━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2019/02/14
───────────────────────────────────
今回は、ニコ生ゼミ02月3日(#267)から、ハイライトをお届けいたします。

動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!

─────────────────────────────

 【『ユーチューバーが消滅する未来』を生き抜くには? 2 】 目的を“動詞”に変えてコントロールする


 c13a5c37e81d0b96ee5507af52d30eb3c0e44ae1

 前回の放送でもちょっと話したように、ホリエモンとかキングコングの西野くんは、この未来格差というのをすごく意識しているんですね。

 なぜかというと……これは前回、話さなかったことなんですけども、これは明らかに、それぞれキングコングの西野くんにもホリエモンにも “不幸” があったからですよね。

 だから、未来に対する感性が豊かなんです。


 ホリエモンなんて、逮捕されて刑務所に1年半も放り込まれたんですよ?

 これによって、それまで蓄えていた生きていくための基盤とでもいうような、ビジネスのネットワークというのを、ほとんど全て失ったわけですね。


 キングコングの西野くんは『はねるのトびら』が打ち切りにあって、「芸人としてもう終わった」と認定されたんですね。

 この終わった認定されていた当時のキングコングをルミネでちょっと見たことがあるんですけども、西野くんがやたら早口で漫才するだけで、逃げるように舞台の袖へ帰っていくような漫才で「これは、こいつらもうダメだわ」って、失礼ながら、その時には思ったんですね。


 僕にしても、西暦2000年から2003年くらいまでの4年間、全く本が売れなかったんですよ。

 この時期は、たぶん、僕の人生の中で最悪の時期で、生涯であんなに苦しかったことはないです。

 なぜかというと、どうしていいのか全く思いつかなかったからです。

 だって、何をしても売れないんですもん。


 どんな本を書いても売れない。

 本を書くしか能がないのに、何を書いても全く売れないんですよ。

 これはね、本当にシンドかったんですよね。

・・・

 その時に、それぞれみんな、得るわけです。すごい苦しい時に、みんな得るんですけど。

 僕が得たのは「 “売れる” というのは受動態だ」という気付きだったんですね。


 「何か面白いことを書く」というのは動詞、能動態なんですよ。

 だから、自分の意思で行えるんですけど、「面白がられる」とか「売れる」とか「ウケる」というのは、人任せで、コントロールできない受動態なんですよ。


 たとえば「小説家になりたい」と言う人がいるんですけど、この「小説家になる」というのも、実は受動態なんですね。

 なので、それを動詞に変換する。

 「小説を書く」、「書いた小説を持ち込む」、「投稿する」という動詞にすると、ようやっと、人任せではない、他人にコントロールされないことになる。


 つまり、「小説家になりたい」と思う時というのは、ついつい「誰かに見出してもらう」というふうに発想になるんですけど、「小説を書きたい」、「書いたらどこかに持ち込みたい」、「どこかに投稿したい」になると、問題は全部自分のアクションのみになってくる。

 そうなると、最終的に「賞を受賞するかどうか」という部分だけが、他人のコントロールになるんですよ。


 他人のコントロールというのは完全にゼロにすることは出来ないんだけど、そんな中でも、自分でコントロール出来ることを出来るだけ増やすことが「〇〇になる」ということに一番近いんですね。

 だから、漫画家でも小説家でも何でも同じなんですけど、「〇〇になりたい!」と思っている人は、それを出来るだけ動詞に転換するようにしてください。

 ちょっとここら辺、熱くて面倒な話をしてますけども。

・・・

 これは、誰でも同じだと思います。

 このコントロール出来ない状況、たとえば西野くんだったら「テレビに呼んで貰う」とか、「面白おかしくイジって貰う」みたいなことは、コントロール出来ないから、出来るだけコントロール可能なことを増やすために、いろんな事を始めるわけですね。

 その結果、ホリエモンというのは、オンラインサロンを始めたし、西野くんは最初1人で舞台を始めて、それのチケットも自分で売るという、全て自分のコントロール下に置こうとしたんです。


 もちろん、これをすることで、規模は小さくなるんですよ。

 それまでは「ライブドアだ! 野球のチームを買収する!」と言っていたホリエモンは、あっという間にビジネススケールがすごい小さくなってしまったし。

 西野くんにしても『はねるのトびら』というテレビ番組で大人気で、もう本当に視聴率何十パーセントも取っていたような人間が、いきなり自分の1人舞台のチケットを手売りで売ってるから、他所から見たら、すごい小さくなったように見えるんです。

 ところが、それらは全て “自分がコントロールできるパーツ” で出来てるんですね。

 これが生き残るコツなんですよ。

・・・

 僕自身も何をやったのかというと、2000年から2003年までの反省をベースに、出来るだけ他人が関与するような仕事というのを削っていって、自分だけで100%出来る、まあ具体的にいえば、今やっているニコ生とかYouTubeの仕事に、ものすごい注力していったわけですね。

 そういうふうにやっていくと、やっぱり、ニコ生とかYouTubeの何がいいかって、「出版社の偉い人がOKを出して~」みたいな “編集会議” がないんですよ。


 たとえば、これがテレビの番組だったら、今日、僕が「『メリー・ポピンズ』の話をします」って言ったら、まず、企画会議を通さなきゃいけないわけですね。

 いろんなところにOKを貰って、外注さんに映像の発注とかをして、フリップの発注とかもするんですけど。

 そんなことをやってたら、面白いことなんて出来ないわけですね。


 思いついた楽しいことをすぐにやりたいのに、なんで他人の許可が、それもろくに企画のこともわかってないようなヤツらの許可が必要なのか?(笑)

 そういうふうに、テレビのようなメディアだと、時間とか枠に囚われちゃうんだけど、ニコ生やYouTubeなら、何を話すのか自由。

 なので僕は、ここの部分だけコントロールしようとしました。

 つまり「どんなネタで何を喋るのか?」という、この部分だけでも、全て自分のコントロール下に置こうとしたんですね。

・・・

 本を書くというのも、さっきも話した通り、何よりも本を書く前に、その本の内容に関して企画会議でOKを貰わなきゃいけないんですよ。

 企画会議でOKを貰わないと、本を書いても無駄になってしまう。

 使って貰えないんですね。

 ここがコントロールできなかったんですけど。


 しかし、今のように「ニコ生とかYouTube用に何を語るのか?」という部分だけに集中させて貰えた結果、僕の場合は、単純に考えて単行本を書いている時よりも、今、皆さんに僕の考えとか感じていることを伝える効率においては、10倍から100倍くらいに増えているんですね。

 観客数で言っても、それくらいになっています。

 今、ニコ生とかYouTubeを見てくれている人というのは、かつて僕の本を読んでくれた人の10倍から100倍くらいの人数がいるんですけど、そういう皆さんにリーチする、手が届くようになって、こちらが考えていることを伝えられるようになりました。

 これは「売れる」ではなく、「好きなことを話す」という動詞形に切り替えたからなんですね。

───────────────────────────────────

動画や全文が気になった方、【ブロマガチャンネル】メルマガ専用 岡田斗司夫アーカイブ(月額2,160円)のご入会はこちらから!
───────────────────────────────────

いかがでしたか?

「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。

番組内で取り扱う質問はコチラまで!

よい質問は、よい回答にまさる、と言われます。
みなさんの質問で、僕も予想外の発想ができることも多いです。
だから僕は、質疑応答が大好きです。

みなさんからの様々な質問をお待ちしています

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
企画編集:のぞき見のミホコ(FREEex)
     ヤムアキ
     起こしのヤスタカ(FREEex)
     マグネシウムのタツヤ(FREEex)

───────────────────────────────────


岡田斗司夫
and
Special Thanks To読者のあなた
───────────────────────────────────
Copyright(C) OkadaToshio. All Rights Reserved.
───────────────────────────────────
■お問い合わせ
有料メルマガの購読、課金、メール未達に関するお問い合わせは、
『ニコニコヘルプ』のページよりお願いします>http://qa.nicovideo.jp/category/show/501