岡田斗司夫の毎日ブロマガ「世界の村上隆と150万円のディスカバリー号」

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岡田斗司夫の毎日ブロマガ　2018/08/08

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今回は、ニコ生ゼミ7月29日（#241）から、ハイライトをお届けいたします。

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　「世界の村上隆と150万円のディスカバリー号」

　『かりそめ天国』という番組ありますよね。

　マツコ・デラックスと有吉がやっている番組なんですけど。

　その中に、僕の好きな特集があるんですよ。

　お笑いの芸人のアンガールズの山根が、最近、家を新築したらしいんですよね。

　なので、その家に置く “立派なもの” が欲しいと言い出してるんですよね（笑）。

　ここで言う立派なものっていうのは、まあ、書画骨董の類（たぐ）いです。

　ここで面白いのが、この山根というのが、もう清々しい “俗物” なんですよ。

　つまり、芸術品を見る目があるのではなく、「有名な人が描いた」とか、「後で値段が付きそうなもの」みたいな、メジャーなものばかりを買いたがるんです。

　なので、企画の中でいろいろなものを見せられて、「ああ、それ、ちょっと気に入りました」みたいなことを言うんですけど、最終的に選ぶのは、いつもメジャーなものや有名なものばっかりなんですよね。

　そういうものを買わせるのが面白いという特集なんですけど。

・・・

　この第1回で壺を買って、第2回に掛け軸を買って、第3回が、いよいよ玄関に飾る絵を買ったんです。

　この絵を買う時にも、なんか、いろんな絵を見せられてたんですけども。最終的には予算が大体20万円以内で探しているということで、その金額で買えるものとなると、まだメジャーじゃない人の絵か、もしくは、すごく有名な人のリトグラフ（版画）ということになってくるんですよ。

　山根も、最初はいろんな人の絵を見て「いいですね」と言ってたんですけども、結局、買ったのは、ルイヴィトンの柄にも使われた村上隆のお花が咲いたような絵だったんです。

　これを買った時のポイントが、やっぱり「世界の村上隆」と言われたからなんですよ。

　僕、これを見て、「村上隆って、そんなに偉かったんだ！」って思ったんですけど。

　実は今日の昼間、海洋堂がやっているワンダーフェスティバルに行ったんです。

　そしたら “世界の村上隆” が楽屋にいたんですよね。

　村上隆は、「岡田さん！」って話しかけてきて、「ああどうも」って答えたら、「先週のトランスフォーマーの話、最高でした！ 今日の放送も見ます！」って言ってくれたんですよね。

　ということで、なんかちょっと、山根に勝った気がして嬉しかったです（笑）。

　まあ、それだけの話なんですけどね。

・・・

　なぜ、ワンフェス行ったのかっていうと。

　本当は、日曜日には生放送もあるし、準備をしなきゃいけないから、もうワンフェスとかは諦めてたんですよ。

　でも、今回は海洋堂のセンムから呼ばれたから行って来たんです。

　『2001年宇宙の旅』に出てきた宇宙船 “ディスカバリー号” というのがあるんです。

　

　こんなデザインの宇宙船で、僕、これがすごい好きなんですけど。このディスカバリー号が、遂に、海洋堂の手によって模型化されたんです。

　『2001年宇宙の旅』というのは、スタンリー・キューブリックが1968年に作った映画なんですけども、ここで使われた宇宙船のミニチュアは、メチャクチャデカイんですよ。

　どれくらいデカいかというと、後ろの方にエンジン部分があるんですけど、エンジン部分のミニチュアを実際に作っている写真がこれなんですよね。

　
　

　もうバカみたいにデカいです。聞いたら、全長15,6ｍくらいあるんですよね（笑）。

　海洋堂の作った模型は、このミニチュアの10分の1スケールで、1.6ｍなんですよ。映画のミニチュア自体が16ｍあって、それの10分の1サイズの1.6ｍの模型。

　僕も行って見てきたんですけども、1.6ｍの模型ともなると、やっぱり、これくらいのサイズになっちゃうわけですね。

　

　これは、会場でその模型のエンジン部分を見て悦に入ってる僕なんですけど（笑）。

・・・

　この模型というのが、また高いんですよ。

　一番 安い、バラバラの状態になってるプラモデルみたいな状態のキット、組み立て模型が5万円。そして、完成塗装済みの模型が15万円。

　だけど、この「完成塗装済み15万円」というのは、あくまでも “普及版” なんですよ。

　会場に見本として飾られていたのは “完全版” というやつなんですけど、「完全版ほどディティール詰めてないんだけど、普通の人はこれで十分でしょ？」というのが普及版なんですね。

　じゃあ、完全版というのはいくらかというと「130万円」って書いてあったんですよ（笑）。

　だけど、僕にしてみたら、もう小学校6年とか中学校1年くらいの時から、ずっと欲しくて欲しくてしょうがなかったものだから、とりあえず “世界で最初に買った人間” になろうと思って「買いますよ！」って言っちゃったんですよね。

　海洋堂が作った、あの “メチャメチャデカくてクソ高いシン・ゴジラのフィギュア” でも、値段は100万円だったんですよ？

　今回のディスカバリー号は、それを超えて130万円なんですよ。

　で、また、「買いますよ！」と言ったら、センムは「岡田さん、“キット” はいらないんですか？」って言う。

　そう言われちゃったらキットも欲しくなるじゃないですか。

　なので、「じゃあ、もう、15万円の普及版は、普段 触りまくる用に買って、130万円の完全版は、このスタジオに置いてニコ生でみんなに見せて自慢して、キットは開けて見て妄想する用に買う！」ということで、いっぺんに3つ買ってしまったんですよね。

　そんな高い買い物をしちゃったもんだから、今日ね、本当に気持ちが悪い。

　なんか、さっきの山根の話が笑えないんですよね（笑）。

　「落ち込む」というよりは、そんなに高い買い物したのって人生で初めてだから、すごい気持ち悪くなって帰って来たんですけど。

　まあ、雑談としては、それだけなんですけども。

・・・

　バカですよね。

　もう本当に、本当にバカですよね。

　また海洋堂のセンムが、トークイベントの壇上で僕が決心して「買います！」って言ったら、「じゃあ、ちょっとくらい安くしますから」とか言うんですよ。

　お客さんが見てるところで、そんな友達感覚で「安くしますから」なんて、絶対に言っちゃダメじゃないですか！（笑）

　この時、すぐそばに西坂さんという、今回の この模型のプロデューサーがいたんですよ。

　この人は、たぶん、日本で1番、世界でも3番目くらいにディスカバリー号に詳しいモデラーなんです。

　だから、俺「値引きしなくてもいいから、俺の完成塗装品の塗装は、この西坂さんにさせてくれ！ たぶん実物のミニチュアを作った人間の次くらいに上手く塗れる人のはずだから、この人にお願いします！」って言って帰って来たんですけど。

　まあ、そんな感じで、俺も今、そんな買い物をしてきちゃったもんだから、ロレツが回らなくなってきてるんです（笑）。

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