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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「おすすめ本②広島の女の子を攻撃したのは、アメリカの女の子だった」
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ「おすすめ本②広島の女の子を攻撃したのは、アメリカの女の子だった」

2017-01-17 06:00
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    岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/01/17
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    おはよう! 岡田斗司夫です。
    今回も岡田斗司夫おすすめ本の紹介です。

    今回の記事はニコ生ゼミ1月8日分より一部抜粋しました。

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    「おすすめ本②広島の女の子を攻撃したのは、アメリカの女の子だった」

     
    前回に続いて、面白かった本の紹介をします。

     次は『THE GIRLS OFATOMIC CITY』(ガールズ・オブ・アトミックシティ)。

     これは、マンハッタン計画の中で働いていた女の子達の話なんですね。
     マンハッタン計画というのは、第二次大戦中のアメリカの原爆製造計画です。

     実は世界で初めて核反応の発見をしたのはドイツなんです。

     ドイツでウランの核分裂の実験が成功して、その後ポーランドを侵略しましたよね。

     最初にポーランドを侵略して、その時にドイツはチェコスロバキアを併合した。
     チェコにあるウラン鉱脈を独占したんです。

     同時にウランを全面的に輸出禁止にした。
     これが世界中の物理学者に大ショックを与えたんです。

     ドイツでハイゼンベルク博士とかがまだ生きていた時代。
     つまり世界最高の核物理学者がいて、おまけにチェコにある世界最大のウラン鉱脈のひとつを押さえて、輸出を禁止していた。

     「ということは、確実に核兵器を作るつもりだ!」
     そう世界中の核物理学者が、一瞬で気がついちゃったんですね。

     ムッソリーニに追われた、エンリコ・フェルミという物理学者がいます。

     この人自身はイタリア人なんですけど、奥さんがユダヤ人だったから、ムッソリーニ政権から逃げてアメリカに来たんです。

     彼は大統領に手紙を書いた。
     「アメリカもできるだけ早く原子爆弾を作らないとやばいよ!」
     そういう事でスタートしたのがマンハッタン計画。

     何故“マンハッタン計画”という名なのかというと、元々このプロジェクトがニューヨークのマンハッタンに本部が置かれていたから。

     秘密計画、別名“マンハッタン計画” 。
     墨田区計画とか、品川計画というのに似たようなものですね。

     とにかく徹底的に秘密にしなきゃいけない。
     それでテネシー州のオークリッジという所に、ウラン&プルトニウムを精製する為の街が作られた。

     街を作ったんですよ。
     1942年あたりに、何も無い所に。

     いきなり人口7万5千人の街が作られて、それは当時の地図にも載っていなかった。
     1950年くらいに、ようやく載ったのかな。

     当時の地図には、いっさい載ってないし、そこで働いている人達は極秘で集められたんですね。

     その時に女性が大量に雇われたんですよ。
     事務仕事も膨大ですし、あと働ける男が第二次大戦でもう戦地に行っちゃってるんですね。

     世界最初のサイクロトロンとかも、全部このテネシー州のオークリッジに作られたんです。

     7万5千人の住人の内、半分くらいは女の人。
     ニューヨークよりも多くの電力を消費していた。
     でも、地図には全然表示されない。

     タイトルの「アトミックシティ」とは、このテネシー州のオークリッジのことです。

     これも前回に話した『ロケットガール』と同じように、「絶対にヒラリー・クリントンが勝つ!」と思ったから出来た本のひとつなんですね。
     
     この本を出した人は「確実にアメリカ中に女性ブームが来る!」と思ったんですね。

     「アメリカの原爆製造には、実は多くの女性が関わっていた」という本なんです。

     何がおもしろいって、「男性が不在のアメリカ国内で新兵器を作る時、いかに多くの女性を雇用しなければいけないのか」という問題を描いている。

     現場にいた大部分は、女の人ばっかりだった。

     写真を見ると、ウェーブかかってる髪の女の人とか、ポニーテールでふわふわのスカートをはいている女の人達がいる。

     チャンネル炉といわれる最も初期の原子炉とか、サイクロトロンと言われる原子加速機とかを作ってる。

     『この世界の片隅に』で広島に落ちた原爆を作ったのは、アメリカの女の子達だったんです。

     僕らはついついアメリカの科学者とか、アメリカの男達を考えるんだけども、実は作っていたのもアメリカの女達だった。

     アメリカのごく普通の女の子達が、広島にいる女の子達を攻撃した。
     すごい皮肉というか、悲しいというか、なんとも言えなくなるような気持ちだよね。

     アメリカの何もないテネシー州の中に、本当に掘っ建て小屋みたいなのがひたすら並んでいて、7万5千人の人たちが閉じ込められて原子力兵器を作っていた。

     彼女らは笑顔なんです。
     その理由はオークリッジに連れて来られる時に、交わした契約にあるんです。

     何を作ってるのか、何をやっているのか絶対に秘密にすること。

     もうひとつ。
     「お前が一生懸命働いてくれたら、確実にこの計画で、戦争が終わる」
     「何を作っているかは一切言えないんだけども、絶対にこれで戦争が終わる。」
     「だから国の為に何年間か、人里離れたところに行って働いてくれ」
     そう言われたそうなんですね。

     だから彼らの顔はすごい希望に満ちているし、明るい。
     これも、やりきれなくなるところだよね。


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