8月16日の金曜日に金曜ロードショーで『千と千尋の神隠し』をやるんですけども、ちょうど僕はそのタイミングでアメリカに行ってるので、『千と千尋~』の話が出来ないんですよね。
なので、今のうちに『千と千尋~』の都市伝説の話をしたいと思います。
といっても、よくあるタイプの都市伝説って、僕はキライなんですよ。
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たとえば千尋が電車に乗って 銭婆(ぜにーば)の所に行くシーンがありますよね。
その電車の駅で女の子の影が見えると。
それで「駅で立っている女の子が『火垂るの墓』の節子だ」とか、そういう説がありますよね。
これね、僕はこういうのがイヤなんで。
こういうのは絶対に無いと思うんですよね。
なんでかっていうと、宮崎駿っていうのは、そういう程度の低い遊びってやらないんですよ。
“作家のクセ” っていうのがあって、宮崎駿がやる遊びっていうのは、もうちょっと回りくどい。
「高畑勲のアニメに出てきたキャラクターを、ちょっと自分の作品の中に出して遊ぼう」みたいな事は、まず考えないんですよね。
そういうのを一番イヤがる人だから。
なので、この「『火垂るの墓』の節子がいる」っていう話は、「どちらかというと、そういうふうに見える」ってことを無理やり言ってるんだな と、僕なんかは思っちゃうんですね。
あと一番最初の冒頭のシーン。
アウディをガーッと飛ばして、トンネルのある所で急に止まって、「こんな所にトンネルがあるんだ。 中に入ってみよう。」っていうシーン。
あのシーンで、実はすでにあの自動車は事故にあっていて、両親は死んでいて、千尋は臨死体験をしているって話。
「アニメ全体が千尋の臨死体験だ」っていうような都市伝説もあるんですけども、それもやっぱり僕なんかは「無い無い!」って思うんですよ。
なんでかっていうと、宮崎駿は、映画を作る前も、作ってる最中も、ハッキリと「10歳の女の子に見せる為のアニメを作ってる」って言ってるんですね。
「でも『千と千尋の神隠し』は作るのに3年も4年もかかってしまったから、一番見せたかった10歳の女の子は、もうアニメが完成した時には14、5歳になっていて、見せるべき対象ではなくなってしまった」と。
「この辺、切ないですよね」というふうに語っているんですよ。
だから、そういう回りくどいストーリーの持って行き方とかをやっても、誰の得にもならない。
なので、こういう「実は『千と千尋の神隠し』は、千尋の臨死体験だった」というウワサは、「実はアポロ11号の月着陸は無かった」と同じようなもの(笑)。
何を見ても そういうふうに見たい人の為の遊びだから、ちょっとほうっておこうと思っています。
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あとは『千と千尋~』に出てくる油屋。
いわゆる舞台となっている風呂屋ですね。
あれが実は風俗だという話がよくあります。
働いている女の人はみんな胸元をはだけてるし、場所もお風呂で、来た神様達を慰めてあげるという。
この辺ですよね。
何よりも監督の 宮崎駿 自身がインタビューで「風俗みたいなもんです」ってハッキリ言っちゃってるし。
昔、僕もこの“油屋=風俗”説っていうのは、ありだと思ってたんですね。
多分、ニコ生ゼミでも言った事があると思います。
でもね、今になって『千と千尋の神隠しを』ちゃんと語る為に一から考えたら、やっぱりこれは違うと思うんですね。
『千と千尋~』の特集をニコ生ゼミでやる時に言いますけども、あの風俗っぽく見せているのは、いわゆる宮崎駿が本来の客層にしている “10歳の女の子” ではない大人とか評論家が見た時にミスリードをするため。
「こちら側の話だ」とミスリードする為に、あえて作った仕掛けだというふうに僕には見てるんですけども。
まぁ、これは9月以降のニコ生ゼミ『千と千尋の神隠し』特集で話しますから、ちょっと待っていてください。
コメント
コメントを書くああそうか。あれは風俗だったんだ。だとしたら女たちも皆活き活きとしていて良い風俗だ。
何でも白黒はっきりさせる奴って頭悪いと思うわ
「風俗です」ではなく、風俗「みたいなもの」ですだぞ
風俗そのものじゃねーよ
程度の低い遊びとか孤高ですねwww
程度の低い人たちのアニメの方みますわwww
頑張れ孤高の人達www
こう言う都市伝説とか殆ど当てはまらないから下らな過ぎて呆れるわなw
その噂を言っている人のただの妄想ww
見て自分がそう感じたのならそれでいいよと言うだけw
宮崎駿監督が認められておるとは・・・orz