ネタバレ抜きで『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を出来るだけ解説してみます。
アベンジャーズをネタバレ抜きで解説というよりは、大前提の解説ですかね。
アベンジャーズって、あのシリーズを見た事が ある人と無い人との間で、情報の差が激しく違うんですよね。
本当にネタバレ抜きにするために、大前提から話します。
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『スーパーマン』や『バットマン』、『スパイダーマン』などのアメコミのスーパーヒーローが、大人向けの実写として映画化されるようになって、今年でだいたい40年です。
いちばん最初は1978年のスーパーマンですね。
クリストファー・リーヴが主役の。
あの「タッタタ~タタタタ~♪ タタタタ~ンタン♪」ってジョン・ウィリアムズの曲でおなじみの、あのスーパーマンです。
その後で89年にバットマン。
だからスーパーマンがちょっとヒットして続編が出来たんですけども、その時に、ちょっと休憩に入っちゃって。
それで89年にバットマンがあって。
遅れてスパイダーマンが2002年ぐらいから、スーパーヒーローが大人向けとして実写化されるようになりました。
それで2008年に『アイアンマン』も実写化されたんです。
それで正直、その系統の映画かと思ってたんですよ。
しかし、これはマーベル社が違ったんです。
マーベル社が自己負担で出資して、自社に “マーベル・スタジオ” というスタジオまで作っちゃったっていうですね。
大プロジェクトの第一作だったんですね。
いっちゃえば、集英社がジャンプのアニメを作るために、ジャンプ・スタジオっていう専用のスタジオを、まるでスタジオジブリみたいに作ったって状態を考えてください。
ま、それだったんですよ。
で、マーベルコミックに登場するキャラクターをクロスオーバーさせて、映画のシリーズを作ってしまうと。
いわゆる『スーパーロボット大戦』とか『ファミコン・ジャンプ』みたいなものですね。
そういうふうな企画だったんです。
とにかくすごい金をかけてマーベル・スタジオというのを作ってですね、で、大真面目に大人向けの実写としてスーパーヒーローを作ったと。
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ま、一番最初に作ったのが2008年のパワードスーツもののアイアンマンです。
その次が、緑色の巨人に変身する『ハルク』ですね。
その次が北欧神話の神様『マイティ・ソー』。
この辺りから難しくなってくるんですよ。
マイティ・ソーって神様だから、ほとんど無限の力があるんですね。
それと、単なる緑色の、巨大化できるですね。
巨大化といっても、人間の二倍程度になるハルクとですね。
これとを戦わせるというか、最終的には “いい感じ” で勝負をするようにしなきゃいけないんですね(笑)。
あと意外な事に、第二次大戦の宣伝用の “ゆるキャラ” として登場した『キャプテン・アメリカ』ですね。
これをこう、パッパッパッパッパッと一年がかりぐらいで出し始めました。
で、これですね、それぞれがメチャクチャ出来が良かったんですよ。
特にキャプテン・アメリカの出来が良かったです。
僕は今ちょっと “ゆるキャラ” って言ったんですけど、それは何でかっていうと、それぞれバラバラの作品をまとめる役割なんですね。
キャプテン・アメリカが始まったのが1941年だから、本当に第二次大戦が始まるか始まらないかの頃なんですけども。
その頃のコミックスの中にある “正義感”とか “世界観” っていうのを、ちゃんと21世紀の現在に通用するような お話にしてるんですよね。
なので、メチャクチャ バランスがいい。
僕は、キャプテン・アメリカで、いわゆるマーベルのスーパーアクションの映画っていうのは「あ、ちゃんと芯が通ったな」って思いました。
で、まぁ、アイアンマンは二本も作ったんですけども、ここまでの5作品をまとめて、2012年に映画『アベンジャーズ』っていうのが出来ます。
これが「マーベルの いろんなヒーローが一緒に出てきますよ!」って映画で。
ラストのニューヨーク決戦まで、もうノンストップアクションなんですね。
で、これがやっぱりメチャクチャ ヒットしたわけです。
で、以後、このパターンが基本になるんですよ。
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まず各ヒーローの、それぞれのエピソードが積み上がっている。
たとえば『キャプテン・アメリカ2』とかですね、『アイアンマン2』、『アイアンマン3』とかと積み上がっていって。
その中で、新ヒーローが登場する新しい映画っていうのがあって、それをまとめて『アベンジャーズ2』ですとか、『アベンジャーズ3』ですっていうふうに作っていきました。
それで全体的にキャラがいっぱい出てくるんですけども、基本的には理想主義者であるキャプテン・アメリカと、あとは現実主義者のアイアンマン。
だいたい、この二人の物語だと思っておけば、あんまり大筋を見失わなくても済みます。
で、キャプテン・アメリカっていうのは、いつも “戦うべき理由” と“戦うべき相手” っていうのから、ずーっと目を離さないんですね。
基本的に理想主義者ですから、
それに対してアイアンマンっていうのは、新人勧誘とか、世間との調整っていうですね、わりと現実主義者的な立場を取ります。
だいたい、こんな流れだと思っておいてください。
アベンジャーズは面白いんですけども、「これまで、どの作品を見ておかなきゃいけないか?」とか、押さえなきゃいけない事が多過ぎるんですよね。
なので、キャプテンアメリカっていうのは理想主義者だから、宮崎駿だと思ってください。
で、アイアンマンは、そこらへんを調整する鈴木敏夫だと思ってください。
で、マイティ・ソーっていうのは、無敵なんだけど使いようが無い高畑勲だと思ってください。
で、端っこで何か悪い事をするロキっていうマイティ・ソーの弟がいるんですけども、これは押井守だと思ってください(笑)。
あとは庵野秀明みたいな、若くてすぐ悩むスパイダーマンってヤツが出てきたりですね。
あとはスターロードっていう、頭が軽くて変な事ばっかり言ってる樋口真嗣みたいなヤツで、『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』っていうのがいるっていう。
こんな感じの話なんですよ。
だから、そいつらが全員で作画して映画を作るんだけど、最後はボロボロになる話だと思ってくれればいいんですけども(笑)。
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で、今回のこの “インフィニティ・ウォー”、もう “無限の戦い” というふうにハッタリをかましまくるからね。
あのね、もうこういうのって、俺たち日本人は聞き飽きてるんですよ。
毎年毎年、夏か春かになるとポケモン映画が来てね、「ポケモン 究極の敵が、」とかそんなの言われてるからね。
俺らはもう “究極の敵” に飽きたよと(笑)。
インフィニティに飽き飽きしているところに “インフィニティ・ウォー” って来るんですからね。
「何がインフィニティだ(笑)」って思って今回見たら、確かにインフィニティ・ウォーだったんですよね。
こりゃ凄い。
で、今回はアベンジャーズの “3” です。
もう1とか2とか3とか言ってくれればいいんですけども、今回はアベンジャーズ3です。
この3に行く前に、さっき言ったように各話数というのが出てきてて、第三シーズンっていうのをやってるんですね。
これがもう大忙しなんですよ。
『キャプテンアメリカ3』ではアベンジャーズチームが二つに分かれてケンカです。
シビル・ウォー、市民戦争、つまり南北戦争ってサブタイトルが付いてるぐらいですから、大ゲンカです。
で『ドクター・ストレンジ』って無敵の魔法使いが出てきます。
ドクター・ストレンジっていうのは、もうジョジョに出てくる絶対に勝てないスタンド使いだと思ってください(笑)。
時間まで操るから、「こんなヤツに勝てるハズがねぇよ!」っていうヤツを出します。
で、お笑い担当の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』があって。
あと、やっとシリーズに参加できるようになった『スパイダーマン』が出てきます。
これはもうアベンジャーズ界の山田隆夫だと思ってください(笑)。
座布団を持ってくるだけの、そんな感じのポジションなんですよね。
で、マイティ・ソーは、その前のシリーズで封印されていたお姉さんが出て来てですね。
おねえさん、髪の毛が角みたいな感じで出てくるんですけどね、ケイト・ブランシェットなんですよ。
ケイト・ブランシェットがモデル歩きしながら歩いて来てですね、次々と敵を倒すっていう。
これ、真面目に見ていいのか、笑っていいのか、とにかくカッコ良過ぎて笑えるんですけどっていうのがガンガンガンガン出てきてですね(笑)。
それで黒人ヒーローの『ブラックパンサー』ですけども。
あまりにヒットして『タイタニック』を抜いて、歴代の映画公開の3位につけたのかな。
タイタニックを抜いたという事で有名になりました。
という事で、もう万全の準備です。
今回の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『アベンジャーズ3』ではですね、これらすべてが活躍してですね。
おまけに最初のシーズンからずーっと「さぁ、この悪役はいつ出るか?」と言われてた “サノス” ってヤツが悪役で出てくるんですね。
おまけにこのサノスが、映画の中で悪役の歴史を変えてしまうような描かれ方をしていると。
だいたい こんな感じです。