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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/10/17
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今回の記事はニコ生ゼミ10/08(#199)よりハイライトでお送りします。


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「出来ちゃった結婚に嫌悪感を感じます

 質問: 
 出来ちゃった結婚に嫌悪感を感じます。 

 結局のところ、「望んでいたわけじゃないのに、快楽優先で避妊せずにセックスしてたら子供が出来ちゃったから、仕方なく結婚すること」だと思うからです。


 受け入れる準備も出来ておらず、結婚の理由として仕方なく生まれてくることになった子供が不憫に思えてしまいます。 

 しかし、世間を見渡すと、このような結婚を世間が認め始めているような風潮があるように思えて、理解に苦しみます。

 私は、どう考えても、出来ちゃった結婚を理解するべきなのでしょうか? それとも理解しなくてもよいでしょうか? 

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 あのね、『26世紀青年』っていう映画を見たことあるかな? 


 26世紀青年っていうのは、アメリカのコメディSF映画なんだ。

 まあ、この題名は『20世紀少年』が流行ってた時代だったから付けられたパロディタイトルなんだけど。 
 ※原題は『IDIOCRACY』。直訳すれば「愚者による民主主義」。 


 この映画は、冒頭から「26世紀、アメリカはバカの国になった! では、なぜこんなバカの国になったのか? それは進化論的に説明できるのだ!」という、すげえナレーションから始まるんだけどさ。 


 その後、急にIQ140とか130くらいのインテリの夫婦のインタビューが始まるんだ。

 ちゃんと、それぞれの名前が出てきて、その横にIQが表示されるんだけど(笑)。 


 まず「子供はちゃんと準備できたら作ろうと思う」「そうだよね、結婚とか出産というのは、お互いに責任があることだし、きちんと出来る準備ができるようになってから、そういうふうにするのが望ましいね」って言ってるIQの高い25歳のカップルが映るんだけど。 

 で、その次に、IQ80くらいのカップルが映るんだ。 

 そこでは、インテリ夫婦の会話とは対象的に「あんた、また子供ができちゃったわよ!」「おい! もう3人目だろ! お前、なんでそんなに出来るんだよ!?」「知らないわよ!」と怒鳴り合っているんだ。 

 そんな会話をしてたら、さらにそこに浮気相手から電話が掛かってきて、「あんたの子供ができたんだけど」「こんなところに電話してくるな!」「またあんた、他所に子供作って! これでもう何人目と思ってるのよ!」って(笑)。 

 そうやって、IQ80くらいのやつの家系図は、どんどん子供が増えて行くんだけど、逆に、IQ130の方の家系図は、この2人でぴったり止まってるんだよ。 


 「その5年後、5年後、5年後……」と、このインタビュー映像は続いていくんだけど。 
 いつまで経ってもIQの高いカップルは子供を作らない。

 延々と「それは一生のことだし、責任を持たなければいけないから、慎重に考えるべきだ」って言ってて、最初のインタビューから10年以上経っているのに、IQ130の夫婦は家系図が全く増えないんだ。 

 でも、IQ80の方は、5年後にはさっそく息子が生まれて、その10年後には、フットボールかなんかをするようになったその息子を、チアガールたちがワーッと取り囲んで、腕を掴みながら「私の子供をどうしてくれるのよ!」とか「あんた、あの子ともヤッたでしょ!」っていうふうにまくし立てる感じになっている。

 そうやって、あっという間に、ものすごい数の子供が増えて行く。 


「こうして、インテリは減っていき、馬鹿ばかりが増え続け、その結果、500年後のアメリカはバカばかりになりました」っていうのを、映画の冒頭3分でバーッと見せてるんだ。 

・・・ 

 まあ、映画本編は、バカばかりになった後のアメリカの話で、コメディなんだけども。 


 たとえば、その未来の世界では、アメリカで農作物が取れなくなってるんだよ。なぜかというと、“ゲータレード”を地面に撒いてるからなんだよね。 

 なんでそんなことをしたのかといったら、「水よりゲータレードの方が美味いじゃんか。つまり、ゲータレードは身体に良いんだ!」って、バカが考えたから。 

 「イオン性飲料だし、身体に良いんだろ? 身体に良いものは農作物にも良いに決まってるから、農作物にゲータレードを撒こう!」と言って、ゲータレードを撒いた結果、アメリカではこの50年、農作物が取れなくなって食料危機になってるんだ。 


 ラストシーンでは、そんなバカの世界にタイムスリップしてしまった、ごく標準的な知能を持った主人公の「ゲータレードを畑に撒いちゃいけないんだ!」という大演説を聞いた国民たちが「そうだったのか!」と言って、蛇口をひねって水をバーっと撒いた瞬間に、アメリカ中が緑に変わっていくという。 

 そんな、すげえバカな映画なんだけども(笑)。 

・・・ 

 そういうことなんだよ。 

 結局、結婚とか出産とか恋愛とか就職とかに「資格がいる」っていうふうに考えちゃうと、どんどんハードルが上がる。 

 でも、現実はそうじゃなくて、「やっちゃった人間の勝ち」っていうところがあるんだよね。 


 「資格がいる」なんてことを言い出したら、江戸時代でも何時代でも、本来、子供を産む覚悟もなければ準備もない人間に子供ができちゃって、子供が出来たおかげで親としての心構えが生まれるっていうことが、いくらでもあったわけだよね。 

 そりゃ、もちろん、そんな環境だから、ろくな親にならないやつも3分の1くらいはいるよ?
 でも、その3分の1くらいのロクデナシの親の子供が、全部ダメな子供かっていうと、そうじゃない。むしろ、“逆境に強い子供”が出てくることだってある。 

 完璧な親からもダメな子供が生まれてくるし、ダメな親からもなんか完璧に近い子供も生まれてくるわけだから。

 ここら辺は、もう、わかんないわけだよね。 

・・・ 

 「出来ちゃった結婚に嫌悪感を感じる」ということについては、それは“美意識の問題”だから、俺はもう、なんとも言わないんだけど。 

 ただ、それがダメか否かに関しては、「いやいや、『26世紀青年』を見てごらん。そんなことを言い出すと、日本もバカの国になっちゃうよ?」って思っちゃいます。

 ……いや、26世紀青年なんて、久しぶりに思い出したよな(笑)。 


 「26世紀青年、Amazonプライムで見れるよ」(コメント) 


 そう。
 Amazonプライムで今、26世紀青年が見れるんだよ。

 いいよね、Amazonプライム(笑)。 

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