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「軌道エレベーター」
(元記事はコチラから)
軽くて強いのだ。
自動車や建築用の「軽くて丈夫な素材」として、注目されている。
交通事故も、車体が軽いほうが被害は少なくなる。
重い建材は丈夫だが、震災の時につぶれたときの被害は大きい。
軽くて丈夫な素材は、みんなが求めているのだ。
いまスペースプレーン計画とか、民間が宇宙旅行のコストダウンに取り組んでいるが、最終コストは2000万円くらいになると言われている。
約4万円で宇宙までの移動が可能になってしまう。
「宇宙ステーションに、修学旅行に行きましょか」という価格まで下がることになる。
実現できなかった唯一のハードルが、素材だ。
ちょっと長くなるけど、この建造物の原理を説明しよう。
軌道エレベーターといわれると、「地球上に塔をたて、それをどんどん高くもちあげて、宇宙空間まで到達させる」と考える人も多いと思う。
この静止衛星から、地球上にケーブルをまっすぐ下にたらす。
このケーブルをつたって、エレベーターを上げたり下げたりするのだ。
ケーブルは静止衛星を挟んで、正反対の宇宙側にも、同じ重さ、長さを伸ばさないといけない。
そうしないと重心位置が狂い、軌道が狂ってしまう。
利用価値があるのだ。
今までも、スチールウィスカーやカーボンナノチューブとか、いくつかの素材が開発されたけど、やっぱり強度が足りなかったのだ。
ロケットみたいに、たくさんのエネルギーを浪費して、大気汚染をまき散らすという地球に厳しい方法は、過去の遺物になるだろう。
国際紛争の火種になるかもしれない。
安くてお手軽な軌道エレベーターを使うようになるはずだ。
つまり「軌道エレベーター」の領有権を巡って、国際競争が激しくなるはず。
中米とかアフリカの、ごく一部の国ということになる。
現在、アメリカ、中国、ロシア、どの軍事大国も、赤道の上に国土をもっていない。
地政学的に言うと、一気に、赤道付近の国が有利になる。
宇宙位置資源とでも言えばいいのだろうか。
地下資源がなくても、農業に向く環境でなくても、赤道が自国の上を通っているというだけで、圧倒的に有利になるのだ。
赤道直下の国は、現在、だいたい貧しい国だが、これから10年20年で大きく変わるだろう。
石油で一気に大国になったサウジアラビアのように、急に発言権が大きくなる国も現れるかもしれない。
以上、情報サイト『探偵ファイル』よりお届けしました。
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