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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/03/30
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。
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アニメはSFか?論争について」
kazusugoさん/47歳/自営業/ブロマガ会員

 SFマニアである岡田さんに質問します。イデオン放送後に突如巻き起こった"アニメはSFか?論争"。
 当時、高千穂遥氏や宮武一貴氏などのスタジオぬえ勢、監督の富野さんも巻き込んでアニメ紙で散々議論されました。アオイホノオでも武田さんがアニメをダイコン3で上映しようとし、OB連に「あんなものはSFじゃない」と言われ悔しい思いをしたという描写がありました。
 当時SFマニアとして、この論争に岡田さんはどのような見解をお持ちだったでしょうか?

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 その当時、僕はアニメを見るときに、「面白いかどうか?」よりも、「SFかどうか?」を考えてましたね。
 その分もあって、今の僕は『永遠の0』を「反戦かどうか?」より、「面白いかどうか?」で語れるんですよね。


■20代の岡田斗司夫はイデオロギー的だった

 20代の頃の僕は“イデオロギー的な人間”だったんですよ。
 人間は時代によって本音も切り替わるし、考えていることも切り替わるんです。

 「SFファシズムかw」ってコメントが流れてますけど、その通りですね。
 反戦ファシズムと同じで、SFファシズムに犯されていたので、「SFじゃなきゃダメだ!」と思っていたし、「SFかどうか?」はその作品の価値だと思ってました。


■中2病になれない人間は大人になれない

 言い方が変なんですけど、僕は”中二病”を否定していないんですね。
 それどころか、「中二病になれない人間は大人になれない」とさえ思っています。

 それは富野由悠季さんが言う「絶望して大事なものを失わないと、人は大人になれない」と同じで。「中二病を患わないと、人は中二を越えられない」と考えるからなんですね。

 だから、反戦ファシズムをもって百田さんの小説を否定している人を僕は否定しきれないんですよ。
 何かのイズムや主義で徹底的に誰かを否定するのは、実は他人を否定しているんじゃないんですね。"自分の中でそれに賛同してしまいそうな何か"があるから、否定するんですよ。


■理解できるものがあるから、人は感情的になれる

 "人を叩く"事は、理解しないとできないんですよ。
 理解し得ないものは、興味がないか、「へえ、面白いね」って見るしかないんですね。
 自分の中にかすかに同じものがあったり、理解できるものがあるから、人は怒ったり感情的になったりできるんですよ。

 "アニメはSFか?論争"に関して、その当時の僕は「SFかどうか?」が大事だと思っていたので、『宇宙戦艦ヤマト』とか『機動戦士ガンダム』とか『イデオン』をアニメとして面白い、面白くないじゃなく、「SFなんだから面白い!」とすり替えて語っていたりしましたね。
 そういう当時の反省なんかも思い出しながら。まあ、当時はそういうふうに思っていました。


【まとめ】
 当時の岡田斗司夫はSFファシズムに犯されていました。アニメとして面白いかよりも「SFかどうか」を大事にしていて、「SFなんだから面白い」とすり替えて語っていました。ちなみに今は作品を「面白いかどうか」で見ています。