(前号からの続き)
お笑いとは、「"何かに対する攻撃"を見ている人が笑うこと」。
だから、まず質感があるのが前提なんだ。
俺が最近好きな『チョコレートプラネット』ってお笑いコンビのネタで、“わらび舞妓ちゃん”ってのがあるんだけど、みんな知ってるかな?
■チョコプラのわらび舞子ちゃん
チョコレートプラネットのコントを集めたDVDがあるんだけども。
その中の一つに、こんなネタがあるんだ。
「今日は京都から“ゆるキャラ”を連れて参りました!」って呼びこむと、「わらびもちと舞妓はんが合体した、わらび舞妓ちゃんどすー!」っていうヘンな京都弁を喋るヤツが出てくる。
その、わらび舞妓ちゃんっていうのが……説明しにくいな。
ちょっと絵を描くね。
これが、わらび舞妓ちゃんなんだよ!
わらび舞妓ちゃんのスゴさは、「中に入っている人が透けてること」なんだよ!
ゆるキャラって、着ぐるみだから中に人がいるのが見えないじゃん。
でも、わらび舞妓ちゃんは半透明だから、中に入っている小デブなオッサンが見えてるんだよ!(笑)
もう、オッサンがまるっきり見えてるのに、司会者は「中に人なんかいない! 透けてない!」って言い張るんだ。
でも、はっきり透けてる。
■アニメでは「わらび舞子ちゃん」みたいな質感は出せない!
こういう「中に人間がいる」という質感勝負みたいなものが、アニメーションではできない。
もちろん、わらび舞子ちゃんは絵でも描けるよ。
でも、絵で描いても、"こんなものを実際に作っちゃった感"は出ない。
なので、あまりアニメーションはそういうのが向いてないんです。
ところで、このわらび舞妓ちゃんの着ぐるみの後ろは、布団圧縮袋のチャックになってるんだって。
だから、このネタをやるときは、事前にまるわかりなんだ。
後ろで、掃除機の「ブオーン!」って音がするから(笑)
その音は客席にまで聞こえるから、ファンの人には「次はわらび舞妓ちゃんのネタか!」ってバレて、場内にクスクス笑い声が起きるくらいなんだ。
時間がある人は“わらび舞妓ちゃん”でネット検索してみて!
そしたらYouTubeで即出てくるから。
こういう言い方はなんだけど、わらび舞妓ちゃんのネタは、岡田ゼミの100倍面白いよ(笑)