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クレベルに完勝した 金原正徳 インタビュー!!(聞き手/ジャン斉藤) 【1記事から購入できるバックナンバー】 ・ 金原正徳「クレベル戦が決まってから対策を練るレベルでやってない」
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金原 試合後、初めてのインタビューですよ。
―― それは嬉しいです! 今日は事前のインタビューの答え合わせじゃないですけど、金原さんは「クレベルとは相性がいい」とおっしゃってましたよね。見る側からすると「ここまで相性がいいんだ!」という驚きがあったんですが、本人的にはどうだったんですか?
金原 正直「組んでみなきゃわからない」というのが本音で、自分の寝技が通じるのか、通じないのか……。そこは実際に組んでみなきゃわからないんですけど、自分の信じていたものが通用しなかったときの怖さってあるんですよね。あのときの絶望感、それを日沖発との試合で味わっているんですよ。
―― 戦極のときの日沖発戦(2009年8月2日)。金原さんの判定負けでしたね。
金原 日沖発との試合中に「ホントに強え」って感じたんですよね。寝技に自信があったのに、この男にはまったく通用しない絶望感。あの試合のイメージがどこかの頭の片隅にあって……。
―― トラウマじゃないですけど。
金原 トラウマまではいかないですけど、戦いながら「これは勝てねえや」って思っちゃったんですよね。そういう経験もあったからこそ、クレベルと組んでみたときに絶望感を感じるのかどうか?という怖さがあって。そこであまりネガティブになりたくないから「俺は強い、俺は強い」とメディアに発言するように心がけていたんですけど。でも、クレベルの試合映像を見たら「うわあ、やっぱり強いわ……」って。どこまで俺の組みが通用するのかなという不安も出てきたので、映像はそれ以降は見ないようにして(苦笑)。
―― というと「相性がいい」は半分、強がりだったんですね。
金原 そう(笑)。正直、強がりな部分はありますね。
―― ボクがインタビューしたときも前半は威勢よかったんですけど、後半は「自信がない」とか言い出して。
金原 ハハハハハハ。インタビューも最初は強気なんですよ。でも、喋っていくうちに「でもな……」って弱気になっていく自分もいたりして。あのときの精神状態はけっこう上下してましたねぇ。
―― 格闘技って絶対に勝てる試合なんてないわけだから、「俺は勝てる!」「いや、やっぱりダメかな」という自問自答の繰り返しだったりするでしょうね。
金原 どんな弱い相手でも1%でも負ける可能性がありますもん。どんなに有利に試合を勧めていても、ゴングに鳴るまでわからないし。
―― 実際に戦ってみて、ここまでクレベルを圧倒できたのは、自分でも驚きだったりするんですか?
金原 びっくりしてます。周りがびっくりする以上にボクが一番びっくりしてます。「俺、強いやん!」って(笑)。
―― ハハハハハハ!
金原 自分の持っているものがクレベルにこんなに通用するんだって。でも、これは終わったから言えることかもしれないですけど、クレベルとは練習で一度、組んだことがあるので。そのときは対戦するなんて1%もないと思っていたんですよ。クレベルはKSWに出ていたし、対戦するイメージもないまま普通に練習してて。でも、クレベルとやったイメージがないってことは、俺がやっつけてた可能性があるなって。やっつけられてたら「コイツ強いな」っていうイメージが残るじゃないですか。
―― いま振り返ると、練習の時点で行ける感触があったと。
金原 そうです。でも、クレベルはRIZINに出た当初より明らかに強くなってきてるし、伸びしろという部分でも怖さはありましたよね。
―― 試合前に「付け焼き刃でクレベル対策しても意味がない」と言ってましたけど、金原さんがいままで積み重ねてきたものがあっての勝利だったわけですよね。
金原 そうですね。一番警戒していたのは三角とバックチョーク。そこは対策をするというよりも、組み手争いをちゃんとやろうと。細かいことをいうならば、いつもボクは脇を差してパスをするんですけど、あんまり脇を差しちゃうと三角が取られやすくなるんですよね。そういうイメージをしながらずっとスパーリングをしてました。
―― 対策はしないけど注意点はいくつかあったと。
金原 組み手争いの段階でしっかり勝負する。そこでネガティブにならなかったのはけっこう大きいかもしれないですよね。クレベルと向かい合ったときに下がらない、引かない気持ち。技術という土台がちゃんとあれば、気持ちでどうにか立て直すこともできると思うので。もしクレベルの技で圧倒されたとしても弱気にならない。いつか右手を当てれば勝てる……と最後まで信じきれたところはありましたね。
―― メンタルってやっぱり重要なんですね。相手に流れを持っていかせないのは精神と技術。
金原 自信と覚悟ですよ。これで負けたらしょうがない。いままでコツコツ20年間やってきて、それは付け焼き刃の練習なんかじゃなくて。それで負けたら、ボクが弱かったよりもクレベルが強かったって褒めるしかない。そういう開き直りの部分もけっこうあったんですよね。だからさっきの脇の差し方とか簡単なミスで負けるのだけはイヤだったんですよ。「なんであそこであんなことしたんだよ」「もっとああしとけばよかったよ」って終わってからダラダラ言うような負け方だけはやめようと。小さなミスで負けるのだけはやめようっていう集中力はちゃんとありましたね。
―― 負け方にもいろいろあるってことですね。負けるにしても納得できる負け方。
金原 そうですね。自分は「なんであんなことしちゃったんだ……」っていうミスで負けることがいままであったんで。前田吉朗戦やマイケル・マクドナルド戦もそうだったし、それだけはやめようって思いながら。
―― 戦った本人としてクレベルの敗因ってなんだと思います?
金原 うーん、ボクをナメてたことじゃないですけど。
―― クレベルはナメてました? ・ クレベルはRIZINで◯◯をやってきてなかった
・RIZINに出たのは堀口恭司と戦うためだったが…
・朝倉未来戦のオファーがあったが…
・KID戦のことを言われるのが嫌だった
・日本格闘技界の実力
・ドーピングについて
・練習しないと後々後悔する……13000字インタビューはまだまだ続く
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