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岡田斗司夫のニコ生では言えない話 第42号 2013/7/22
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【今週のコンテンツ】ソフトバンクの孫社長は、SF読まないからダメなんだ
【今週の書き起こし】岡田斗司夫のSFの読み方「ドラッカーよりもハインラインを読め!」パート1
【岡田斗司夫なう。】岡田斗司夫が語る『宮崎駿を「老害」と言ってはいけない理由』
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◆【今週のコンテンツ】ソフトバンクの孫社長は、SF読まないからダメなんだ
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岡田斗司夫のSFの読み方「ドラッカーよりもハインラインを読め!」
http://go.otaking-ex.com/SvoVatCL
は、岡田斗司夫ブロマガチャンネルの動画の中で、なんと再生回数1位! です。
その人気コンテンツをお届けします。まだ動画を見てない方はそちらも是非。
小学校の時からずっとSFの読者だった岡田斗司夫が、昔からいちばんやりたかった、という『SF読書会』がついに実現したのが、2012年9月15日(土)。
30年間あこがれつづけた読書会というだけあって、導入部分から“やる気満々”、独特な岡田SF史観に圧倒されます。
SF小説を変えたものは何だったのか、「スターウォーズ」の歴史的意義とは、そしてなぜ今こそ「SFを読め」なのか……
ご挨拶が遅れました。はじめまして! “SF初心者”な読書のミホがお届けします。一緒に学んでいきましょう。
************************************
“SFとは何か” …… あまり言ってもしょうがないんですね。
“ロックとは何か”と同じで。人によって差がある。
SFっていうのは、1920年ぐらいから発生しはじめて、おそらく1950年代に大爆発した文学形式、なんですね。
なんでこんな変な時期に大爆発したのかっていうと、第二次世界大戦が原因です。
2回の世界大戦を経て、科学・技術がいかに僕らの生活を根本的に変えてしまったか。
つまり、戦争っていうのは科学・技術のショーケースでもあったんですね。
科学技術が人類の未来を切り開く、または人類を滅ぼす、という、大きな時代背景がありました。
このあと、1960年代70年代は、世界史としては“疑いの時代”です。
東西冷戦が激化して、ベトナム戦争が泥沼化して、科学技術といってもろくなことないよ、それよりはドラッグとロックとセックスで幸せになろうよ、みたいな運動が世界中で花開いた時代です。
こうなると、SFは変質せざるをえなくなる。
この時代までのティラノサウルス的な、つまり科学がどんどん進歩してこの世界はガンガン変わるぜ、っていう“大型恐竜の時代”から、徐々に徐々に、“ほ乳類の時代”っぽくなってきたわけですね。
SFというもの自体が、人間の内面を描いたり、社会の変化を描くようになってきた。
ところが1970年末、80年代に入る頃に、「スターウォーズ」が出てきてしまった。
「スターウォーズ」というのは、1本の映画であると同時に、アメリカのポップカルチャー、現代文化というものを根本的に変えてしまったものなんです。
戦争に行けば誰しもが傷つくんだ、とか、アメリカの若者はどこにも居場所がないんだ、とか、そういうブルーな世界観の中に、とりあえず「大宇宙があります」「青年が冒険します」「悪いやつは黒い服着てます」(会場笑)っていう、めちゃくちゃ単純な世界観を持ち込んだんですね。
これが大ヒットしたんですよ。
ここでようやく、アメリカのポップカルチャーは心を切り替えた。
“そうか、分かった! 人間の邪悪さとか、人生のしんどさとか、そういうものはもう、現実で人間は知ってるんだ”と。
輝く未来があったから暗い未来が売りになった時代から、暗い現実があるから輝く未来が売りになるという時代がやってきた。
これでSF小説も変わっちゃったんです。
それくらいアメリカ人っていうのは、“人間の内面”とか“科学による未来”というものに疲れ果ててたんですね。
かつてはビジネスチャンスであり、僕らの社会を内面を本当に明日変えてくれるかもしれない、“テクノロジー未来”というものを、単純なお話を見せるための“単なる舞台設定”として考えるようになった。
これが「スターウォーズ」を中心とした、スペースオペラブームの本質です。
僕らがいま知っているSFは、すべてこの末裔なんですね。
――さて、ここまでが80年代のSFの流れです。ここから先はですね、サイバーパンクというSFがはやり始めます。ついに未来が僕らの世界に追いついちゃったんですね。
ネット社会というものが僕らをどういうふうに変えていくのか。
ネット社会によって生まれてきたSFというのは、もうなにがなんだかわからないんですね。この社会というのはネットによって繋がれてるんだけども、それが人間の頭の中に繋がったらどうなるのかわかんない、家族関係もどうなるかわかんない。
もし本当に、ソフトバンクの孫社長が言うように、携帯電話の未来というのが、5年後、10年後ぐらいに、人間の頭の中で、テレパシーを使うように会話するようになったら……?
スターウォーズの時代から30年経って、ソフトバンクのCMで、僕ちょっと「だからSF読まないやつは駄目だな」と思ったんですけれども。
「人間の考えてることがすぐに他人に伝わるから、ビジネスチャンスも豊富になります」というんですけど、そうなっちゃったら、僕らは果たして他人を必要とするんだろうか? 本当に恋愛というものを必要とするんだろうか?
完全な他人の記憶を自分がもう一回再現するようになったら、果たして家から一歩でも出たいと思うんだろうか……?
この時代のSFでさんざん書かれたような社会未来像の予想みたいなものが、いま現実になりつつあるんです。
ところが、いろんな起業家、もしくは社会活動している人たちにそういう視点がないんですね。なぜなら、そういうSF読んでないから。
でも、SFファンだったら、侵略されたら果たしてどうなるのかというほうに発想が行くんですね。宇宙人が地球に攻めて来るとしたら、彼らの政治形態がどういうふうになってるのか、気になる。そちらのほうが優れてるんだったら、僕らは民主主義を捨てて、そっちの新しい宇宙人の政治形態を考えてもいいんじゃないか、そんなふうに考えるのはSFファンなんです。
――では、ここまでが、すみません、“前説”でありましてですね(笑)
ここから、岡田斗司夫がお勧めするSF小説というのを話したいと思います。前フリ長い(会場笑)
岡田斗司夫のニコ生では言えない話 第42号 2013/7/22
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【今週のコンテンツ】ソフトバンクの孫社長は、SF読まないからダメなんだ
【今週の書き起こし】岡田斗司夫のSFの読み方「ドラッカーよりもハインラインを読め!」パート1
【岡田斗司夫なう。】岡田斗司夫が語る『宮崎駿を「老害」と言ってはいけない理由』
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岡田斗司夫のSFの読み方「ドラッカーよりもハインラインを読め!」
http://go.otaking-ex.com/SvoVatCL
は、岡田斗司夫ブロマガチャンネルの動画の中で、なんと再生回数1位! です。
その人気コンテンツをお届けします。まだ動画を見てない方はそちらも是非。
小学校の時からずっとSFの読者だった岡田斗司夫が、昔からいちばんやりたかった、という『SF読書会』がついに実現したのが、2012年9月15日(土)。
30年間あこがれつづけた読書会というだけあって、導入部分から“やる気満々”、独特な岡田SF史観に圧倒されます。
SF小説を変えたものは何だったのか、「スターウォーズ」の歴史的意義とは、そしてなぜ今こそ「SFを読め」なのか……
ご挨拶が遅れました。はじめまして! “SF初心者”な読書のミホがお届けします。一緒に学んでいきましょう。
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“SFとは何か” …… あまり言ってもしょうがないんですね。
“ロックとは何か”と同じで。人によって差がある。
SFっていうのは、1920年ぐらいから発生しはじめて、おそらく1950年代に大爆発した文学形式、なんですね。
なんでこんな変な時期に大爆発したのかっていうと、第二次世界大戦が原因です。
2回の世界大戦を経て、科学・技術がいかに僕らの生活を根本的に変えてしまったか。
つまり、戦争っていうのは科学・技術のショーケースでもあったんですね。
科学技術が人類の未来を切り開く、または人類を滅ぼす、という、大きな時代背景がありました。
このあと、1960年代70年代は、世界史としては“疑いの時代”です。
東西冷戦が激化して、ベトナム戦争が泥沼化して、科学技術といってもろくなことないよ、それよりはドラッグとロックとセックスで幸せになろうよ、みたいな運動が世界中で花開いた時代です。
こうなると、SFは変質せざるをえなくなる。
この時代までのティラノサウルス的な、つまり科学がどんどん進歩してこの世界はガンガン変わるぜ、っていう“大型恐竜の時代”から、徐々に徐々に、“ほ乳類の時代”っぽくなってきたわけですね。
SFというもの自体が、人間の内面を描いたり、社会の変化を描くようになってきた。
ところが1970年末、80年代に入る頃に、「スターウォーズ」が出てきてしまった。
「スターウォーズ」というのは、1本の映画であると同時に、アメリカのポップカルチャー、現代文化というものを根本的に変えてしまったものなんです。
戦争に行けば誰しもが傷つくんだ、とか、アメリカの若者はどこにも居場所がないんだ、とか、そういうブルーな世界観の中に、とりあえず「大宇宙があります」「青年が冒険します」「悪いやつは黒い服着てます」(会場笑)っていう、めちゃくちゃ単純な世界観を持ち込んだんですね。
これが大ヒットしたんですよ。
ここでようやく、アメリカのポップカルチャーは心を切り替えた。
“そうか、分かった! 人間の邪悪さとか、人生のしんどさとか、そういうものはもう、現実で人間は知ってるんだ”と。
輝く未来があったから暗い未来が売りになった時代から、暗い現実があるから輝く未来が売りになるという時代がやってきた。
これでSF小説も変わっちゃったんです。
それくらいアメリカ人っていうのは、“人間の内面”とか“科学による未来”というものに疲れ果ててたんですね。
かつてはビジネスチャンスであり、僕らの社会を内面を本当に明日変えてくれるかもしれない、“テクノロジー未来”というものを、単純なお話を見せるための“単なる舞台設定”として考えるようになった。
これが「スターウォーズ」を中心とした、スペースオペラブームの本質です。
僕らがいま知っているSFは、すべてこの末裔なんですね。
――さて、ここまでが80年代のSFの流れです。ここから先はですね、サイバーパンクというSFがはやり始めます。ついに未来が僕らの世界に追いついちゃったんですね。
ネット社会というものが僕らをどういうふうに変えていくのか。
ネット社会によって生まれてきたSFというのは、もうなにがなんだかわからないんですね。この社会というのはネットによって繋がれてるんだけども、それが人間の頭の中に繋がったらどうなるのかわかんない、家族関係もどうなるかわかんない。
もし本当に、ソフトバンクの孫社長が言うように、携帯電話の未来というのが、5年後、10年後ぐらいに、人間の頭の中で、テレパシーを使うように会話するようになったら……?
スターウォーズの時代から30年経って、ソフトバンクのCMで、僕ちょっと「だからSF読まないやつは駄目だな」と思ったんですけれども。
「人間の考えてることがすぐに他人に伝わるから、ビジネスチャンスも豊富になります」というんですけど、そうなっちゃったら、僕らは果たして他人を必要とするんだろうか? 本当に恋愛というものを必要とするんだろうか?
完全な他人の記憶を自分がもう一回再現するようになったら、果たして家から一歩でも出たいと思うんだろうか……?
この時代のSFでさんざん書かれたような社会未来像の予想みたいなものが、いま現実になりつつあるんです。
ところが、いろんな起業家、もしくは社会活動している人たちにそういう視点がないんですね。なぜなら、そういうSF読んでないから。
でも、SFファンだったら、侵略されたら果たしてどうなるのかというほうに発想が行くんですね。宇宙人が地球に攻めて来るとしたら、彼らの政治形態がどういうふうになってるのか、気になる。そちらのほうが優れてるんだったら、僕らは民主主義を捨てて、そっちの新しい宇宙人の政治形態を考えてもいいんじゃないか、そんなふうに考えるのはSFファンなんです。
――では、ここまでが、すみません、“前説”でありましてですね(笑)
ここから、岡田斗司夫がお勧めするSF小説というのを話したいと思います。前フリ長い(会場笑)
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