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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/04/20
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「北野武さんがネット放送に参戦するそうです」

 北野武さんが週刊少年ジャンプみたいなものを作りたいとネットに参戦されるというニュースをみました。
 これについて岡田さんの意見を聞かせてください。
 
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 北野武さんがネットで参戦したいのは分かるよ。
 
 ジャンプは何種類もの漫画で構成されているよね。
 1つの漫画が20ページくらいで手軽な分量。

 つまり、北野武さんはテレビ局を1つ持ちたいってことだろうね。
 でも、北野武さんはテレビというフォーマットが合うわけじゃないんだよね。


■たけし番組は全般的に面白くない?

 北野武さんがテレビで何かやろうとすれば、ギャラも高くつくだろうし、大事になっちゃうんだ。
 自分で安くやろうとすれば、今度は趣味としてやりたい映画にお金が集まらなくなる。

 自分の格は下げれない。
 だからといってコメントだけ しているような仕事はしたくない。
 それが今の北野武の番組の面白くない理由なんだ。

 たけし番組って全般的に面白くないでしょ?
 本人も気づいていると思うんだよ。
 『笑っていいとも』が終わったあとのタモリのテレビ番組は充実しているのに、「俺の番組はなぜこうなんだ?」と思っている。

 それは『TVタックル』でも一緒。
 面白そうな感じで作ってるんだけど、ゴールデンタイムでオンエアするために、一生懸命 輸血して面白さをドーピングしてるわけだ。
 それが本当にテレビの面白さかといえば、本人も違うと思っていると思う。

 だから、ネット放送で自由度を上げて番組を作りたいと考えている。
 つまり、ニコ生みたいな番組をやりたいと思ってるんだと思うよ。

 「ジャンプみたいなもの」というのは北野武さんが中心になって書き下ろしでやる、という意味ではない。
 いろんな人を呼んできて、ワイワイやるけど、人気がない奴は人気投票で落とすみたいなことをする。
 だから視聴率のような当てにならないものでなく、視聴者数のように具体的なもので測る。
 面白くないヤツはやめればいいし、細々と予算を下げて作ればいい。


■視聴者数が少ないネット番組は予算を下げるだけでいい

 結局、今のテレビだと、視聴率が10%あれば、「次は15%を狙え!」「ゴールデンタイムを狙え!」となる。
 5%だったら深夜番組に回すか、打ち切るかになっちゃうわけだ。

 でもネットの場合、視聴者数が少なければ、予算を下げるだけでいいんだよね。
 
 番組制作予算を無制限に下げても、最後は自腹で作るなら、いくらでも配信してやれる。
 ここがネットの新しいところだと思うんですよ。

 そういうネット放送局の面白みに、プロの人達が気づいちゃったわけですね。
 
 北野武さんが気がついた事が怖いのは誰かな?
 小林よしのりさんは怖いんじゃないかな。

 テレビに出るような人がネットでも喋るというポジションは、北野武さんがネットに入ってくることで脅かされるだろうね。
 もっと下にいる生主の人たちには関係ないと思います。


【まとめ】 
 ネット番組は視聴者数が少なくても、予算を下げれば続けることができます。
 北野武さんはネットで自由度の高い番組を作りたいのだと思います。