1.4UFNシンガポール大会では、川尻達也の勝利以外にも印象深いことがいくつもあった。
   まずは菊野克紀だ。クイーン・マルハーンに判定勝ち。実は、大会前に最も不安なのがこの試合だった。何しろ相手がデカい。さらにグラップラー。テイクダウンを許し、漬けられて、持ち味を発揮できないまま判定負け......なんてこともあるんじゃないかと思っていたのだ。
   だが実際には、菊野の完勝になった。マルハーンのタックルを潰しまくり、終始トップをキープしての判定勝ちである。試合終盤には「これもう万が一のカウンターとかもなさそうだし、スタンドで強引に倒しにいってもいいんじゃないの?」と思えるくらい圧倒していた。
   菊野自身にとっては、やりたいことができず、課題が残る試合だったようだ。とはいえ大事なUFC初戦でしっかり結果を残せたのは大きいだろう。
   それにしても、マルハーンの闘いぶりは不思議なくらい弱々しかった。