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「【『映像研には出を出すな!』1巻を作者と一緒に徹底解説 3 】 この漫画を “熱く” 感じちゃうのは、僕もアニメを作っていたからなんです」
岡田:
これは “アニメーターっぽい絵” になるのかな?
大童:
いわゆるアニメーターが、こんな影とかを入れてデッサンしてるの、あんまり見たことがないから(笑)。
アウトラインだけでシルエットをバーっと掴んで、服の皺の感じとかもカーっと簡単にとって、「簡略化した状態でどういう立ち姿に見えるか?」っていうのをパーって描く。
あとは、手とかを描く時も、なんというんでしょうかね?
やたらと捻った手を描きたがるというか。
あとは、安彦さんもよくやりますよね。
なんか、ジオン・ダイクンが死ぬ時も、変に指をくねらせて死ぬし(笑)。
岡田:
俺がそういうことを言ってる時は、「困った人だな」という顔をしてた方がいいですよ。
ということで、水崎さんの絵を見せて貰って、自分にはないものを発見する浅草。
ただ、髪の流れという点では、全てのキャラが束になっているんですけど。
こう、サラサラの流れる髪みたいなのは、まず僕が描けないというのがあるので。
岡田:
金森の水準まで落とすことによって、理解がしやすくなるというか。
「始めて自分が描いていたのが設定画だとわかってもらえた」 ということで、二人の力を合わせれば、アニメが出来ると思った。
悪いヤツだな、こいつ(笑)。
岡田:
なんか、他のキャラクターって 「自分の好きなものがあって、それに向かって突き進む」 っていうのがあるんですけども。
金森には 「それが自分にはない」 というコンプレックスがある。
だから、「金のため~」 とか、プロテクトを掛けながら喋るんですけど、時々こういう本音が出ちゃうっていう。
「親に止められてるから入部できない」 ということはないんですよ。
これは、精神的に親に属してしまっているからというのに過ぎない。
だけど、その辺を 「そこは違うじゃん?」 みたいなことで説き伏せるのは面倒臭いので、こういう別の理屈をぶち込んで、 「入部がダメなら、部を作ってしまえばいいじゃん」 と言ったという。
「近畿大学みたいな大学を卒業してなんになるんだ!?」 みたいなことまで、俺、言いましたから。
……すまん、あの時の近大SF研のみんな(笑)。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/07/04
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「【『映像研には出を出すな!』1巻を作者と一緒に徹底解説 3 】 この漫画を “熱く” 感じちゃうのは、僕もアニメを作っていたからなんです」
今回の記事は、漫画『映像研には手を出すな!』の1巻を作者の大童澄瞳先生と共に1ページずつ解説した様子を文字に起こしたものとなっています。
単行本と併せて読むと、より一層、楽しめる内容となっています。
【Amazon販売ページリンク】
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※2018年7月5日22:00までの期間限定で、1巻 丸々無料で読むことが出来ます。
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(18ページ目)
岡田:
で、金森が「どんな絵を描くんですか?」と言って、水崎の絵を見せてもらうことになる。
「これなんだけど」と見せてくれた水崎に対して、浅草は「アニメーターっぽい絵ですな」って言うんですけど。
これは “アニメーターっぽい絵” になるのかな?
大童:
どう思いますかね?
みなさん、これアニメーターっぽい絵だと思いませんか?
みなさん、これアニメーターっぽい絵だと思いませんか?
岡田:
俺、これは 『イデオン』 なんかの湖川さんぽい絵だなと思ったんだけど。
いわゆるアニメーターが、こんな影とかを入れてデッサンしてるの、あんまり見たことがないから(笑)。
大童:
いや、一定数は居ますよ。
まあ、最近の流行りというのもあるとは思うんですけど。
まあ、最近の流行りというのもあるとは思うんですけど。
アウトラインだけでシルエットをバーっと掴んで、服の皺の感じとかもカーっと簡単にとって、「簡略化した状態でどういう立ち姿に見えるか?」っていうのをパーって描く。
あとは、手とかを描く時も、なんというんでしょうかね?
やたらと捻った手を描きたがるというか。
岡田:
やっぱり湖川さんだな、それは。
あとは、安彦さんもよくやりますよね。
なんか、ジオン・ダイクンが死ぬ時も、変に指をくねらせて死ぬし(笑)。
大童:
そうそう。
なんか、こういうふうにして――
なんか、こういうふうにして――
岡田:
いやいや、俺と一緒にディスっちゃダメだよ!
「大童さんも一緒になって、安彦さんをディスってた」っていうふうに、後で話が流れてしまうから!(笑)
「大童さんも一緒になって、安彦さんをディスってた」っていうふうに、後で話が流れてしまうから!(笑)
俺がそういうことを言ってる時は、「困った人だな」という顔をしてた方がいいですよ。
大童:
わかりました(笑)。
まあ、こんなふうな手の甲の反りとかですね。
岡田:
そうですね、この辺の手の平とか指の形を描きたがるところは、浅草が「ああ、私が苦手な人物画だよ」って言っちゃうのがわかりますよね。
彼女、設定画の中に人間を描かないし。
描くとしても、たぶん、誤魔化して描くでしょうしね。
描くとしても、たぶん、誤魔化して描くでしょうしね。
大童:
そうですね、最初の設定画には、一応、人がいたんですけど、ただのマルチョンみたいな。
岡田:
そうですね、ドラえもんみたいな。
ということで、水崎さんの絵を見せて貰って、自分にはないものを発見する浅草。
こうやって見てると、やっぱり、水崎の髪型って、かなり “シルエット” で描いてますよね。
大童:
そうですね。
水崎に関しては本当にシルエットで、ノリが貼り付いたみたいな髪ですね。
水崎に関しては本当にシルエットで、ノリが貼り付いたみたいな髪ですね。
ただ、髪の流れという点では、全てのキャラが束になっているんですけど。
こう、サラサラの流れる髪みたいなのは、まず僕が描けないというのがあるので。
岡田:
嫌いなんですか?
女の子の髪の毛とか描くの。
女の子の髪の毛とか描くの。
大童:
そうですね。
あんまり好きではないですね。
あんまり好きではないですね。
岡田:
でも、ここでは一応、「水崎が描いた人物が」という設定で描いてるじゃないですか。
大童:
はい。
この辺は髪の流れとかをちょっと描いてみようかなと思って描いた絵なんですけど。
でも、その下の人物画になると、もう束になっているし、この辺はもうハゲっていう。
この辺は髪の流れとかをちょっと描いてみようかなと思って描いた絵なんですけど。
でも、その下の人物画になると、もう束になっているし、この辺はもうハゲっていう。
岡田:
なんか、好き嫌いがはっきり分かれて面白いな。
・・・
(19ページ目)
岡田:
で、「イメージボードってなんです?」 と言う金森。
大童:
そうですね、「金森の知識レベルは読者ぐらいに落とした方がいいんではないか?」 っていうのがあって、こういうことを言わせています。
この漫画を読むだろう人の中で、最も詳しくない読者のラインに落とすということですね。
この漫画を読むだろう人の中で、最も詳しくない読者のラインに落とすということですね。
金森の水準まで落とすことによって、理解がしやすくなるというか。
岡田:
で、感動のシーンですよね。
「始めて自分が描いていたのが設定画だとわかってもらえた」 ということで、二人の力を合わせれば、アニメが出来ると思った。
大童:
はい、そうですね。
それもそうなんですけど、結局、金森がやりたいのは 「水崎を使った金儲け」 だったんですよね。
最初の段階では。
最初の段階では。
なので、金森としては、水崎をこちら側に引き込むために、浅草と関係を作らせようとしているんです。
岡田:
それが、5コマ目のこの目線なわけですよね。
大童:
そうですね。
岡田:
浅草の絵を見て水崎が 「すごいよこれ」 と言っていたので、「この 浅草みどり とアニメ作りませんか?」 と言い出した、と。
悪いヤツだな、こいつ(笑)。
・・・
(20ページ目)
岡田:
水崎が「でも、私、部活には入部できないし」ということで悩んでいたら、金森が「部を設立すればいいじゃないですか」という熱いセリフを言いますね。
大童:
熱いですかね?
岡田:
僕が見てる限り、この漫画の中で一番熱いのは金森なんですよ。
だから、金森が主役に見えちゃうんです。
だから、金森が主役に見えちゃうんです。
なんか、他のキャラクターって 「自分の好きなものがあって、それに向かって突き進む」 っていうのがあるんですけども。
金森には 「それが自分にはない」 というコンプレックスがある。
だから、「金のため~」 とか、プロテクトを掛けながら喋るんですけど、時々こういう本音が出ちゃうっていう。
大童:
いやあ、でも、ここに関しては 「何をバカなことを言ってるんだ!」 っていうことでもあるんですよ。
そもそも、親に 「入部はダメ」 とか言われてたとしても、入部できないわけないじゃないですか。
子供が 「入部します」 って書けば、それで入部できちゃうんだから。
子供が 「入部します」 って書けば、それで入部できちゃうんだから。
「親に止められてるから入部できない」 ということはないんですよ。
これは、精神的に親に属してしまっているからというのに過ぎない。
だけど、その辺を 「そこは違うじゃん?」 みたいなことで説き伏せるのは面倒臭いので、こういう別の理屈をぶち込んで、 「入部がダメなら、部を作ってしまえばいいじゃん」 と言ったという。
岡田:
なるほどなるほど。
いや、でも俺、熱く感じるわあ。
大童:
そうですか?(笑)。
岡田:
熱く感じるっていうのは、自分自身が学生でアマチュアアニメを作っている時に、こういう理屈を使ってたから。
「俺らみたいなヤツはこういう理屈を使うよね。でも、あいつらは、こんなことを言うよね」 って。
「近畿大学みたいな大学を卒業してなんになるんだ!?」 みたいなことまで、俺、言いましたから。
……すまん、あの時の近大SF研のみんな(笑)。
大童:
まあまあ、でも、そうですね。
それが熱いんだとすれば、やっぱり熱くはなりますね。
それが熱いんだとすれば、やっぱり熱くはなりますね。
岡田:
とはいえ、「諸々のサポートはしますよ」 というセリフの 「諸々の」 と言う部分で、有限責任みたいなことを言ってるんですけども。
なんか、この熱いセリフで、僕は結構しびれちゃったんですよ。
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