じつは、ユニバーサル・トークの効用は、相手に共感してもらえるだけではありません。
共感を通り越して、相手が自分の味方になってくれる可能性も広がるんです。
どういうことかというと、たとえば、あなたが60歳で再婚を考えている男性になって、知人のAさんに相談している場面をイメージしてみてください。
「オレ、来年60歳だけど、彼女と結婚したいと思ってるんだ」(あなた)
「え! 無理じゃないの?」(Aさん)
「何でよ?」(あなた)
ふつうに考えると、こうした対立が発生し、お互いの意見は平行線のまま続くことになります。
では、ユニバーサル・トークを使うとどうなるでしょう?
「オレ、来年60歳だけど、彼女と結婚したいと思ってるんだ」(あなた)
「え! 無理じゃないの?」(Aさん)
「やっぱり『え!』っと思う? そうだよね」(あなた)
このように、まずは相手の意見に同意します。
そして、自分が最初に持っていた結論をあえて捨てて、2人の間で新しい結論をつくることを意識するんです。
「まあ、再婚じゃなくて、とりあえず今はだけでいいんじゃないの?」(Aさん)
「やっぱりそうかな。同棲からはじめようかな」(あなた)
ここまでは、すでにお伝えしたユニバーサル・トークの共感のシステムです。
では、あなたとAさんのところにもう1人、Bさんが現れるとどうなるでしょうか?
「オレ、来年60歳だけど、彼女と結婚を前提に同棲しようと思うんだ」(あなた)
「ええー! どうせ長続きしないよ」(Bさん)
「そんなことないと思うよ。彼、今すぐ結婚したいと言うくらい彼女に本気なんだ」(Aさん)
「確かにオレは飽きっぽい性格だからBさんの言うこともわかる。
ただ、とりあえずは1年間がんばってみるよ」(あなた)
ここがユニバーサル・トークのもう一つの効用が生まれた瞬間です。
わかりますか?
あなたがBさんと意見が対立したとしても、あなたと一緒に結論をつくったAさんは、あなたの味方になってくれるんです。
もちろん、この場合も同様に、Bさんを含めた3人で結論をつくることを意識しなければなりません。
そうすれば、どんどん共感の輪が広がり、味方が増えていくんです。
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