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「【『サピエンス全史』を語るよ 2 】 誕生 当初の人類は “雑魚キャラ” だった」
退屈だろうけど、しばらく付き合ってください。
そして、250万年くらい前に、類人猿は人類へと進化しました。
つまり、ホモ・なんとかという種族が、そこでバババっと同時に大量に現れたんですね。
ここからいろんな人類が枝分かれしていったんですけども。
その中での大きな事件としては「そのうちのかなりの数の人類が火を使えた」ということなんですね。
ネアンデルタールもエレクトスも、だいたいみんな、火が使えたそうなんですよね。
「火を使えたのはホモ・サピエンスだけ」とかよく言われているんですけど、これはもう、間違いだったということがわかってきているんですよ。
では、250万年前になぜ類人猿は人類へと進化したのかというと、これは “突然変異” だと言われています。
100万年単位でのこういった進化は、「突然変異によって生じた大きい変化」ということで説明できるんです。
頭を下にして生まれてきますから。
なので、ほぼ全ての人類の子供は “未熟児” のまま生まれてくるんです。
しかし、人類種族はみんな未熟児で生まれてくるもんだから、だいたい2年か3年くらい、自分で餌を採れるまで成長するのに時間が掛かるんです。
つまり、その間、母親がずっと世話をしなきゃいけない。
ということは、どういうことかというと、本能が中途半端で生まれてくるんです。
蟻とか蜂とかだったら、生まれてきた瞬間に自分の仕事がわかってますよね。
でも、人類種というのは、みんな未熟児で生まれてくるから、そこから先は、親や仲間が「こんなことはしちゃダメだよ」とか「これはやっていいよ」と、いろんなことを教える必要があります。
そして、その結果、社会性がすごく強い種族になっちゃったんです。
そして、社会行動が本能ではなく後付けの文化によってコントロールされる。
これも、サピエンスだけではなく、他のホモ種属を含めた人類全ての特徴なんですね。
「道具が使える」
「複雑な社会機構を持っている」
これら全ては、ホモ属全てが持っている特徴だと思ってください。
サピエンスだけじゃあないんです。
そして、火を使って何かが出来るようになったのは、「たった」というのは変ですけど、30万年くらい前なんですよね。
じゃあ、その間の200万年間、人類は何をしていたのかというと……何もしてなかったんですよ。
これがね、僕、本を読んでて一番最初に大爆笑したところなんですけど(笑)。
道具が使えるんですよ?
石器持ってるんですよ?
でも、生まれてから200万年間は、みんなダラダラ生きてたんです。
「狩猟民族として狩りで獲物を捕る」と言っても、主に、虫とか動物の死体とかばっかりで、他には木の実とかキノコを食べていた。
そういう存在だったんですね。
食物連鎖で言えば、「中の下~真ん中辺り」という、ものすごく地味な生物だったんです。
でも、250万年前に生まれたんだけど、地球規模で見た場合、本当に、森の中に住んでいるただの雑魚キャラだったんですよ。ここがポイントですね。
僕らは、なんとなく「ホモ・サピエンスというのは、誕生してすぐに、脳が大きいから石器時代とかに入って、他の動物を殺したりして、あっという間に凶暴な種属として地球を制覇していった」みたいなイメージを持ってるじゃないですか。
でも、そうじゃないですよ。
200万年間は地味な種属だったんですね。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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