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なぜスティーブン・キングは日本で評価が低いのか?
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おはよう! 岡田斗司夫です。
この二週間、ずっと楽しんでいたスティーブン・キングの新作『11/22/63』をやっと読み終わりました。
いや~、面白かった!
『スタンド』『イット』時代の黄金期キングが帰ってきた、というのが感想です。
僕が一番好きなキングは『呪われた街』『ペットセメタリー』などの初期キングなんですよね。
でも、初期のキングはそれはもう男尊女卑作家(笑)
ケナゲに努力するイケメン正義主人公に、女性はかならずジャマしたり足手まといになったりします。
さすがのキングもその時代の作品は反省し、もう戻れなくなりました。
なので「いわゆる黄金期」に戻れただけでも大満足です。
僕が思うに、スティーブン・キングは、日本では不当に評価の低い作家です。
理由は簡単、最近の日本人は米国人と同じぐらい「文化的な田舎者」だから。
米国人は、大衆エンタテインメントに関して、あきれるぐらい「メイドイン・アメリカ」を望みます。
なので海外映画をほとんど観ない。翻訳小説もほとんど読みません。
対して日本は、洋画や翻訳小説にかなり熱心です。
いや、熱心「でした」という過去形ですね。
先日もメールで語った「新ヤンキー」の特徴のひとつに「保守性」「土着性」があります。
米国人が「メイドイン・アメリカ」の大衆文化を好むのは「アメリカ的とはなにか?」をいつも確認したいから。
巨大な人工国家は、いつも建国理念や共通文化を確認しないと、国民が安心できません。
現在の日本人は「いま、とはなにか?」を大衆文化で確認しないと安心できない。
大衆的米国人の不安が「理念」だとすると、新ヤンキー的日本人の不安は「いま」です。
なので、現在の日本では徐々に洋画や翻訳小説のニーズが減っています。
このままでは、米国人と同じぐらい「文化的な田舎者」に日本人はなっちゃうんだろうなぁ。
あともう一つ、『11/22/63』を読んでて痛感したことがあります。
これまた、ちょっと面倒な世代論になるかも。
明日、書いてみます。
じゃあ、また明日。バイバイ!
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コメント
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まず日本でスティーブンキングの評価が低いという事を初めて知りました。
実際読んだ事ないですけど、勝手にすごい作家だと思ってました。
岡田さんが言いたいのは売上やらの話なんだろうか。
有名画家の絵画を実際見た事がない人が多いのと同じ感じかな。
単純に「読んだ(見た)こと」を評価としてしまうのは抵抗があるなぁ。
まぁ何を持って評価が低いとしてるのか解らんけど。