パルパティーンはすごい人間不信でありながらも、欲望を肯定している。
それがキャラクターとして面白いところなんですよ。
僕から見れば、ジェダイよりはパルパティーンの方が感情移入ができる。
パルパティーンがやろうとしたことは手法として間違っているけど、あきらかに正義感で始めているよね。
■パルパティーンが皇帝になったら、文明レベルが落ちた
パルパティーンが議会掌握に乗り出すまでの銀河共和国は、年がら年中議会で議論ばかりやっていて、何も決まらない状態だった。
でもパルパティーンが議会掌握を強力に進めたおかげで、ようやく銀河中の物流が盛んになったんです。
ところがスターウォーズの4、5、6で描かれている世界はどうなったか。
銀河皇帝が銀河を支配して議会を解散させて、既存の通常兵力をすべてクローン兵による体制にしたら、文明レベルがどんどん落ちていってしまった。
すべての機械がまったく進歩していないんですね。
4、5、6に登場する機械はすべて古びていて、かつての栄光の時代から科学技術が進歩しなくなったことを示している。
ライトセーバーも作れる人がどんどん減ってきて、ドロイドの性能も上がらない。
新兵器として作ったデス・スターですらも、30年前に設計図が出来たものをもう1回作っているだけですから。
■皇帝の座に執着したパルパティーン
パルパティーンは自分が皇帝になった瞬間に、徳川幕府のように あらゆる技術の進歩を止めてしまった。
パルパティーンの正義感は欲望肯定から始まったのですが、それはお互いに殺し合うことを肯定するだけ。
だから進歩を止めてしまった。
なぜ進歩を止めたのかといえば、進歩が続くとパルパティーン以上の能力を得るものが出てきてしまうからですね。
権力の座に一生懸命登っている時のパルパティーンは「力は正義だから、俺より優れている奴がいれば戦えばいい」と思っていたわけです。
だからヨーダと一騎打ちもするわけです。
パルパティーンが行ったのは銀河を資本主義の世界にしようという革命です。
欲望を肯定して、経済を導入して、資本主義を取り入れて、お互いが競争して、力がある者が勝つ。
これがジェダイが「ダメ!」と言ったフォースの暗黒面なんです。
欲望の肯定というのは競争力の肯定ですから。
そうやって銀河を運営していったはずなのに、いつの間にかパルパティーンは自分が皇帝であり続けることに執着してしまった。
自分を脅かす者すべてを防ぐために進歩を止めてしまったら、鎖国のような世の中が銀河に広がってしまった。
惑星タトゥイーンで見て分かるように、いろんな星の経済が徐々に劣化しているんですね。
これがパルパティーンの栄光と挫折の物語。
【まとめ】
パルパティーンの行った革命までは良かったですが、自分が皇帝になってからは文明レベルが落ちてしまいました。
それは自分が皇帝である続けることに執着したからです。