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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/11/01
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おはよう! 岡田斗司夫です。

将来、どんな世界が来るのか?
ネットが普及し続けるこられからの世界の3大法則というのを、僕は考えてみました。

岡田斗司夫が考える、ネット3大原則です。

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「岡田斗司夫が語る『ネット社会の三大法則』」

 第1法則は、「第一印象至上主義」。

 人は、最初に感じた印象や、最初に感じた感情を維持しようとします。
 たとえば、何かを見てカッとしたら、自分がカッとしたことを肯定する情報ばかりを求めるようになります。
 (情報が少なかった昔なら、そうそう思うような情報は見つかりませんが、ネット社会では探せばどんな情報でもいくらでも見つかります)
 
 その結果、ネットでの炎上が日常的に起こることになります。

 ヤマカンさんは、ニコ生で話した僕との対談が記事になったとき、「みんなタイトルしか読まない。本文ちゃんと読め。」と怒ってました。

 でも、それは無理なんですよ。

 その記事は、タイトルがつり気味だったことで、みんなが注目しているわけです。
 本当に本文をちゃんと読んだら、タイトルでカッときた自分が否定されてしまって、心の中で劣等感を感じてしまう。
 (だから、読んではいけないんです。)

 ネット社会というのは、探せばどんな情報でもあります。
 だから、一番最初にカッときた自分を肯定してくれる情報ばかり集めてしまうし、集まってしまうのです。

 昔、「ネット社会は、同じような趣味の人間ばかりを集めてしまう」と言われていたんですけども、それ以上に極端なものなんです。

 自分の第1印象、「この人はいい人で、この人はヤな人だ」「こいつは味方だ、こいつは敵だ」という印象を証拠付ける情報ばかり探すのです。

 特に敵だと思ったものに対して、とことん「敵である証拠」を集めます。
 だから、韓国や中国が嫌いな人は、もっと韓国や中国が嫌いになる情報ばかりひたすら集めていくことになります。

 そして、テレビと新聞とかに載ってる肯定的な情報に関しては、「マスゴミの情報」と蔑称して、「僕たちは騙されない!」と言い張ります。

 でも、騙すとか、騙されないという問題ではない。
 それは、ネットの第1法則の「第一印象至上主義」を守ろうとする行動なのです。

 その結果、日常的にネット炎上が起き続けるのです。


 ネットの第2法則、「考えるより探す」。

 人間というのはプライドがありますから、誰でも、間違いたくなはいですね。
 (特にネット社会では、一度間違えた意見を書き込んでしまうと、いつまでも残ってしまいます)

 だから、何かを自分なりに考えるより、何かに対する意見を探すようになります。
 何か事件があったら、考えるよりみんなの意見を探して、そのうちの一つを選ぶという行動になるのです。

 夢や目標というのは、これまでは自分で見つけるものでした。
 ですが、将来は、ネットの中にあるものから、「これ、いいな」と思ったものを選ぶようになるでしょう。

 僕はウォルト・ディズニーの理想とか、ディズニーランドの思想とかが大好きなんですけど、ディズニーランドの特番とか、ディズニーランドの番組は嫌いです。

 たとえば「ディズニーランドのここにも、あそこにも、隠れミッキーが!」とか言ってますけど、あれってミッキーが隠れているわけではなく、ディズニーランド側の人が隠してるわけですよね。

 「はい、ここに隠してますよ~。みなさん、隠れミッキー探してください。」
 そんな“できあい”のものを探して、何が面白いんだって思います。

 「これ限定品ですよ、みなさん、買ってください。並んでください。」っていうのもね。
 そんなものに並んで、何が面白いんだって思うんです。

 でもそれは、僕がもう、ネット以前の古い人間だから思うのでしょう。
 ネットの中の文化圏にどっぷり入るほど、オリジナリティは意味をもたなくなっていきます。

 オリジナルかどうか、元ソースかどうか、誰が考え出したのかは無視されて、「その中で何を選ぶのか?」「何を選んで間違えなかったのか?」だけが大切になります。

 あいつの意見に賛成したけど、結局あいつは、違うことがわかった。
 「おまえ、恥かいたな」と、言われないように、あらかじめ正解を探す。
 “調べる”ということに、みんなが時間を使うようになる。

 これがネットの世界の第2法則。
 「考えるより探すようになる」です。


 ネットの第3法則、「中間層は、なくなる」。
 これが一番重要です。
 ニコ生でも、しょっちゅう言ってますよね。

 たとえばAmazonが出てきたら、すべての本屋がつぶれるかと言うと、そうじゃない。

 大型の本屋だけは残ります。
 もしくは、すごくセンスがいい本屋、すごく立地条件がいい本屋だけが残ります。
 でも、中小の普通の本屋がバタバタつぶれるんですね。

 ネットにユーチューバーがどんどん出てきて、面白い人が溢れていったら、芸能人が全員失業するのか?

 もしくは、ネットで小説家がどんどん出てきて、無料で読める小説があふれたら、プロの小説家は全員失業するのか?

 ネットに漫画を投稿する人が出てきて、無料のマンガが溢れたら、プロの漫画家は全員失業するか?

 そんなことはありません。

 超メジャーな人がごく少数だけ生き残り、それまでそこそこ食えていたプロの中間層がごっそりいなくなります。
 その代り無料で人を笑わせたり、無料で小説や漫画を描くボランティアが、もうホントに、何百万人と現れます。

 これがネットの第3法則「中間層はなくなる」です。


 回答のまとめ

 ネット社会がすすむと
 第一法則 「第一印象至上主義」になる
 第二法則 「考えるより探す」ようになる
 第三法則 「中間層はなくなる」


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