萌えアニメとBLの共通点とは?
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おはよう! 岡田斗司夫です。
先月のニコ生で「劇場版まどかマギカ」というアニメについて話したときに
【萌えアニメの分類】
について語りました。
この分類は僕のオリジナルではなく、ライター安田理央さんのブログ
40代からのオタク入門 第1回
“おじさんには居場所がない!”――『まどか☆マギカ』にハマれなかった理由
http://goo.gl/a4GQ3h
からの引用です。
「アニメの師匠であるtag(田口こくまろ)さんは、萌えアニメを
1.「主人公が複数の可愛い女の子にモテモテになるいわゆるハーレムものや落ちもの(注:空からヒロインが落ちてきた)」
2.「エロコメ(ハーレムものの一種だがよりエロい)」
3.「かわいい女の子がキャッキャしてるのをニヤニヤ眺めるもの」
4.「ピュアすぎてほとんど白痴の女の子たちが重病になったり死んだりするところを泣きながら見るもの」
の4カテゴリーに分類して解説してくれました。」
このカテゴリー分けを紹介するのは、正直やや勇気が要りました。
でもニコ生視聴者たちは理知的に受けとめてくれて
「この分類、納得できる」
「萌えの定義はこれでいいんじゃない?」
というう意見が続出したのです。
こういう評論に興味のある人は、ぜひ上記の安田さんのブログにアクセスしてください。
第2回以降も、かなり面白く知的な考察が続いています。
で、僕自身は「なぜ萌えアニメを見る喜びを、マニアの人たちと共有できないか?」がはっきりわかった気がします。
僕には上記カテゴリの1.と2.は楽しめるんですが、3.と4.を楽しむ回路が存在しません。
そしてほとんどの萌えアニメや萌え作品は、単純なカテゴリーではなく、上記1.~4.をすべて含んでいます。
なので3.や4.の要素が見えた瞬間に、僕は冷めてしまうんですよね。
このカテゴリー分類、僕は部外者ですが実はBLも同じ構造じゃないでしょうか?
BLとはボーイズラブの省略形で、Wikipediaによると以下の定義になります。
「ボーイズラブ(和製英語)とは、日本における男性の同性愛を題材とした小説や漫画などのジャンルのこと。」
このBL作品を読んでいると,時として登場キャラの思考についていけなくなるときがあります。
超エリートで知能指数150を超える頭の良いはずのイケメンが、ありえないこだわりを恋愛や人間関係にもっていたりする。
しかしこれも、カテゴリー4の
4.「ピュアすぎてほとんど白痴の女の子たちが重病になったり死んだりするところを泣きながら見るもの」
と思って解釈すると納得できます。
ピュア=理性が働かず論理的な行動ができない、という解釈なんですね。
劇場版「まどかマギカ」では、中心キャラの「ほむら」が、やはりピュアすぎました。
悪い言い方になりますが
「動機に共感するには,見ている側の知能指数を思い切って下げる視点が必要」
になります。
これはまどマギだけの弱点ではなく、エヴァ(テレビ版も劇場版も)にも共通の特徴です。
「あえて自分の視点を下げることができた」人には無条件で感動できて、
「視点を下げるのに失敗した」人は、条件付きで誉めたり、感動できなかったりする。
こういう構造じゃないのかなぁ。
お祭りやイベントを楽しむには、「バカになれる」ことが絶対に必要です。
ディズニーランドに行くなら、あのネズミの着ぐるみを「ミッキーマウスだ!」と信じ込める能力が必要なのです。
そこでは、僕みたいなオタクが持っている理屈っぽい視点やこだわりは、あまり役にたちません。
となると、作り手、つまりまどマギやエヴァやディズニーランドを「作る側」に必要な資質はなんでしょうか?
「見る側が安心して視点(知性や理性)を下げるために必要なダンドリを本編中に盛り込むこと」だと思います。
これから先、いろんな萌えやBLやディズニーランドや、
はたまたオリンピックやワールドカップやエクザイルやAKB48などが僕たちの周囲に現れるでしょう。
たぶん、僕はどれにも「ノレ」ません。
なので、せめて「どういう仕組みで視点(知性や理性)を下げるために必要なダンドリ」が盛り込まれているか、発見して楽しもうと思います。
無粋ですいません。
だって、ほら、僕は「知的なオタク」なんですもん。
じゃあ、また明日。バイバイ!
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