へんな結論 エイバタコラム 2026年7月号
2026/07/31(金) 14:37
550pt
「変な結論」は興味への第一歩であると思う。
普通に生活していても、自分の理解が及ばない不思議な結論に出会うことが多々ある。
例えば、大雨の日にサンダルとハーフパンツを選び、あえて濡れにいくスタイルで歩く人とか、劇場にギリギリに来て終演したら5分以内に帰る役者とかである。
伝わるだろうか。
どちらも、その人独自の合理性が垣間見える結論である。理解はできるが、自分がやるかどうかでいうと、やらない選択でもある。
そういう「変な結論」には、人に何かを教える時によく遭遇する。
舞台用のメイクを実演しながら後輩に説明し、本人もその様子を動画で撮っているにもかかわらず、その子が導き出したメイクの結論が「キャッツに出るのか!?」と言いたくなる見栄えだったりする。
私が言う「変な結論」とは、間違った結論ではなく、その人なりの合理性や人間味が透けて見える結論のことである。
そんな時、「どうしてそうなったのか?」と思わせてくれる結論は好ましい。
自分では考えつかない結論なので、その人の思考をどうにかたどり、どんなアプローチでその結論にたどり着いたのか考え始めてしまう。
見た事のないカーブで飛んできたゴルフボールの軌跡をたどって、その人がどんなスイングをしたのか見極めたくなるのだ。
もちろん「変な結論」にも、つまらないものはある。思考が浅かったり、独自性が薄かったり、どこか邪な雰囲気がしたりするものだ。変なのにつまらない。最悪である。
スイングを見極めたくなるような「変な結論」には、その人らしさや、その人の人生が詰まっている。
ここまで書いてきて、筆者自身が
きつねになる エイバタコラム 2026年6月号
2026/06/30(火) 18:19
550pt
きつねになりたい朝の話を書く。
朝起きて最初に食べるものはバナナであることが多い。なぜか。
バナナは裏切らないからだ。
バナナはバナナとしてシンプル。
どんなバナナでも想像し得る範囲内のバナナとしてそこにある。カリウムも豊富で消化にもいい。
演目によっても変わってくるが、
本番期間中は、バナナの2時間後くらいに軽食を食べたりする。
この軽食は温かいきつねそばであることが多い。
きつねそばも裏切らない。どんなきつねそばも想像するきつねそばとして眼前に現れる。
なぜ、こんな話を書いているかというと、とある「そば」を食べながら気づいた事があるからだ。
それは、想像したものが想像したものとして現れる価値について、だ。
ある日の本番前、きつねそばを食べようと店に入るといつもは売り切れている名物の限定そばがまだ販売中であった。
クチコミなどでも評価が高かったし、その店の名物というパワーワードや、まわりのサラリーマンの皆様もおいしそうに食べているのでその仲間入りしたいという気持ちから、気づいたらその食券を握りしめていた
そのそばの正体は「よもぎ天そば」である。
「よもぎってその辺に生えてる雑草でしょ?」という、かつて野山を駆け回って、シロツメクサの王冠を被っていたワイルドプリンセス(プリンス)な読者の方も多いとは思うが、この店のよもぎはよもぎ農園で育った由緒正しき新鮮なよもぎだそうだ。
よもぎ天そばが眼前に着丼すると、シロツメクサの王冠よろしく、新鮮なよもぎが束となった天ぷらが、お椀からはみ出んばかりにそばの上に乗っていた。
しゃけられる エイバタコラム 2026年5月号
2026/05/27(水) 09:59
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パーソナルスペースというものがある。
他人に近づかれると不快や不安を感じる「自分を取り囲む見えない空間」のことだ。
ざっくりとしか知らなかったが、調べてみると
-
- 密接距離(0〜45cm)
身体が触れ合うほどの距離。恋人や家族など、特に親しい人に許される空間。 - 個体距離(45cm〜1.2m)
手を伸ばせば相手に届く距離。友人や同僚など、親しい人とリラックスして会話するのに適切。 - 社会距離(1.2m〜3.5m)
相手に手が届かない距離。仕事の商談や初対面の人と会話する際に、お互いに警戒せず安心していられる距離。 - 公衆距離(3.5m以上)
講演会や式典など、大勢の人に向けて話すときや、公的な空間で保たれる距離。
- 密接距離(0〜45cm)
という事らしい。
演劇を作る上でも、この距離感を活用することは舞台上で非常に効果的である。
例えば権威のある人を作りたければ、多勢と距離を離し、居る位置を高くすれば、自然と偉く見える。ビジュアル的に公衆距離が見えるからだ。
舞台上のパーソナルスペースは、丁寧に誰にでも分かる形で調整される。
何が言いたいかというと
シアタークリエの楽屋が狭いという事である。
楽屋の鏡前に座ると、隣の人の肩まで27センチくらいしかない。
もうこれは先に述べた近接距離の範囲である。
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