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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/02/26
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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ヨルムンガンドさん/29歳/フリーの広告業/ブロマガ会員
「人間はろくなことをしない」【後編】
【質問】
“「人類は衰退するべきか?」人間は便利さと欲を追求することで、より快適な生活や楽しみを生みだしてきました。しかし、人間の大半は便利な道具をろくなことに使いません。
「いや、人の可能性を信じる!」みたいなガンダム最終回論法を信じれる程、ピュアでもありません。ならば、むしろ人類は便利さと快適さの追求を強制的に制限されるべきなのか?でも、それはそれで楽しくないしな。岡田さんはどう思いますか?”


【回答】
「人類は面白いんだけどもおバカなんだ」と考えた方が、より発想が広くなる。ものごとの捉え方も複雑になって、実際の層に近付くと思うんだ。ダメって考えるより、面白いとかおバカって考えた方がいい。


■ネガティブの裏には巨大な自己肯定がある
 この番組を見てる事を、ネガティブに捉えてる人全てに言えることだよね。ついつい、「自分はダメな奴」って考えちゃうけど、その時には必ず、「自分だってダメな事ぐらい分かってるんですよ」っていう、強い自己肯定がある。それがないと、人間は自分に対して絶望できないんだよ。
 そのときは、ビックリするぐらい巨大な自己肯定がある。それがないと、人間はそんな発想できない。これがこの構造で分かると思う。

 だから、"岡田さんはどう思いますか?"に答えれば、「人類はダメ」と思わない。結構すごいんだけど、それをろくな事に使わないぐらいのおバカだよね。

 ろくな事に使わないおかげで多様性が生まれる。その中から意外な発明品や便利な道具が生まれる。優秀な人間が、「いい物を開発しよう」と努力するんではなくて、おバカな事にさんざん使っていく。


■おバカな娯楽のおかげで戦争が減ってる
 テレビは教育器具のために使われたわけだよ。それなのに、おバカなバラエティ番組なんかやってる。年末にはダウンタウンの『絶対に笑ってはいけないシリーズ』があって、それをゲラゲラ笑いながら生きてくことで、世の中の生きづらいところがちょっと緩和されてるわけだよね。

 普通に考えたら、70億人がこの星の中でギシギシひしめいてたら、もっと戦争の数多いよ。インターネットやくだらない娯楽のおかげで、戦争の数が必要最低限より、かなり低いレベルで押さえられていると思うよ。

 子供の頃に、国境紛争図で世界にどれくらい貧困や戦争あるか見たんだ。その50年後ぐらいはどうなったか。世界が手軽なエンターテイメントや豊富な電子情報で溢れた結果、かなり紛争数が抑えられている実感がある。だから、29歳の広告業のヨルムンガンドさん、人類に絶望するなんて生意気だよ。もっと面白がりなさい、特に広告業ならば。


【まとめ】
「人間はバカ」よりも「人間は面白い」と考えましょう。便利な道具のおバカな使い方のおかげで多様性が生まれ、また便利な道具が生まれます。そのくらだない娯楽のおかげで世界の戦争は減っていると思います。人間に絶望するよりも面白がりましょう。