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EACI News Weekly 第23号(6月12日号)
東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
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【目次】
【1】《今週のニュース 6/6-6/12》
政治(3)、経済(2)、国際(3)、社会(2)
【2】《UIチャンネル放送予告 No.107》
6月15日(月)20時 高野孟「翁長知事訪米の成果」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv224268025
【3】《EACIレポート》
6月6日(土)「やんばるから平和の発信を」に200人超の参加者が集う
【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「ワシントンへの直結広報」
【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
第3部 揺らぐ「承認」 vol.23 「“身内”の批判」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】《今週のニュース 6/6-6/12》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【政治】
■安保法案「違憲」で論争
(駐日新聞 2015.6.11)
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015061102000245.html
■安保法案:今国会での成立、断念を…村山・河野氏が会見
(毎日新聞 2015.6.9)
http://mainichi.jp/select/news/20150610k0000m010062000c.html
■翁長知事、米大使初会談へ 辺野古めぐり意見交換
(琉球新報 2015.6.9)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244053-storytopic-3.html
【経済】
■米下院、TPA法案12日採決へ 可決ならTPP追い風
(日経新聞 2015.6.12)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H23_S5A610C1EAF000/
■続く円安、政府による為替介入はあるのか?
(PAGE 2015.6.6)
http://thepage.jp/detail/20150605-00000004-wordleaf
【国際】
■MERS、韓国経済に打撃 死者10人目
(朝日新聞 2015.6.12)
http://www.asahi.com/articles/ASH6C54NGH6CUHBI028.html
■ミャンマーの少数民族 中国要請で停戦宣言
(NHK 2015.6.12)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150612/k10010111751000.html
■米の軍事活動、削減求める=南シナ海問題で中国軍制服組トップ
(時事通信 2015.6.12)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2015061200590
【社会】
■辺野古沖、10カ所目で掘削調査 市民ら陸上と海上で抗議の声
(琉球新聞 2015.6.12)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244180-storytopic-3.html
■沖縄が喜べない、米国上院案から「辺野古唯一の選択肢」が消えた理由
(沖縄タイムス 2015.6.12)
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=119514
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【2】《UIチャンネル放送予告 No.107》
6月15日(月)20時 高野孟「翁長知事訪米の成果」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv224268025
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6月15日(月)20時からの第107回UIチャンネル放送は、「翁長知事訪米の成果」を生放送でお送り致します。
米軍普天間飛行場の辺野古移設計画の撤回を米政府や米議員らに要請するため、先月27日より訪米をしていた翁長雄志知事が6月5日に要請団と共に帰国し た。その訪米団に同行した東アジア共同体研究所特別研究員の安田哲也氏らの報告等をもとに翁長知事訪米の考察を高野孟氏が90分生放送でお送り致します。
■6月15日(月)20時 高野孟「翁長知事訪米の成果」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv224268025
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【3】《EACIレポート》
6月6日(土)「やんばるから平和の発信を」に200人超の参加者が集う
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東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターは6月6日、シンポジウム「やんばるから平和の発信を!」をひらき、会場に200人を超える参加者が集まった。
琉球・沖縄センターの緒方修センター長は、冒頭のあいさつで沖縄に対する日本政府の姿勢について「普天間基地の辺野古移設についての態度はかたくなだ」と触れ、東アジア共同体研究所の役目を語った上で「このシンポジウムを聞いて、当研究所が東アジアの安定に貢献すると思っていただければ」と挨拶した。
辺野古基地建設反対を訴えるために訪米した稲嶺進名護市長が続いて登壇し、「なぜ我々はアメリカまで行かないといけないか」と問いかけ、「政府は武力をもって『積極的平和』といっている。しかし、そんなことはありえない」と批判。今後の外交政策については、「対話を繰り返していくと理解され、支援にまわる。応援してくれている人はたくさんいるだろう」と呼びかけた。さらに「はっきり言えるのは、要請行動ばかりではダメ。ノーということははっきり伝え、主張することでわかってもらう」と語気を強めた。
訪米団の一員として参加した糸数慶子参院議員は、「米国は『辺野古移設について反対なら、日本政府の問題だから東京に抗議にいけばいい』という。しかし、米国は当事者。逃げないでほしい」と申し入れのアメリカの対応の様子を語った。
訪米団は総勢40名で、5月27日ハワイからスタートし、6月4日ワシントンDCに到着。翁長知事、名護市長、那覇市長、読谷村長などがそろって辺野古移設ノーを訴えることで、沖縄県民の強い意志を明確に伝えた。糸数氏は米国側から「対案をもっているのか、移設にノーというならどこに基地をもっていくか」と言われたエピソードを紹介し、「対案はもたない。どうして対案が必要なのか。サンフランシスコ講和条約、辺野古への移設、どれをとってみても、沖縄県民の意思は無視されている」と訪米後の思いを語った。
ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、「18年間粘りに粘って止めてきた。稲嶺市長が自民党で推進してきたが、今は一緒にたたかっている。重要な戦いになってきた」と熱く語った。
安次富氏は、カヌーを漕いで辺野古のボーリング調査を阻止してきた。いまも抗議の座り込みを続けている。しかし、抗議する市民のカヌーや船に自衛隊のゴムボートが追突し、転覆させる手荒な方法が目立つ。「公権力を使って、反対派をつぶしに来るのが安倍政権のやりかた。暴力に抗いながら絶対にくじけない闘いをやっている」と語った。スピーチの最後には、安次富氏が沖縄の運動を学びに来る人たちに必ず伝えるフレーズ、「ホテルは“かりゆし“、土産は“沖ハム“、買い物は“かねひで“で」といって会場を沸かせた。その真意は、どの企業も辺野古移設に反対を銘打っている沖縄の有名企業を支援しようということ。お互いの応援が反対運動につながると訴えた。
元名護市長の長男で現名護市議会議員の岸本洋平氏は、「故・岸本元市長は基地受け入れに7つの条件を上げて、これがクリアできなければ基地移設は撤回」といった。しかし市長の死後、2006年当時の市長と防衛長官によってなされたV字合意でその条件はすべて無視された」と批判した。
ジャーナリストの高野孟氏は糸数議員が触れた「対案」について、東アジア共同体研究所の孫崎享所長の話を持ち出し、「ドイツの地位協定では、在独米軍は地方の環境に問題があると、地方自治体が『米軍は出て行け』といえる」と対案を例示した。また、話の中で2つの政治手法について触れた。「安倍政治はヘイトポリティックス=憎しみの政治だ。異論は許さず敵を増やす。一方の翁長知事は、慈しみの政治。当事者、末端の気持ちに寄り添わないと政治はできないという立場。生活の現場で悩んでいる人が政治の主体と、翁長知事が示している。国権の政治と民権の政治のコントラスト。理屈として大切と言ってきたけど、翁長知事は体でもう一つの政治の流れを示しているのではないか」と語った。
鳩山由紀夫理事長は最後のあいさつに立ち、「一国の軍事力が高まり『脅威』といわれれば、他方は抑止力のために軍事力を高めることになる」「軍事ではない、文化的な抑止力になって、そして協力できるのが東アジア共同体だ。最大限、力を合わせようじゃありませんか」と締めくくった。
(同シンポジウムの様子は6月22日(月)20時からのUIチャンネル放送にて配信予定)
鳩山由紀夫理事長は翌日には「沖縄の可能性、きみたちの可能性」と題し、県内の学生約20名とフリートークを交わした。
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【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「ワシントンへの直結広報」
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ワシントンへの直結広報
6月6日(土)に名護市民会館で実施した講演会・パネルディスカッションは大成功だった。内情を言えば6日(土)7日(日)で鳩山理事長、高野理事の日程をだいぶ以前から押さえていた。ワシントンへ翁長知事と同行した稲嶺進名護市長、糸数慶子参院議員が帰国したのが、前日の夜。翌6日がタイミング良く帰国報告第一声となった。稲嶺市長が語ったように、なぜ遠いワシントンまで出かけていかないといけないのか、日本政府が沖縄県や名護市を相手にしないからだ。だとすればこちらは直接ワシントンへ声を伝えなければいけない。
次項で紹介する「やんばるからの平和発信」のメッセージも、市民会館に集まった目の前の観客ばかりでなく東京、ワシントン、東アジア諸国(地域)へも様々なチャンネルを通じて広げる必要がある。集会参加者の名前で次のようなメッセージを承認してもらった(参加者に入場時に配布、読み上げたのは最後の段落のみ)。英訳して発表する予定だ。
「沖縄 やんばるから発信する平和メッセージ」
沖縄県は、東西約 1,000km、南北約 400kmの広大な海域に点在する大小 160の島々からなる島嶼県です。亜熱帯海洋性気候の下、それぞれの島ごとに豊かで多様な自然環境と風土・伝統に根ざした個性豊かな文化は、人々を魅了し惹きつける力をもっており、沖縄が持続的発展を志向する上で重要な要素となっています。
その沖縄は、太平洋戦争において一般住民が地上戦に巻き込まれ、多くの尊い命を失うという悲惨な体験を有しています。戦後の沖縄は、日本の独立と引き換えに本土から切り離され、米軍統治の下、土地を強制的に接収されて次々に基地が建設されていきました。
沖縄には、現在もなお、狭あいな県土に全国の米軍専用施設の約74%が集中し、人口や産業が集中する沖縄本島の面積の約18.4%を占めているほか、陸域だけでなく、水域及び空域においても使用が制限されています。
日本の安全保障を支える米軍基地が、沖縄県のみに集中している現状を改善してほしいと県民は強く願っているにもかかわらず、日米両政府は名護市辺野古の海域を埋め立てて新基地を建設しようとしています。
沖縄本島北部地域は、亜熱帯の照葉樹林が発達する豊かな森林生態系・淡水生態系が残され「やんばるの森」と呼ばれています。この森は生物多様性に富み、沖縄島で独自に進化し種分化をとげた固有種・固有亜種が生息・生育し、その多くが絶滅のおそれのある種とされています。そのため、やんばるの森は地球レベルで保全される必要があり、世界自然遺産として登録されるべき地域です。
日米両政府はそのやんばるの名護市辺野古に、ジュゴンが住む美しいサンゴの海を埋め立てて新基地を、また、東村高江にヘリパッド基地の建設を進めようとしています。過疎化が進む本島北部に基地が集中し、演習が繰り返されるようになれば、やんばるは間違いなく衰退していくことになります。
私たちは、沖縄を日米の軍事拠点から平和の要石へと転換し、東アジアの外交、安全保障、経済、文化、学術、環境の交流拠点として東アジア、ひいては世界の平和に貢献する地域にしていくべきであると考えます。沖縄はかつて独立国として中国をはじめ広く東南アジアの国々と交易を通じて交流を深めていた経験を有しています。21世紀の今、沖縄が日本と東アジアとの新たな時代における国際交流拠点として多様な交流を積極的に展開することにより、沖縄県の自立的発展のみならず東アジア全体の平和と繁栄に寄与するという大きな役割を担うことができると確信しています。
沖縄戦の悲惨な体験を持つ沖縄に、戦後70年もの長い間、日米安保の過重負担を押し付け、さらには海を埋め立てての新基地を押し付けるのは非民主的で自由と平等と民主主義に反するものであります。沖縄の基地問題は日本国の問題であるとともに基地を使用する米軍・米国政府の問題でもあります。沖縄県民の民意を無視した強硬な基地建設に異議を唱え、やんばるの自然環境の保全と持続可能な利用による地域の振興、地域住民の安全で安心な生活環境の確保、そして多くの沖縄県民が目指す平和な島の実現に向けて、ここやんばる地域から高らかに声を上げていきます。
2015年6月6日
シンポジウム「やんばるから平和の発信を!」参加者一同
主催:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
日本国総理大臣 安倍晋三殿
在日米国大使 キャロライン・ケネディ殿
現場の「闘い」と応援のための「広報」
昨年、東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターは沖縄で5回の講演会を開催した。那覇市で4回、石垣市で1回。いずれも翁長県知事実現応援の意味合いをもっていた。仲井真氏が再選するようでは、すなわち辺野古の新基地建設が進むようでは、沖縄の未来は50年も100年も遠のく。翁長氏以外の候補の応援は考えられなかった。
現実には日本政府が変わらない限り、沖縄単独の努力では未来を描きにくい。そして日米安保の根幹に関わる軍事基地の4分の3を沖縄一県に押し付けたまま、日本の未来を構想することも難しい。事は日本全国に及ぶのだが、「醜い日本人」を代表する日本政府は知らんぷりを決め込んだまま。それどころか基地反対の最前線の人びとを、海中では船から落とし、ゴムボートで突き当り、陸上ではごぼう抜きにしている。
こうした現状は本土のメディアにはほとんど載らない。どうするか?
「広報」と言えば企業がものを売るための作戦としか考えていない人が多い。本来はなにかを実現するための幅広いメッセージの伝達だ。reach&frequency(到達度と頻度、と訳せば良いのだろうか)が重要。
ワシントンでの知事や県議、市議を中心とする行動は予期した以上に効果を上げたようだ。しかし新基地建設撤回にまでは至っていない。外務省の妨害があったことは容易に想像が付く。多くの米軍基地を抱える県知事が訪米したのになるべくランクの低い相手としか話をさせない。あからさまに冷淡な態度を示し、日米政府の合意以外の「雑音」をシャットアウトしたい補佐官もいた。米政府も直ちに「知事の訪米の効果を打ち消す」ような、異例の声明を発表した。逆に言えばかなり核心を突かれたためあわてて反論しているように見える。これからはネガティブキャンペーンが張られることだろう。既に菅官房長官は、それ見たことか、と皮肉交じりのコメントを出した。
さて5月17日(日)の県民大会(翁長訪米応援)には鳩山元総理も参加した。このコラムでもレポートしたように一人の観客としてアルプススタンドに座った。席に向かう途中で盛大な拍手を浴び、握手を求める人も多かった。これ(こうしたパフォーマンス)で良いという人もいれば、元総理が観客席ではおかしい、という声もある。東アジア共同体研究所の理事長として、直接政治に携わるのではなく、側面から東アジアの平和のために尽力する、その姿勢を示した、と私は解釈している。これは他人事ではない。私もこの研究所の琉球・沖縄センター長なのだ。沖縄の他の組織では出来ないことをやるべきではないか、と常々思っている。その一つが国の内外への情報発信だ。
沖縄のことは沖縄で決まるのではなく、大半が東京やワシントンで決まる。
山形県や宮崎県の県知事が、アメリカの国務省や国防省に直接訴える場面は考えられない。
今回のワシントン訪問は県議・市議、経済人一人、民間人一人(東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター特別研究員)、合わせて約30人が3つのグループに分かれて行動した。
県系人のイゲ・ハワイ州知事や上院軍事委員会のマケイン委員長との面談などの成果はあったが、アメリカはもちろん、日本本土のメディアは冷ややかな目で見ている。今回の行動で、新基地建設取り消しなどの逆転ホームランが出た訳ではないのでやむを得ないが、もう少し日ごろからの広報戦略を練り、人脈形成を図っておくべきではないかとも感じた。
沖縄情報の対米発信を
県民大会の前日、5月16日(土)の琉球新報に「沖縄の決意 世界へ」と題する8ページの特集があった。「正義への責任―世界から沖縄へ」シリーズ(特別編)に登場した乗松聡子氏(「ジャパンフォーカス」エディター)の翁長知事への提言、から引用する。
サブタイトルは 承認白紙化に説得力 訪米前にメッセージ明示を
訪米行動への提案は
① 「訴え」だけでは足りない。苦しい現状や歴史的経緯を訴えれば相手が意を汲んで行動を変えてくれるという期待は残念だが通じない。「で、私に何をしろと?」と逆に問われてしまう。その現状をどう変えたいのか、そのために相手に何をしてほしいのかまで具体的に要求する。
② 「民意」を伝えるだけでは足りない。(以下⑤まで、冒頭の文以外は省略)
③ 「米国の民主主義に訴える」という声もあるがあまり当てにすべきではない。
④ 「米国の世論喚起」にも限界がある。
⑤ 何よりもプロフェッショナルな英語でコミュニケーションをする必要がある。
日本のコミュニケーションの特徴?である「以心伝心」、「眼で語る」、「それとなく示す」といった繊細微妙、分かる人だけに分かるような文化とは対極の考え方だ。
沖縄側ははっきりと外国の基地はもう要らない、という主張なのだ。相手が、もういい、分かった、というまで繰り返し繰り返し伝えるべきではないか。
「ワシントンは軍関係の人が多いので、なるべく政治的なことは口にしないで」(訪米団打ち合わせの時の発言)といった配慮は無用。それどころか「口にしなければ」間違ったメッセージを与えてしまう。上記の5項目を肝に銘じ、対米広報に当たる必要がある。
怪しい3人組・・
ミックス阿倍野「日本人はシャイじゃけんね。よう言いきらんよね。ジェネラリー・スピーキング、腹減っとらんか、と聞かれてパパ達のジェネレーションは黙っとるけんね。そげんこつ言うとは、見苦しか?、はしたない?、だったかな。ストレートにもの言わんけんね、ジャパニーズは。」
ネオコン「武士は食わねど高楊枝ゆう諺あるやろ。やせ我慢も必要。なめられたらあかんで。国もヤクザも。わいも辛抱辛抱の積み重ねや。近頃ようよう、たこ焼き、焼き肉、しゃぶしゃぶ、なんでも食えるようになったんじゃ。せや、ノーパンしゃぶしゃぶ、どないなったんかいな。」
龍源亭ダショー「何それ?ノーパンの女の子がサービスするの、それとも脱いだパンティを牛肉の代わりに鍋に入れるわけ?それとも―女の子達が脱いだパンティを客がそれぞれ頭にかぶってしゃぶしゃぶ食べながら、例えば大蔵省の役人に対して通産省の役人が接待して予算をつけてもらう―、いわゆる官官接待ってか。今はありましぇーん。」
ネオコン「分かっとるやないけ。」
*―内の部分は緒方が直接参加者から聞いた実話。
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【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
第3部 揺らぐ「承認」 vol.23 「“身内”の批判」
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昨年12月上旬、国頭村長宮城久和は南風原町内の陸上競技場にいた。那覇近郊の国頭村出身者らがつくる郷友会「北斗会」の大運動会に参加するためだ。
自民党衆議院議員、国場幸之助も参加していた。宮城は例年なら各字ごとのテントに国場を連れて行くが、そのときはできなかった。
その2週間前、国場を含む県選出・出身の自民党国会議員5人が、米軍普天間飛行場の「辺野古移設容認」に転じていた。
国場は県外移設を掲げているが、事実上、辺野古移設は認めた形だ。同郷関係の後輩に対し「こういうときにこそ、支えないといけない」と宮城は感じつつ、公約撤回に「違うのではないか」との思いも拭えず、例年通りの対応を取れなかった。国場とは顔を合わせる程度だった。
宮城は保守、確認のいずれの政治的立場も取らないが、国頭はもともと保守色が強い地域だ。2012年3月に無投票で初当選した際には出陣式に県知事仲井真弘多が応援に駆け付け、マイクを握った。「恩義もある」と語る。
だが昨年末、仲井真が普天間の辺野古移設に向けた埋め立てを承認した際には極めて厳しいコメントを発した。「振興策と引き換えに永代に沖縄を売り渡したと言っても過言ではなく、納得できない」
仲井真の埋め立て承認への市町村長の受け止めはさまざまだが、保守系からも厳しい声は多い。
名護市長選が迫っていたことし元旦。国頭村長宮城久和の携帯電話が鳴った。知事仲井真弘多だった。新年のあいさつと併せて仲井真は「協力しよう」と呼び掛けた。
1月7日、宮城は名護市で開かれた知事と北部の保守系首長らとの懇談会に呼ばれる。埋め立て承認に関して知事とやりとりできると期待したが、会は辺野古移設推進派候補の応援会の様相を呈していた。「行くべきではなかった」と悔やんだ。
宮城は市長選で新人、現職のどちらの応援も行わなかった。しかし普天間飛行場の移設問題には「(名護市長の)稲嶺進さんの考えが正しい」と明快で、政府は 計画を断念して国外移設を検討すべきだと主張する。「これ以上、沖縄に基地を造ってほしくない。計画はむしろ機能強化だ」
名護市長選では元県議会議長で元自民党県連顧問の仲里利信が、辺野古移設拒否の現職を応援し、周囲を驚かせた。だが仲里の行動を支持する他の保守系の政治 家も少なくない。元自民県連幹部は「自分の立場を守って単独で動き、説得力があった。『保守のあの人の言う通りだ』と思った人は大勢いたはずだ」とたたえ る。
仲井真の埋め立て承認に怒る保守系の政治家が良く口にするのは「沖縄がお金で移設を納得したような話になる。全国からどう見られるか。その影響は大きい」といった批判だ。
移設問題が再び争点となることが必至な秋の知事選に向け、県内保守勢力の動向が注目されるが、仲里は「私は徹底して(移設反対運動を)やるよ」と言う。(敬称略)(「日米廻り舞台」取材班)琉球新報提供
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■安保法案:今国会での成立、断念を…村山・河野氏が会見
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■続く円安、政府による為替介入はあるのか?
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■MERS、韓国経済に打撃 死者10人目
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■ミャンマーの少数民族 中国要請で停戦宣言
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■辺野古沖、10カ所目で掘削調査 市民ら陸上と海上で抗議の声
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■沖縄が喜べない、米国上院案から「辺野古唯一の選択肢」が消えた理由
(沖縄タイムス 2015.6.12)
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6月15日(月)20時 高野孟「翁長知事訪米の成果」
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6月15日(月)20時からの第107回UIチャンネル放送は、「翁長知事訪米の成果」を生放送でお送り致します。
米軍普天間飛行場の辺野古移設計画の撤回を米政府や米議員らに要請するため、先月27日より訪米をしていた翁長雄志知事が6月5日に要請団と共に帰国し た。その訪米団に同行した東アジア共同体研究所特別研究員の安田哲也氏らの報告等をもとに翁長知事訪米の考察を高野孟氏が90分生放送でお送り致します。
■6月15日(月)20時 高野孟「翁長知事訪米の成果」
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【3】《EACIレポート》
6月6日(土)「やんばるから平和の発信を」に200人超の参加者が集う
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東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターは6月6日、シンポジウム「やんばるから平和の発信を!」をひらき、会場に200人を超える参加者が集まった。
琉球・沖縄センターの緒方修センター長は、冒頭のあいさつで沖縄に対する日本政府の姿勢について「普天間基地の辺野古移設についての態度はかたくなだ」と触れ、東アジア共同体研究所の役目を語った上で「このシンポジウムを聞いて、当研究所が東アジアの安定に貢献すると思っていただければ」と挨拶した。
辺野古基地建設反対を訴えるために訪米した稲嶺進名護市長が続いて登壇し、「なぜ我々はアメリカまで行かないといけないか」と問いかけ、「政府は武力をもって『積極的平和』といっている。しかし、そんなことはありえない」と批判。今後の外交政策については、「対話を繰り返していくと理解され、支援にまわる。応援してくれている人はたくさんいるだろう」と呼びかけた。さらに「はっきり言えるのは、要請行動ばかりではダメ。ノーということははっきり伝え、主張することでわかってもらう」と語気を強めた。
訪米団の一員として参加した糸数慶子参院議員は、「米国は『辺野古移設について反対なら、日本政府の問題だから東京に抗議にいけばいい』という。しかし、米国は当事者。逃げないでほしい」と申し入れのアメリカの対応の様子を語った。
訪米団は総勢40名で、5月27日ハワイからスタートし、6月4日ワシントンDCに到着。翁長知事、名護市長、那覇市長、読谷村長などがそろって辺野古移設ノーを訴えることで、沖縄県民の強い意志を明確に伝えた。糸数氏は米国側から「対案をもっているのか、移設にノーというならどこに基地をもっていくか」と言われたエピソードを紹介し、「対案はもたない。どうして対案が必要なのか。サンフランシスコ講和条約、辺野古への移設、どれをとってみても、沖縄県民の意思は無視されている」と訪米後の思いを語った。
ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、「18年間粘りに粘って止めてきた。稲嶺市長が自民党で推進してきたが、今は一緒にたたかっている。重要な戦いになってきた」と熱く語った。
安次富氏は、カヌーを漕いで辺野古のボーリング調査を阻止してきた。いまも抗議の座り込みを続けている。しかし、抗議する市民のカヌーや船に自衛隊のゴムボートが追突し、転覆させる手荒な方法が目立つ。「公権力を使って、反対派をつぶしに来るのが安倍政権のやりかた。暴力に抗いながら絶対にくじけない闘いをやっている」と語った。スピーチの最後には、安次富氏が沖縄の運動を学びに来る人たちに必ず伝えるフレーズ、「ホテルは“かりゆし“、土産は“沖ハム“、買い物は“かねひで“で」といって会場を沸かせた。その真意は、どの企業も辺野古移設に反対を銘打っている沖縄の有名企業を支援しようということ。お互いの応援が反対運動につながると訴えた。
元名護市長の長男で現名護市議会議員の岸本洋平氏は、「故・岸本元市長は基地受け入れに7つの条件を上げて、これがクリアできなければ基地移設は撤回」といった。しかし市長の死後、2006年当時の市長と防衛長官によってなされたV字合意でその条件はすべて無視された」と批判した。
ジャーナリストの高野孟氏は糸数議員が触れた「対案」について、東アジア共同体研究所の孫崎享所長の話を持ち出し、「ドイツの地位協定では、在独米軍は地方の環境に問題があると、地方自治体が『米軍は出て行け』といえる」と対案を例示した。また、話の中で2つの政治手法について触れた。「安倍政治はヘイトポリティックス=憎しみの政治だ。異論は許さず敵を増やす。一方の翁長知事は、慈しみの政治。当事者、末端の気持ちに寄り添わないと政治はできないという立場。生活の現場で悩んでいる人が政治の主体と、翁長知事が示している。国権の政治と民権の政治のコントラスト。理屈として大切と言ってきたけど、翁長知事は体でもう一つの政治の流れを示しているのではないか」と語った。
鳩山由紀夫理事長は最後のあいさつに立ち、「一国の軍事力が高まり『脅威』といわれれば、他方は抑止力のために軍事力を高めることになる」「軍事ではない、文化的な抑止力になって、そして協力できるのが東アジア共同体だ。最大限、力を合わせようじゃありませんか」と締めくくった。
(同シンポジウムの様子は6月22日(月)20時からのUIチャンネル放送にて配信予定)
鳩山由紀夫理事長は翌日には「沖縄の可能性、きみたちの可能性」と題し、県内の学生約20名とフリートークを交わした。
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【4】《研究員コラム》
緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「ワシントンへの直結広報」
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ワシントンへの直結広報
6月6日(土)に名護市民会館で実施した講演会・パネルディスカッションは大成功だった。内情を言えば6日(土)7日(日)で鳩山理事長、高野理事の日程をだいぶ以前から押さえていた。ワシントンへ翁長知事と同行した稲嶺進名護市長、糸数慶子参院議員が帰国したのが、前日の夜。翌6日がタイミング良く帰国報告第一声となった。稲嶺市長が語ったように、なぜ遠いワシントンまで出かけていかないといけないのか、日本政府が沖縄県や名護市を相手にしないからだ。だとすればこちらは直接ワシントンへ声を伝えなければいけない。
次項で紹介する「やんばるからの平和発信」のメッセージも、市民会館に集まった目の前の観客ばかりでなく東京、ワシントン、東アジア諸国(地域)へも様々なチャンネルを通じて広げる必要がある。集会参加者の名前で次のようなメッセージを承認してもらった(参加者に入場時に配布、読み上げたのは最後の段落のみ)。英訳して発表する予定だ。
「沖縄 やんばるから発信する平和メッセージ」
沖縄県は、東西約 1,000km、南北約 400kmの広大な海域に点在する大小 160の島々からなる島嶼県です。亜熱帯海洋性気候の下、それぞれの島ごとに豊かで多様な自然環境と風土・伝統に根ざした個性豊かな文化は、人々を魅了し惹きつける力をもっており、沖縄が持続的発展を志向する上で重要な要素となっています。
その沖縄は、太平洋戦争において一般住民が地上戦に巻き込まれ、多くの尊い命を失うという悲惨な体験を有しています。戦後の沖縄は、日本の独立と引き換えに本土から切り離され、米軍統治の下、土地を強制的に接収されて次々に基地が建設されていきました。
沖縄には、現在もなお、狭あいな県土に全国の米軍専用施設の約74%が集中し、人口や産業が集中する沖縄本島の面積の約18.4%を占めているほか、陸域だけでなく、水域及び空域においても使用が制限されています。
日本の安全保障を支える米軍基地が、沖縄県のみに集中している現状を改善してほしいと県民は強く願っているにもかかわらず、日米両政府は名護市辺野古の海域を埋め立てて新基地を建設しようとしています。
沖縄本島北部地域は、亜熱帯の照葉樹林が発達する豊かな森林生態系・淡水生態系が残され「やんばるの森」と呼ばれています。この森は生物多様性に富み、沖縄島で独自に進化し種分化をとげた固有種・固有亜種が生息・生育し、その多くが絶滅のおそれのある種とされています。そのため、やんばるの森は地球レベルで保全される必要があり、世界自然遺産として登録されるべき地域です。
日米両政府はそのやんばるの名護市辺野古に、ジュゴンが住む美しいサンゴの海を埋め立てて新基地を、また、東村高江にヘリパッド基地の建設を進めようとしています。過疎化が進む本島北部に基地が集中し、演習が繰り返されるようになれば、やんばるは間違いなく衰退していくことになります。
私たちは、沖縄を日米の軍事拠点から平和の要石へと転換し、東アジアの外交、安全保障、経済、文化、学術、環境の交流拠点として東アジア、ひいては世界の平和に貢献する地域にしていくべきであると考えます。沖縄はかつて独立国として中国をはじめ広く東南アジアの国々と交易を通じて交流を深めていた経験を有しています。21世紀の今、沖縄が日本と東アジアとの新たな時代における国際交流拠点として多様な交流を積極的に展開することにより、沖縄県の自立的発展のみならず東アジア全体の平和と繁栄に寄与するという大きな役割を担うことができると確信しています。
沖縄戦の悲惨な体験を持つ沖縄に、戦後70年もの長い間、日米安保の過重負担を押し付け、さらには海を埋め立てての新基地を押し付けるのは非民主的で自由と平等と民主主義に反するものであります。沖縄の基地問題は日本国の問題であるとともに基地を使用する米軍・米国政府の問題でもあります。沖縄県民の民意を無視した強硬な基地建設に異議を唱え、やんばるの自然環境の保全と持続可能な利用による地域の振興、地域住民の安全で安心な生活環境の確保、そして多くの沖縄県民が目指す平和な島の実現に向けて、ここやんばる地域から高らかに声を上げていきます。
2015年6月6日
シンポジウム「やんばるから平和の発信を!」参加者一同
主催:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター
日本国総理大臣 安倍晋三殿
在日米国大使 キャロライン・ケネディ殿
現場の「闘い」と応援のための「広報」
昨年、東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センターは沖縄で5回の講演会を開催した。那覇市で4回、石垣市で1回。いずれも翁長県知事実現応援の意味合いをもっていた。仲井真氏が再選するようでは、すなわち辺野古の新基地建設が進むようでは、沖縄の未来は50年も100年も遠のく。翁長氏以外の候補の応援は考えられなかった。
現実には日本政府が変わらない限り、沖縄単独の努力では未来を描きにくい。そして日米安保の根幹に関わる軍事基地の4分の3を沖縄一県に押し付けたまま、日本の未来を構想することも難しい。事は日本全国に及ぶのだが、「醜い日本人」を代表する日本政府は知らんぷりを決め込んだまま。それどころか基地反対の最前線の人びとを、海中では船から落とし、ゴムボートで突き当り、陸上ではごぼう抜きにしている。
こうした現状は本土のメディアにはほとんど載らない。どうするか?
「広報」と言えば企業がものを売るための作戦としか考えていない人が多い。本来はなにかを実現するための幅広いメッセージの伝達だ。reach&frequency(到達度と頻度、と訳せば良いのだろうか)が重要。
ワシントンでの知事や県議、市議を中心とする行動は予期した以上に効果を上げたようだ。しかし新基地建設撤回にまでは至っていない。外務省の妨害があったことは容易に想像が付く。多くの米軍基地を抱える県知事が訪米したのになるべくランクの低い相手としか話をさせない。あからさまに冷淡な態度を示し、日米政府の合意以外の「雑音」をシャットアウトしたい補佐官もいた。米政府も直ちに「知事の訪米の効果を打ち消す」ような、異例の声明を発表した。逆に言えばかなり核心を突かれたためあわてて反論しているように見える。これからはネガティブキャンペーンが張られることだろう。既に菅官房長官は、それ見たことか、と皮肉交じりのコメントを出した。
さて5月17日(日)の県民大会(翁長訪米応援)には鳩山元総理も参加した。このコラムでもレポートしたように一人の観客としてアルプススタンドに座った。席に向かう途中で盛大な拍手を浴び、握手を求める人も多かった。これ(こうしたパフォーマンス)で良いという人もいれば、元総理が観客席ではおかしい、という声もある。東アジア共同体研究所の理事長として、直接政治に携わるのではなく、側面から東アジアの平和のために尽力する、その姿勢を示した、と私は解釈している。これは他人事ではない。私もこの研究所の琉球・沖縄センター長なのだ。沖縄の他の組織では出来ないことをやるべきではないか、と常々思っている。その一つが国の内外への情報発信だ。
沖縄のことは沖縄で決まるのではなく、大半が東京やワシントンで決まる。
山形県や宮崎県の県知事が、アメリカの国務省や国防省に直接訴える場面は考えられない。
今回のワシントン訪問は県議・市議、経済人一人、民間人一人(東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター特別研究員)、合わせて約30人が3つのグループに分かれて行動した。
県系人のイゲ・ハワイ州知事や上院軍事委員会のマケイン委員長との面談などの成果はあったが、アメリカはもちろん、日本本土のメディアは冷ややかな目で見ている。今回の行動で、新基地建設取り消しなどの逆転ホームランが出た訳ではないのでやむを得ないが、もう少し日ごろからの広報戦略を練り、人脈形成を図っておくべきではないかとも感じた。
沖縄情報の対米発信を
県民大会の前日、5月16日(土)の琉球新報に「沖縄の決意 世界へ」と題する8ページの特集があった。「正義への責任―世界から沖縄へ」シリーズ(特別編)に登場した乗松聡子氏(「ジャパンフォーカス」エディター)の翁長知事への提言、から引用する。
サブタイトルは 承認白紙化に説得力 訪米前にメッセージ明示を
訪米行動への提案は
① 「訴え」だけでは足りない。苦しい現状や歴史的経緯を訴えれば相手が意を汲んで行動を変えてくれるという期待は残念だが通じない。「で、私に何をしろと?」と逆に問われてしまう。その現状をどう変えたいのか、そのために相手に何をしてほしいのかまで具体的に要求する。
② 「民意」を伝えるだけでは足りない。(以下⑤まで、冒頭の文以外は省略)
③ 「米国の民主主義に訴える」という声もあるがあまり当てにすべきではない。
④ 「米国の世論喚起」にも限界がある。
⑤ 何よりもプロフェッショナルな英語でコミュニケーションをする必要がある。
日本のコミュニケーションの特徴?である「以心伝心」、「眼で語る」、「それとなく示す」といった繊細微妙、分かる人だけに分かるような文化とは対極の考え方だ。
沖縄側ははっきりと外国の基地はもう要らない、という主張なのだ。相手が、もういい、分かった、というまで繰り返し繰り返し伝えるべきではないか。
「ワシントンは軍関係の人が多いので、なるべく政治的なことは口にしないで」(訪米団打ち合わせの時の発言)といった配慮は無用。それどころか「口にしなければ」間違ったメッセージを与えてしまう。上記の5項目を肝に銘じ、対米広報に当たる必要がある。
怪しい3人組・・
ミックス阿倍野「日本人はシャイじゃけんね。よう言いきらんよね。ジェネラリー・スピーキング、腹減っとらんか、と聞かれてパパ達のジェネレーションは黙っとるけんね。そげんこつ言うとは、見苦しか?、はしたない?、だったかな。ストレートにもの言わんけんね、ジャパニーズは。」
ネオコン「武士は食わねど高楊枝ゆう諺あるやろ。やせ我慢も必要。なめられたらあかんで。国もヤクザも。わいも辛抱辛抱の積み重ねや。近頃ようよう、たこ焼き、焼き肉、しゃぶしゃぶ、なんでも食えるようになったんじゃ。せや、ノーパンしゃぶしゃぶ、どないなったんかいな。」
龍源亭ダショー「何それ?ノーパンの女の子がサービスするの、それとも脱いだパンティを牛肉の代わりに鍋に入れるわけ?それとも―女の子達が脱いだパンティを客がそれぞれ頭にかぶってしゃぶしゃぶ食べながら、例えば大蔵省の役人に対して通産省の役人が接待して予算をつけてもらう―、いわゆる官官接待ってか。今はありましぇーん。」
ネオコン「分かっとるやないけ。」
*―内の部分は緒方が直接参加者から聞いた実話。
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【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より)
第3部 揺らぐ「承認」 vol.23 「“身内”の批判」
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昨年12月上旬、国頭村長宮城久和は南風原町内の陸上競技場にいた。那覇近郊の国頭村出身者らがつくる郷友会「北斗会」の大運動会に参加するためだ。
自民党衆議院議員、国場幸之助も参加していた。宮城は例年なら各字ごとのテントに国場を連れて行くが、そのときはできなかった。
その2週間前、国場を含む県選出・出身の自民党国会議員5人が、米軍普天間飛行場の「辺野古移設容認」に転じていた。
国場は県外移設を掲げているが、事実上、辺野古移設は認めた形だ。同郷関係の後輩に対し「こういうときにこそ、支えないといけない」と宮城は感じつつ、公約撤回に「違うのではないか」との思いも拭えず、例年通りの対応を取れなかった。国場とは顔を合わせる程度だった。
宮城は保守、確認のいずれの政治的立場も取らないが、国頭はもともと保守色が強い地域だ。2012年3月に無投票で初当選した際には出陣式に県知事仲井真弘多が応援に駆け付け、マイクを握った。「恩義もある」と語る。
だが昨年末、仲井真が普天間の辺野古移設に向けた埋め立てを承認した際には極めて厳しいコメントを発した。「振興策と引き換えに永代に沖縄を売り渡したと言っても過言ではなく、納得できない」
仲井真の埋め立て承認への市町村長の受け止めはさまざまだが、保守系からも厳しい声は多い。
名護市長選が迫っていたことし元旦。国頭村長宮城久和の携帯電話が鳴った。知事仲井真弘多だった。新年のあいさつと併せて仲井真は「協力しよう」と呼び掛けた。
1月7日、宮城は名護市で開かれた知事と北部の保守系首長らとの懇談会に呼ばれる。埋め立て承認に関して知事とやりとりできると期待したが、会は辺野古移設推進派候補の応援会の様相を呈していた。「行くべきではなかった」と悔やんだ。
宮城は市長選で新人、現職のどちらの応援も行わなかった。しかし普天間飛行場の移設問題には「(名護市長の)稲嶺進さんの考えが正しい」と明快で、政府は 計画を断念して国外移設を検討すべきだと主張する。「これ以上、沖縄に基地を造ってほしくない。計画はむしろ機能強化だ」
名護市長選では元県議会議長で元自民党県連顧問の仲里利信が、辺野古移設拒否の現職を応援し、周囲を驚かせた。だが仲里の行動を支持する他の保守系の政治 家も少なくない。元自民県連幹部は「自分の立場を守って単独で動き、説得力があった。『保守のあの人の言う通りだ』と思った人は大勢いたはずだ」とたたえ る。
仲井真の埋め立て承認に怒る保守系の政治家が良く口にするのは「沖縄がお金で移設を納得したような話になる。全国からどう見られるか。その影響は大きい」といった批判だ。
移設問題が再び争点となることが必至な秋の知事選に向け、県内保守勢力の動向が注目されるが、仲里は「私は徹底して(移設反対運動を)やるよ」と言う。(敬称略)(「日米廻り舞台」取材班)琉球新報提供
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