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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/02/27
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は「今、“Eテレ”の『ねほりんぱほりん』がすごいんじゃね?」というお話です。


今回はニコ生ゼミ2/5(#164)より一部抜粋しました。

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「NHKの人形劇技術を駆使した暴露系トーク番組『ねほりんぱほりん』」
 

 みなさんは『ねほりんぱほりん』ってNHKの番組、ご存知でしょうか?

 この番組は、人形劇みたいな絵面でトークバラエティーをやってるんです。
 いわゆる普通の暴露系トーク番組なんですよ。

 顔を出せない人が出てきて、その業界に関する深い事情を話す。
 それを山里亮太とYOUが根掘り葉掘り聴くので、『ねほりんぱほりん』というタイトルなんですよね。

 ただ、それをすべて人形劇に落とし変えている所が、この番組の面白さなんですね。
 説明シーンとして“再現ドラマ”みたいなパートがあるんですけど、それも人形劇で作られています。

 たとえば地下アイドルのライブをオタ芸で盛り上げているシーン。
 それをどうやって撮っているかというと、ブルーバックで人形を持った人が二人いるんです。
 それをいくつも合成して、かなりちゃんと作ったセットの中で動かしているんですね。

 つまり、民法のトーク暴露バラエティーとは、手間をかける場所が全然違うんですね。
 
 民放の、こういうトーク暴露バラエティーというのは「いかに過激な話を引き出すか」っていうので、濃い話、エグい話でもっていくんです。

 けども、ねほりんの場合の面白さは、そういう民放的な「ちょっとでも刺激的なエグい話を、」では無いんです。

 “話”自体は本当にスゴイんですよ。

 たとえば、地下アイドルの回では「アイドルなんて誰でもなれます!」って言った子がいたんだ。
 「毎回のライブに家族が10人も来れば、中の下レベルの女の子でもアイドルになれます!」って。
 こういった話が出てくるんです。

 その話が出た時に山里のモグラ人形がリアクションするんですけど これは一回「人形劇に翻訳」してるんです。

 この時に普通のバラエティだったら、出演者の「え?」という顔だけなんですよ。

 だけどこの番組は、音や絵を撮った後で、もう一回人形に演技させているわけですね。
 
 だから、山里モグラが「えーっ!?」っと言ったら、ヘルメットの部分がポンと飛び出るアクションとか入ってるんですよ。

 すごく、見やすくなっているんです。
 悪意が隠されている分、それらが染み出るような感じで、より面白くなっているんですね。 

 地下アイドルの女の子が、「ライブに来る10人というのは、家族でも誰でもいい! 別に彼氏でも“セフレ”でもいいんですよ!」って言ったんです。

 そしたら、思わずYOUがつっこんで、「すごい言葉が出てきましたね。セフレですか。そう聞くと、“セフレ”って言葉も、柔軟剤みたいでいいよね」って言うんです(笑)。

 これは、民法とは過激さのレベルが違う。

 きわどい言葉を出演者が使っちゃってもカットするのではなく、YOUの機転によって棘(とげ)を取ってあげている。

 最終的な絵面が「可愛い豚が過激なことを言って、モグラが驚いている」って落とし込んでいる所が、すごく上手いんです。

 これを一回でも見てしまうと、『ヨソで言わんとい亭』みたいな番組が物足りなくなっちゃうんですね。

 どんなにエグい話をされるよりも、それを言った人間がなんでそんな事を話すのかを、YOUと山里の話術で徐々に心を開いていく所が面白いんですね。 

 やっぱり、YOUの話術がスゴいんですよ。

 YOUの話術って、単調なんです。
 ストレート、フック、ストレート、フックの連続。

 「あ、私それ嫌い」「私それ嫌い」「わかんない」って言った後、フックとして「わかる気がする」「わかる気がする」っていう。

 これで相手の心をほぐしておいて、油断した所で、アッパー。
 「でも、なんでそうなの?」っていう言葉ですね。

 この豚さん達も、心を許して話してしまうんです。 

 この手の番組で「そこそこ深いな」って思ったのは『マツコ会議』なんですよ。

 『マツコ会議』の中でのマツコデラックスのポジションも、やっぱりYOUと同じ。
 「それわかんない」とか「私、そういうの嫌ーい」と言いいながら、「わかる気がする」と言うという。 

 でも、この『ねほりんぱほりん』でやってる事の方が、一段上のクオリティーを持っている。

 『にこにこぷん』とか『ハッチポッチステーション』以来、溜め込み続けてきたNHKの人形劇技術の全てが、こんな事に使われているっていうのが、めちゃくちゃ格好いいですよ(笑)。

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