Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回のテーマは「MMAに巨乳は有利、不利?」
10月3日、ニューヨーク市クイーンズ地区で行われた「Aggressive Combat Championships 12」大会(米国ムエタイ連盟管轄)では、ブライ・アン・ルシロ(Brye Anne Russillo)(29)選手がペイジ・リアン選手の保持する女子150パウンドのベルトに挑戦するタイトルマッチが行われ、チャンピオンが判定3-0でタイトルを防衛した。奮闘空しく敗戦した挑戦者のルシロ選手は、MMAのかたわらパン職人として働くシングルマザーで、戦績はこれで1勝2敗となった。
この一見なんということもないインディ大会での無名選手の試合に、英デイリーメール、米CNN、米ニューヨークポストといった大手メディアの注目がいきなり注がれることとなったのは、挑戦者のルシロ選手がFカップの巨乳の持ち主で、試合前に、胸が大きすぎて減量できない、キャッチウエイトにしてくれと主催者側と交渉していることを明かしたからである。ルシロは試合前インタビューでこう語ったのだった。「おっぱいを切り取って、脇に置いておくわけにもいかないでしょう。でもおっぱいだけで12パウンド(5.4キロ)もある」。
どんなおっぱいであるのかは各自の検索にお任せするとしても、言われてみればこのルシロ選手の主張には一部の理もあるようにも聞こえる。胸はほとんど脂肪のかたまりであり、胸が大きいからといって、格闘技の試合で有利に働くことは考えにくい。それどころか、グラップリングの邪魔になったり、パンチが届きやすいために打撃の標的になることもしばしばだ。このように格闘技的には無用の長物ともいえる胸も、12パウンドもあると階級が1つ違ってくるのである。12パウンドの胸と、全身にバランスよくついた12パウンドの筋肉とが、同じ扱いというのは果たして公正なことなのだろうか?
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