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今回は、ニコ生ゼミ12月23日(#262)から、ハイライトをお届けいたします。
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「【『風の谷のナウシカ』のここに注目! 1 】 物語の舞台の風の谷を “ブラタモリ” 風に見てみよう」
その前に、予習として「こういうことを考えながら、テレビを見てみてください」と、「1月4日の放映前に、ちょっとここを考えて見てくれたら、もっと面白く見れるんじゃないかな?」という話をします。
「『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』というゲームを、クリアするだけじゃなく、単に世界を歩き回って楽しもう」という遊び方なんですけども。
高さ4~5mくらいの石造りの城壁があるんですけど、その城壁も、もう崩れてしまっていて、木で補強されただけになっている。
ここら辺は “クロチェリー平原” という、その昔、リンクとガーディアンたちが闘った場所なんですけど。
ここには、今、モンスターがいっぱいいる。
だから、関所の門も開けっ放しになっちゃってるんですね。
その昔は、ハテノ砦という関所があって、モンスターが入れないような人間だけの楽園になっていたはずなのに、この門は開けっ放しで、いつの間にか突破されている。
そういう “何もかもが終わった世界” なんですよね。
つまり、『ナウシカ』で言えば、主人公のナウシカと王蟲の群れが激突する、劇中でのクライマックスの事件の100年後、みたいなものなんですよ。
もう、ナウシカはいない。
この世界を救ってくれる主はいない。
そして、人類はゆっくり滅亡していく。
そんな世界の描き方が『ゼルダ』なんですね。
つまり、『ナウシカ』の後の100年後の世界というのを描いたところが『ゼルダ』の面白いところであって、『ゼルダ』というのが、日本人のファンタジーの系譜として、『ナウシカ』を継ぐものになっているという関係が面白いなと思ったんですけど。
こういう情報はゲームを攻略する上ではあんまり関係ないから、スーッとスルーしちゃうところなんですけど。そこをとことんこだわって聞いて、考えてみたら、実はその奥に膨大な世界が埋まっているのがわかるんです。
「その土地の地形とか歴史を頭に浮かべながらブラっと歩いて、普通に見える坂とか普通に見える交差点を面白がる」という番組なんですけど。
そういう城下町に設定されているところに面白さがある、という話をしたんですけど。
城よりちょっと小さいか、同じくらいのサイズの城下町をワンセットで設定したところが、『カリオストロ』の見どころだと思います。
というのも、この城下町というのは、城に直接繋がっているんですよ。
じゃあ、なぜこんなのが必要だったのかというと、かつては、この国の騎士階級が、ここで住んで、王のために仕えていた場所だったはずだから、なんですね。
騎士階級が王宮の近くに控えていて、その騎士階級の人たちにサービスするための民間人の家とか酒屋とか、そういうものがあった。
ところが、カリオストロ公国では、今や、そういった騎士階級が滅びてしまっている。
その結果、王族しか残っていないんです。
かつての騎士階級で、王家を支えていた者たちは、王宮の中に入り込んでいて、ジョドーのように執事として仕えながら、なんとかカリオストロ公国が独立国であるのを守っている。
そういう悪いことにも手を染めて、カリオストロの国を、なんとか存続させようとしている。
そういう事情が、この城下町の形からもわかるところが面白いんです。
つまり、“ブラナウシカ” というのをやろうというのが、来年の1発目の企画の試みです。
まあ、風車があるから風の谷なんですけども。
僕ら、オランダに風車があるもんだから「ヨーロッパにはどこにでも風車があるもんだ」って考えちゃうじゃないですか。
違うんですよね。
ヨーロッパの風車っていうのは、すごく特殊なんです。
実は、ヨーロッパには、風車の歴史があまりない、というか、昔のヨーロッパに於いて風車を作れる人というのは専門職であり、もう魔法使い扱いだったんですね。
もちろん、ヨーロッパの中にも、風車を作れる人がいたんですけども。
それは、いわゆる石造りの城を建てれる “石工” と同じように、本当に限られていて。
そんな秘密結社のような一部の人達だけが風車を作れるという、今でいうと、核兵器とかロケット技術者みたいなもんで、秘密の技術扱いだったんです。
この風の谷には、独特の地形、独特の風土、あと独特の歴史があるんですけども。これが、風使いの一族、ナウシカの一族を生んだんです。
“風使い” という職業、職能のトップに立っているジルの跡取りであって、おまけに風の谷一の風使いだから偉いんですよ。
だから、皆に尊敬されているんですね。
映画の中では寝たきりの、もう登場シーンから寝ていて、もう身体が動かなくなっているナウシカのお父ちゃん、族長ジルも、数年前までは、メーヴェに乗ってたんです。
1年半前にユパ様が来た時はちゃんと歩いてたのに、腐海の毒があっという間に回ってしまったのでしょう。
それが、1年半くらいでぱったり倒れて寝たきりになる。そういう風土病があるような土地でもあるんです。
人口500人しかいないのに、やたらとデカい城が中央にある。
「あれは何なんだろう?」と。
次に、ユパが来た時も、ペジテの船が不時着した時にも、あっという間に村人たちが城に集まってくる。
「なぜ、この谷のみんなは村の中に点在して住んでいるのではなく、何かというと城の中に来るんだろう?」と。
それもね、ちゃんとアニメを見ればわかるように出来ているところが、僕、ナウシカのすごいところだと思うんですけども。
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