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「【Googleへの就職 3 】 各社それぞれクセのあるIT大企業の入社試験」

もちろん、今はもう使ってないとは思いますけどね。
どんな山にも “標石” という、山のてっぺんを表す石があります。
これ自体を動かしちゃえば、山は動いたことになるわけです。
だって、国土地理院の定義によれば「山のてっぺんにある石が山のシンボル」なんだから、これを動かせばいいじゃん、と。
あとは、富士山の隣にある山を「富士山」と改名しちゃえばいいよ、と。
そうすれば地図上での位置は変わるでしょ、と。
そんなとんちもあるんですけど、これではダメなんですよ。
そうではなく、富士山の体積を大まかに計算して、土の比重をフェルミ推論で出して、そのために必要なトラックの台数を計算して「それを24時間稼働させる場合、何人くらいの運転手が、何交代で運べば何日間くらい掛かる」というところまでダーッと話すと、「はい、合格」となるんですよね。
なので、とんちもアリだし、言い返しもアリ。
まあ、もちろん、正しい推論があれば一番良いんですけど。
ところが、マイクロソフトが求めているのは「本当にそれをするためには、どれくらいのコストが掛かるのか? どれくらいの人間がいるのか? その人間はどうやって手配するのか?」という、どストレートな回答なんです。
そういう答えを聞くと、面接官はニヤリと笑ってこう言うんです。
「その機能は、すでにビルの家にはあります」と(笑)。
ビル・ゲイツの家は、もう15年以上前から、車の中で命令したら風呂にお湯が溜まるそうなんですけど。
僕ら日本人は、薬というと、台所とか、お茶の間辺りの薬箱にしまっているものなんですけど。
ハリウッドの映画を見ててもわかる通り、アメリカとか西洋では、だいたいバスルームの洗面台の鏡の裏に薬を並べているのが多いんですよ。
それを子供が勝手に取ったりしたら、すごく危ないじゃないですか。
なので、「誰が浴室に入ってきたのか?」をセンサーで読み取って、子供が入った瞬間に、薬瓶とか薬箱にロックを掛けちゃう機能。
これは「いいね」と言われたそうです。
これが、マイクロソフトの問題です。
Googleとは全く発想が違うんですよ。
これも、クセがあるんです。
“宇宙船” と呼ばれている新しいAppleのビルの前にビジターセンターがあるんですけども。
僕が参加したのは、日本人が日本語で説明してくれる6人くらいのツアーだったんですけど。
Apple社内を日本語で説明された後、外に出ると、すごいフランクな若者たちが肩を抱かんばかりにして近づいてきて「見に来てくれたの? ありがとう! ほら、もっと奥に入りなよ!」とか、「こういうのあるよ!」って言ってくれたんですよ。
そして、入っていった本社の中にもAppleショップもあって、いろいろ売ってるんですけど。
全Apple社員がこんな感じなんですよね。
要するに “Apple愛” がすごいんですよ。
これは実際にあったAppleの入社試験の問題です。
ここで「9.11事件です」みたいな “世間にとっての大事件” を答えたら、もうダメなんですね。
そんなことを聞かれてるわけではないんですよ。
正しい答えとしては「iPodが発売されたことです!」とか、「ニューヨークにAppleショップ1号店が出来ました!」というものなんです。
対して、マイクロソフトは、創造性や協調性よりもマネージメントに近い管理能力、現実戦略として勝つための方法を現実化出来る、プロデューサー的な能力というのに、やや重きを置いている。
もちろん、創造性も協調性も欲しいでしょうけど、重きを置く場所が違うんですね。
そして、Appleが重きを置いている場所は、なによりも「Appleが好きであること」なんですね。
これは、それぞれの会社に、そうでなければいけない切実な理由というのがあるんですけど、それについては、もうちょっと後の方で話しましょう。
後半は「そもそも、なぜ、こんな変な入試問題が始まったのか?」という話をします。

これが大評判になったんですけど、これが全ての始まりだったんです。
この奇妙なビルボードから、全てが始まったという話をしていこうと思います。
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