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「【白い悪魔と赤い彗星 3 】 巨大プロジェクト時代の申し子 フォン・ブラウン」
19世紀までの科学界では、それでも良かったのかもわからないんですけど、20世紀というのは “巨大プロジェクトの時代” なんですよ。
実はこの2人は、ドイツとソ連という2つの国、フォン・ブラウンに至っては、後にアメリカという国の方向性までも変えてしまった、とんでもないヤツなんです。
17歳の嫁を貰って、一番活き活きしていた時代です。
あとは「親が決める」ということも多いんですけども。
フォン・ブラウン自身も、結婚が決まったのは、相手が11歳の時だったそうです。
その時から、熱烈なラブレターを11歳の許嫁に送り続けて、彼女が17歳になった時、アメリカに呼んで結婚したそうです。
まあ「そういう民族だ」と言われれば、そうなんでしょう。
本来、マイコンとか、マイクロコンピューターをやってた人というのは、IBMに対して、恐れたり反発したりしていたんですけども、そういうところと手を組むのも恐れない。
ライバルのAppleにも、平気でOSを提供する。目的のためには手段を選ばない男。
それがビル・ゲイツなんですけど。
フォン・ブラウンも、それと同じなんですよね。
まさに、目的のためには手段を選ばない白い悪魔、フォン・ブラウンです。
自分たちをアメリカに最大限高く売るために、ロケットの完成品数十台と、組み立て済みの部品全て。さらには図面とか実験データの写し、などなど。
それら、列車の貨車にして200台とか500台分と言われてる研究成果を全て持ち逃げしたんです。
この辺りの戦略家ぶりというのも、ビル・ゲイツっぽいと思います。
その後も「俺達は科学者だ! 捕虜じゃない! ロケットを作らせろ!」と抗議するものの、聞き入れられず、「お前らには、もう用はない」と言われて、ホワイトサンズという砂漠地帯の中で冷や飯を食らわされることになるんです。
でも、そうなったらそうなったで、今度は時の人であったウォルト・ディズニーに接近して、彼のテレビ番組に出演して、自分が主役の科学番組のシリーズを作らせたんですよ。
すごいオッサンですよね(笑)。
彼はピアノを弾き語りしながらのパロディソングを作ることで人気だったんですね。
どれくらい炎上していたのかというと、そのトム・レーラーが歌った『ヴェルナー・フォン・ブラウンの歌』というパロディソングが大ヒットしたくらいなんですよ。
そもそも、歌のタイトルが個人名なんですよ(笑)。
そして、ついに「いや、フォン・ブラウンって、いいヤツじゃん。共産主義者を追い詰めることをやってくれてるじゃん!」とか、「ソ連に対抗してアメリカのミサイルを作ってくれるんだよな!」ということで、フォン・ブラウンに追い風が吹き始めました。
フォン・ブラウンというのは、炎上発言をすることもあるんですけど、だからといって “空気を読まない” ということは決してないんですよ。
ちゃんと謝罪すべきところでは謝罪するんですよね。
たとえば、ナチスに両親を収容所で虐殺されたというユダヤ人の前では、もう、涙を流しながら「私はユダヤ人殺害には全く関与しなかった。しかし、全てのドイツの国民と同じく、あなたとご両親には、いくら謝罪しても足りません」と頭を下げるというふうに、ちゃんとした押さえ方をする人でもあったんです。
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