224ff77e56d8e2277f5162d58c4bfa12a8d86f1d    90年代に出した『イーター』のインタビューを集めた単行本『EATER ‘90s』もようやく完成して、新しい『イーター』がスタートを切った。

 昨年の311日以降、私達を取り巻く状況は大きく変わり、それとともに音楽をはじめとする表現と世の中との関係も激しく変わっている。こんな時代こそ、自分達のメディアが必要なのではないか。そんな思いから、再びコアなインディーズ・マガジン『イーター』を再開することになった。再開第一号のテーマはRE-BORN=再生。

 すでにROVOの勝井祐二、EP-4の佐藤薫のインタビューを終え、104日には遠藤ミチロウのインタビューを行った。

 『EATER ‘90s』には遠藤ミチロウの1997年のインタビューが再録されているが、実はその前に『イーター』創刊号にも遠藤ミチロウのインタビューは載っている。その1994年のインタビューでは、ミチロウはこの頃よく訪れていたアメリカ先住民ホピ族の話をしている。その中で、ホピ族の高校生を集めてホピ・スターリンを結成してライブをおこなったりした面白いエピソードとともに、「ホピの予言」について触れられている。

 「ホピの予言」とは古くからホピに伝わる石板に書かれたもので、原爆の投下が人類にとっての大きな岐路になると予言しているといわれている。実際、ホピの人達は原爆のためのウラン採掘に従事させられ、多くの人が被爆して亡くなっているそうだ。

 このミチロウの話は、そのまま今の福島の状況につながっている。生まれ故郷である福島の現実を前に、プロジェクトFUKUSHIMAの代表の一人として活発な行動を続ける遠藤ミチロウ。『イーター』もまた、今の時代へ向けて再生を目指す。

           20121010日     地引雄一


(遠藤ミチロウの『イーター』創刊号掲載インタビューは近々、イーターチャンネルに再録予定です)