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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/05/12
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今日は【岡田斗司夫アーカイブ】から選りすぐり 2015/09/13放送の『ニコ生ゼミ』
のハイライトをお届けします。


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 スマホとパソコンで生まれた新たな階級社会


 格差というものがありますよね。

 経済格差、教育格差とか。

 そして格差っていうのは階級になるんです。

 格差が乗り越えられなくなると階級になってしまって、階級というのは(文化的な面での)人種を産むというふうに僕は考えます。

 つまり経済格差があるうちはまだいいんですけど、経済格差が乗り越えられなくなると、貧乏に生まれたら一生貧乏、金持ちに生まれたらずっと金持ちに。

 これが格差が階級になるということ。

 階級がずっと長いこと続くと、階級ごとの文化が生まれてしまう。


 つまり、金持ちっていうのはテレビを見ずに劇場に行ったり美術館に行ったりする。

 貧乏人っていうのはテレビを見たりする。

 この格差が階級になっちゃった国は、古くはイギリス、現代はアメリカがそうですね。


 現代のアメリカも、金持ちと貧乏人の行動様式が違ってしまってる。

 貧乏人っていうのはフットボール見てビール飲んでっていうような行動になってくる。

 金持ちはワイン飲んで、現代アートの人を呼んでホームパーティする。

 どっちもフットボールを見るときは、まるで ひとつのアメリカ みたいなふりをしてますが、アメリカという国は「国民みんなが同じ趣味だ!」「国民はひとつだ!」と年がら年中、自分の国の外側と内側に言ってないと国が成立しない、特殊な国家なんですね。

 人工国家だから。

 なので、そう言ってるだけで、実は厳然とした格差があり、その格差が階級になりつつある。


 この階級っていうのが、日本ではどうなっているのか。

 アメリカだったら本当に、テレビを見てるか、プロレスを見てるか、あとはフットボールに熱中してるかビール飲んでるかってことでわかるんです。

 だけど、日本だったら最近よく言われているのが、スマホとパソコンとか、本とスマホっていうふうに言われている。

 どっちもスマホって言われている。

 これは経済格差っていうよりも、ひょっとしたら教育格差かもわかんないんですけど。


 こないだ先進国の教育データっていうの出たら、日本の大学生っていうのが、諸外国の中で、パソコンを使える率っていうのが異常に低い。

 それも持ってる率も低い。

 韓国の8割に対して、日本では4割くらいって言われている。

 それくらい、日本人の青少年はスマホを持っているんだけど、パソコンを持っていない。


 日本の青年は「スマホで十分」って言うんだけど、諸外国の青年は同じスマホを与えられてながらそれで十分とは思わない。

 なんでかっていうと、スマホではいわゆるスプレッドシートを使えない。

 表計算を使えないし、プレゼンソフトも使えない。

 でも、日本の大学生は「いや別にそんな事しないし」って言ってりゃすむと。

 このあたりに、もう教養格差がジワジワ出てきてしまってる。

 じゃあ それはアメリカ人と日本人の差なのかというと、そうでもない。

 日本でも偏差値の高い大学に行くと、パソコンの普及率がちゃんと上がっているんですよね(笑)。

 
 で、偏差値の低い大学に降りていけば降りていくほど、スマホの普及率だけが高くて、パソコンの普及率が低いということになってると。

 こういうふうに、日本でも当初は経済的とか、もしくは教育的な格差だったものが階級になって、それぞれが 階級の文化 っていうものを作り出したりすると。

 だから2ちゃんねるとかに書いてる人って、使ってるのはパソコンだから、実は知的階級的には上のところに行ってるんですね。

 行動様式が低いだけで。

 ひどいな(笑)。


 で、“階級を飛び越せなくなった状態” っていうのが人種を作ると僕は思っているので、スマホを使ってて、「パソコンなんか、なんでいるの?」っていうような家族になってしまったり、友達が全部そういうふうな状態になってしまったら、そこにトライブ(部族)っていうのが出てきたりする。


 別に さっきも言ったとおり、パソコン使いながらも ろくでもない事をやってる人は、いくらでもいるんですね。

 スマホを使いながらも自分でビジネス始めている人もいるから、それぞれ個々の人の、出来不出来っていうのを、そこで言うつもりはないんですけど。

 ただ、さっき話したように階級と文化というのに関連してるので、日本でもスマホしか使えない人というのは増えてきて、「パソコンなんて、必要ない」と思っている人が増えている。

 ここが文化的な人種というのを作りつつあると僕は思っています。
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