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岡田斗司夫のニコ生では言えない話 第29号 2013/4/22
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【今週のコンテンツ】岡田斗司夫はいかにして富野由悠季の弟子になったか
【今週の書き起こし】ひとり夜話ex「富野由悠季を語る。」前半
【岡田斗司夫なう。】岡田斗司夫がガンダム芸人にガンダムを講義
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◆【今週のコンテンツ】岡田斗司夫はいかにして富野由悠季の弟子になったか
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はじめまして、奇人変人研究がライフワークの秘書室のケイゴと申します。
自らを「2000の男」と言い切る不遜な男、岡田斗司夫が、師と仰ぐ数少ない人物が富野由悠季監督。
少し前の話となりますが、2010年11月に大阪で富野監督の講演があると聞きつけた岡田は、大阪まで講演を聞きに行くのみならず、講演直後にその解説イベントを企画します。どう考えても完全な便乗イベントですが、それが今回のコンテンツ、岡田斗司夫のひとり夜話exです。
富野監督の話を面白おかしく解説する岡田の話も面白いのですが、富野監督と岡田の関係は、もう一人の師匠、内田樹のいう「学び」のための「師匠と弟子」の関係である点を踏まえて読むとより楽しめるのではないでしょうか。
それでは、ハイライトをどうぞ。
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あと、面白かったのがですね、「サブカルチャーのバブル」という言葉を富野さんが使う、これも面白かった。
そんなふうにおっしゃってはいないんですけど、たぶん、これが富野さんの「オタクの定義」なんです。
オタクっていうのは何かっていうと……日本にはバブルが二つあった。1980代と90年代。
一つ目は“経済のバブル”でそれは僕たちの社会にいまだに尾を引いて被害を起こしている。被害と言ったら悪いことだけに聞こえるかもわかんない。
僕たちは豊かさを経験することによって色んなものが見えるようになったんだけども、やっぱりそこで「儲けなければいけないような気がする」とか、「お金がなければ幸せになれない気がする」とか、あとは農業から急激に人が引いてるとか、色んな被害を受けたはず。それがバブル経済の被害です。
同じように「“サブ・カルチャーのバブル”もあったのではないか それが“オタク”なのではないのか」ていうふうに、おそらく富野さんは考えています。
それについて、僕は楽屋では聞けなかったんですね。
聞けないのには理由があって。あの、富野さんの講演を聞きたかったのは純粋に「聞きたかった」だけであって、終わった後で楽屋に入れたのはほんとに偶然だったんですね。
富野さんの知り合いにたまたま会って、で「中入りますか」って言われて、ご挨拶してってことで。
僕はあんまりそこで“答え合わせ”したくなかったんですね。
っていうのも、昔、僕が富野由悠季さんに初めて会った時に、「僕、ガンダムが大好きです」って言ったら、富野さんは間髪入れず「あなたはガンダムなんかが大好きなの 僕はガンダムなんか大嫌い」ていうふうにですね……まあ、あの、いまも時々出てくる“オネエ喋り”です笑 それでビシっと返されてですね。
で、その時に「この人なんなんだろう」って思った疑問がいまだに僕の中でずっと続いている。これが「富野由悠季をわかりたい」っていう原動力なんです。その時から僕は勝手に「俺は富野由悠季の弟子だ」っていうふうに自分自身に言ってるんですけど。今日も、まあ、本人の前で「いや僕はあなたの弟子ですから」って言って。
僕は昔、富野さんにそういうふうに言われて、「この人なんでこんなこと言うんだろう」って。「もし強がっているんだとしたら、なんで僕みたいな若造の前で強がらなきゃいえないんだろう なんでこの人はこんなに“ねじれちゃってる”んだろう」っていうのが謎で。
その謎っていうのを解き明かすでもなく、本人から教えてもらうのではなく、僕は勝手に解釈して。「あ、富野さんてこういう人なんだ」イコール「人間てこうなんだ」イコール「ガンダムってこうやって作られているんだ」イコール「人間にとって物語とは何なんだ」……っていうふうに、富野さんを起点に色んなものが解きほぐれていく。
これが“師匠と弟子の関係”だと思ってるんですね。
なので、あんまり答え合わせみたいなことはしたくなかったんですけども。
富野さんが一生懸命言っている「中国がいますごいんだ」「そしてそのすごいっていうのは何かとんでもないことで、僕たちにとっては怖いことなんだ」っていうのを、「富野さん、それはかつての日本のトリニトロンテレビがアメリカに与えた衝撃みたいな話ですか」て言ったら、「それそれそれ」って楽屋で言われた。
だから、「俺は答え合わせができて、おまけに富野さんは今後、講演する時にこの言葉を使ったら楽だろうなあ」っていう。お互いにいい取引きだったんです笑
そういうことがあるんで、あんまり答え合わせしたくないんです。話はズレますけど。
だから、講演とかでですね、よく質疑応答をするんですけど……あとで質疑応答大会やるから、こんな話をしたらやりにくくなるかもわかんないんですけども。質問っていうのは、「自分に対する質問だ」と思ったほうがいいですね。
「これを聞きたいんですけど」と聞く時っていうのは、前に立っている人が答えてくれるんではなくて。
前に立っている人が、なんだろうなあ “ヒント”みたいなものをくれるから。「それを元にして、5年がかりか10年がかりで自分で答えを見つければいい」っていうぐらいの考え方が一番楽しいと思います。
ごめんなさい、ちょっと話が横に流れました。
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