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「【ガンダム講座 第 9 回】 シャアにとって、ガルマの本当の魅力とは?」
先週は、シャアが士官学校に入って、ガルマ・ザビと出会うという話でした。
もう、運動から軍事教練から勉強から、何から何まで最優秀のシャア・アズナブルに対して、今、ジオンを支配しているザビ家の末息子のガルマ・ザビは、もうコンプレックスしか感じないわけですね。
この一件でシャアと親しくなったガルマは、いきなり士官学校の宿舎でもシャアと同室に引っ越してきます。
それまでも、シャアのルームメイトはいたんですけど、そいつを追い出して無理やり同室になるんですよ。
そのあまりの無邪気さに、シャアは思わず笑っちゃうわけです。
さっきも言った通り、シャアは延々と内面を見せないので、たとえば「ここで優しくして売り込んでおけば、後々、出世できて便利だ」とか、「こいつに取り入るために、友情のあるフリを見せておこう」と解釈することも出来ます。
翌日の朝、ガルマが起きて自分の肩にかかった毛布に気がついてシャアに「ありがとう!」と言うと、「いや、君は僕の大事な友人なんだから当然だよ」みたいなセリフを返して、その後シャアがニヤリとほくそ笑むというようなシーンを入れるはずなんです。
そこまでして初めて、そういう描写が完結するわけですね。
この時に、そういった過ちが発生しているわけですね。
ガルマ・ザビという、この甘ったれのお坊ちゃんは、それゆえに自分の弱みを他人に見せられるんです。
だけど、シャア自身がやりたかった「大人に対して本音で喋る」ということを、ガルマはどんどんやっちゃう。
ドズルが「ガルマはいずれ俺を超える~」と言ってるのも、人間個人としての才能の話ではなくて、もっと大きい可能性というのをガルマに対して感じているわけですね。
でもやっぱり、まだまだ描き足りない部分がある。
今回の『THE ORIGIN』でも、ここまでやってるんですけど、やっぱりなかなか伝わらないわけですね。
逆に、優れていない人には、ガルマは「単なる甘ったれた坊っちゃん」というふうに見えちゃうんですね。
ここは、後にテレビ版の12話「ジオンの脅威」の、「坊やだからさ……」と見比べてみると面白いかもしれません。
これについては、このガンダム講座の中でも、また取り上げようと思います。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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