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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2015/12/27
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
絶賛発売中の岡田斗司夫の最新著作『カリスマ論』から、ハイライトをお届けします。

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「カリスマ・ポジショニング・マップ」


 ところでカリスマたちは、それぞれどのような方向を目指しているのでしょうか。
 ここでは歴史上や芸能界のカリスマたちを、その存在の大小に関係なくマッピングしてみました。

 縦軸は「わかりやすさ」「閉鎖と開放」です。
 周囲にヒトを集めやすいカリスマは「開放的」
 逆に、どう近づいたらいいかわからない、近寄りがたいカリスマは「閉鎖的」です。
 開放型のカリスマからは、ファンはすぐに離れます。
 閉鎖型のカリスマは、ファンは信者化し、なかなか離れません。
 開放型のカリスマの言うことはわかりやすく、実行のノウハウやハウツーも同時に語られることが多い。
 でも閉鎖型のカリスマは、近くにいないと真意をくみ取りにくく、知らない人に誤解されても気にしません。

 このマッピングでは、「わかりやすく開放的」なカリスマを上位に、「わかりにくく閉鎖的」なカリスマを下位にポジショニングしました。
 誤解して欲しくないのは、「上位だから偉い」のではない、ということ。教えること自体が難しく、理解にも時間がかかることはこの世にいくらでも存在します。
 ノーベル賞を取るような素粒子研究が、誰にでもわかりやすいはずがない。
 そういう研究者のカリスマとしての人間関係は、どうしても「閉鎖的=入りにくく抜けにくい」になってしまいます。
 上位と下位は、あくまでこのポジショニング・マップの分類で生じたものです。

 マップの横軸は、カリスマの目指す目的です。
 カリスマの目指しているのが「社会の変革」要素が強ければ、右側。
 「個人の成長」を目的としているなら、左側にポジションしました。

 個人の成長を信じる人は、社会や組織を信じません。
 だからこそ、「ヒトは成長しなければいけない」と思うのです。
 社会福祉よりも「強くなれ、自分で稼げ」という励ましに走りがちなのも、「個人の成長」を信じるカリスマの特徴です。

 社会運動を重視するカリスマは、大衆を信じません。
 個人の成長=成長できない弱者の切り捨て、と発想してしまうからです。
 誰にでもチャンスはあるかもしれない。
 でもチャンスを活かせない人もいる。
 そういう人に、より多くの努力を強いる社会はヘンだ。
 アタマの悪い大衆でも生きられる社会を。
 そう考えるカリスマは、自助努力よりも社会保障を重視した社会を目指します。

 もちろん、どんなカリスマもその両方の要素を持っています。
 「成功して金持ちになろう」と語りかけるカリスマも、その成功を分かち合いたい、もっとみんな豊かになって欲しいと思うからこそ、著作や講演活動をしてるわけです。
 「個人が豊かになれる社会」への変革を願っているわけですね。

 「世界を変えなければ」と思っているカリスマも、一人ひとりが変わらなければ世界は変わらない、ということぐらいわかっています。
 どんなカリスマも「社会変革」「個人成長」の両方を重視している。
 でも、それぞれに偏りがあり、最終的に「こっち重視」という傾向はカリスマごとに存在します。


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