友達対決”のドラマは浸透してましたよね。
新居 そこはやってよかったです。あとちょうど建夫が児童施設の子をRIZINに招待すると。もともと自分は今年から児童施設や動物愛護団体に力を入れていこうとしてたので、ここは建夫に乗っかろうと思って。
―― それでファイトマネーを児童施設に全額寄付されてたんですね。試合が決まってから飯田選手とは何かやりとりはされたんですか?
新居 全然してないです。そこで連絡をちょっとも取っちゃうと自分の気が緩んじゃう気がしたから。前日計量でも一切しゃべってないです。「よろしく」とかも言わない。
―― で、試合後も……。
新居 なんというか、綺麗な友情物語では終わらないですよね。そこも含めてリアルな格闘技だと思ってるから。漫画じゃないから、やっぱり。
―― 感動では終われないのが現実というか。
新居 たぶん見てる人たちが求めていたのは、お互い攻防しあって、殴って殴られ、最後に「ありがとう」ってハグして判定待ち。そんなシーンを想像していたかもしれないですけど。ボクはすべてを奪ってでも決めにいくつもりだったから。ここで負けたらもう次はない。勝つと負けるとは天と地の差があったし、相手が友達でも全部奪うつもりで試合のオファーを受けたので。
―― 今回は北海道開催ということもあって、地元出身の新居選手にもオファーがあったわけですから、ワンチャンスをものにしたって感じですね。
新居 ホントにこれ逃したら、もうRIZINはないんじゃないかなって。あと、めっちゃ批判されてた北海道大会がすごくいい興行だったからよかったですよ(笑)。また北海道でやりそうですもんね。盛り上げたかいがあったのかなって。
―― 話を聞いて、試合が終わったいまでも“重い”ことがわかりました……。ここから新居選手のパーソナリティな部分をお聞きしますが、新居選手は渋谷や六本木のクラブセキュリティの仕事をやれていて。そのネタを扱ったTikTokのほうでバズってて。
新居 「クラブセキュリティあるある」ですね(笑)。格闘技を知らない人がかなり見てくれて、自分が格闘技をやってることを知らなかったりするんですよね。だから、TikTokきっかけで格闘技を見てくれる人もいたり。自分は格闘技は「昼のエンタメ」、クラブは「夜のエンタメ」だと捉えてるんですけど。「夜のエンタメ」ってすごく批判されがちなんですよね。コロナのときも悪いものみたいに扱われてるけど、みんながストレスを発散できる場だし、そういう場は必要だと思ってて。自分の存在から格闘技を知った人がいるように、逆に「夜のエンタメ」を知ってもらえたらなって。
―― クラブセキュリティはどういう流れで始めたんですか?
新居 自分は大学でも柔道部で、たまにフェスやクラブ、芸能人や海外のアーティストのボディーガードみたいなバイトでやってて。で、地下格闘技にで出るようになったんですけど、地下格闘技の仲間がクラブセキュリティをやることになって。それを手伝ったりしているうちに仕事になってましたね。
―― セキュリティといえば、元・格闘家のISEさんが立ち上げたボンズが超有名ですよね。
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