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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/01/16
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は『超現代語訳・戦国時代 』の著者、ブロードキャスト!!の房野 史典さんをお迎えして、大河ドラマ『真田丸』について語ります。


今回の記事はニコ生ゼミ1月8日分より一部抜粋しました。

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「実はけっこう史実どおりだった『真田丸』」


岡田:
 大河ドラマ『真田丸』は、どうでしたか?


房野:
 ムチャクチャ面白かったですね。


岡田:
 僕も何回か『真田丸』の魅力を語ろうとしたんですけども、やっぱり映像ありきの作品ですから語りにくかったです。

 三谷さんの脚本や、演技の仕組みがどうなってるのか、パーツ、パーツは語れるんですよ。

 「そこで、なぜ無言になるのか?」とか「何をしようとしているのか?」とかは、語れるんです。
 
 でも、総論としての『真田丸』は、すごく語りにくかったんですよね。

 まず、お伺いしたいのは「三谷時代劇は歴史とは違う!」と言う人についてです。


房野:
 そう言う人、いますね。

 僕は三谷さんが大好きなんですけども、そんなに三谷作品には詳しくないんですよ。

 でも何年か前に映画でやられた『清洲会議』は、確かにフィクションだらけでした。


岡田:
 そうですね。
 最初に海岸でビーチフラッグをしてましたからね(笑)。

 『新選組!』の時も、いちばん最初に坂本竜馬と出会うシーンから始まってますから。

  海岸へ黒船を見に行った時に、近藤勇と坂本竜馬が出会うってところから始まってるんですよ。

 でも三谷さんが言うには「近藤勇が坂本竜馬と会ってないとは、どこにも書いていない!」と。

 あの人がよく使うロジックですよね(笑)。

 歴史物をやるときに、「こんな資料があるから、これは本当」というのと同時に、「これは無かった」と書いてないという事は、すべてあったかもしれないから書くという。

 それがあるので、三谷さんの作品は、歴史マニアの人とか、大河ドラマを歴史の教科書として見ている人からは叩かれますね。


房野:
 あぁ、なるほど。

 僕はエンタメ寄りなので説得力が無いかもしれないですけども、今回の『真田丸』は戦国が好きな方にも良い作品だったと思うんですよ。

 まず三谷さんって、本当に戦国がお好きなんですよね。

 それで今回の『真田丸』に関しては、本当に情熱を全部ぶち込んで史実に基づいていました。

 時代考証をやられている先生たちも、最新の説を持ってらっしゃる方でしたし。
 
 だから、だいぶん史実にのっとってるらしいんですよ。


岡田:
 最近の説って、そんなに変化があるんですか?


房野:
 ありますね。

 たとえばタイトルにもなってる『真田丸』。
 要は豊臣と徳川の最後の戦いで、豊臣が篭る大阪城を護る砦。

 今までは、大阪城の端っこにくっついた、小さい砦だと言われてたんですよ。
 
 それが最近では、千田嘉博教授が「そんな事はない!真田丸は大阪城より離れて独立していて、デカイお城だった!」と言ってるんです。

 真田信繁は、大阪城から切り離して、自分がイッキに敵を引き付ける戦いをしてましたという。

 だから今回の『真田丸』も、ちゃんと離れて独立したお城になってましたね。


岡田:
 あと“赤備え”ってあるじゃないですか。
 最後の方で、みんな赤い鎧を着ていた。

 あれって『超現代語訳・戦国時代』にも書いてましたけど、「ウチは武田軍団の流れを引いています!」という意味もあるんですよね。

 もちろん、「赤色で敵の目を引き付けて、派手に見せる」という目的もあるんだけども、「ウチは甲斐・武田家の命脈で、きていますから!」という。


房野:
 そういうのも絶対にあったと思うんですよね。

 理論的にも赤色は膨張色で敵を引き付けれたからとか、いろいろと加味されている。
 
 結果、なぜ信繁が使ったかの資料は残ってないんですけどね。

 でも、武田家の命を継いでいる。
 合理的にも、いい考えだった。

 みんな寄せ集めの兵ですから、統一感を出すには、それがいちばん良かった。

 だから、いろんな説があると思います。


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