Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――今回は2015年のUFCタイトル戦線を振り返ります!
2014年のUFCは業績を落とし、「UFCはすでにピークを過ぎた」とか、「PPVビジネスは死んでいる」などと評価する向きもあった。しかし、2015年のUFCは、ロンダ・ラウジー、コナー・マクレガーの2大スターの活躍で、業績を大きく回復させた。
UFCにとって2015年は王座の変動が激しい1年となった。ロンダ・ラウジーがホーリー・ホルムに敗れたり、コナー・マクレガーがアルドを秒殺して世界を驚かせた一戦は記憶に新しいが、王座変動はこれだけではない。2015年のスタート時点でのチャンピオンの顔ぶれは、ケイン・ベラスケス、ジョン・ジョーンズ、クリス・ワイドマン、アンソニー・ペティス、ジョセ・アルド、TJディラショー、デミトリアス・ジョンソン、ロンダ・ラウジーというもので、いかにもどっしりと長期政権を築きそうな顔ぶれが各階級に揃っていたのだ。しかし年末になって、今もチャンピオンなのは、ディラショーとジョンソンだけである。
こうした刺激的な王座交代劇もあり、一時は「すでにピークを越えた」とか、「PPVビジネスは死んでいる」などと言われていたUFCは、2015年に業績を大きく回復させた。2016年のUFCも、ビッグマッチが待ち構えている。「ラウジー vs. ホルム」の再戦は記録破りのPPV件数を売り上げることだろうし、戦線復帰のジョーンズとコーミエのリマッチも話題を呼ぶだろう。マクレガーは誰と戦ってもビッグイベントになるだろうし、GSPの復帰戦も大いに盛り上がることだろう。もっとも、ラウジー、マクレガー、ジョーンズを除くと、チャンピオンにそれほどの観客動員力、PPV販売力がないことは、不安の種ではある。
年の終わりにあたり、今回と次回の2回にわたって、UFC各階級のタイトル戦線の動向を取りまとめておきたい。今後の観戦のお供にどうぞ。
【フェザー級】
コナー・マクレガーの台頭により、フェザー級はこれまでにないほど、UFCの台風の目になっている。トップコンテンダーは間違いなく、フランキー・エドガーだ。かつては小さな身体でライト級のベルトを守り続け、フェザー級転向後はアルドに僅差の判定負けを喫した後は、チャールス・オリベイラ、BJペン、カブ・スワンソン、ユライア・フェイバー、そしてチャド・メンデスというそうそうたる顔ぶれを下して現在5連勝中。ダナ・ホワイトも、「エドガーの好きなようにやらせてやらないといけない」として、タイトル挑戦の資格が十分すぎることを認めている。
長期政権の功績をふまえ、アルドにマクレガーとのダイレクトリマッチの資格があるのではないかとの議論もある。たしかに、ベラスケスとラウジーはダイレクトリマッチのチャンスを得ている。もっとも、ヘビー級にはエドガーのような強力なコンテンダーがほかにいないし、ラウジーにはアルドにはない特別な動員力があるため、横並びで考えるには無理もありそうだ。
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