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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/03/09
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「Amazonのお坊さん便をどう思う?」(後編)

 Amazonが始めた新たな謎サービス『お坊さん便』を岡田さんはどう思いますか?
 同サービスのユニークな使い方なんかを教えていただけると嬉しいです。

 
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(前号からの続き)


 僕らが社会的資産として持ってる宗教がある。
 ほかにも社会的資産として、日本人は"清潔さ"と"勤勉さ"を持ってるんだ。


■日本の社会的資産は「清潔」と「勤勉」

 習慣として宗教を持ってるけど、逆に言えば社会的資産としても持ってるワケだよね。
 お坊さんとか宗教にもデメリットはあって、1回につき50万円かかる。
 だけど、ここまで維持してきたのは社会的に資産なんだ。

 それをAmazonがここまで破壊してしまうのは、僕はちょっと「まずいんでないの?」と思う。
 僕の両親はもう死んでしまったけど、お葬式があったら3.5万円で呼んでしまいそうな自分がいるけどね(笑)

 「清潔が社会的資産?」(コメント)

 僕ら日本人は、無意識のうちに不潔な事を悪いと思って、清潔な事をいいと思っている。
 トイレに行ったら手を洗うとか。

 トイレに行って手を洗わずにメシを作る料理人を、不潔と思う習慣や感情を持ってるんだ。

 そのおかげで、この社会全体の病気になる罹患率が下がって、日本人全体の健康度が上がっている。
 つまり、清潔という習慣が社会的資産化されてるという意味なんだ。

 同様に「働かなくてもいい」とも、考えにくい。
 何かを1回やりだしたら、ゲームにしても仕事にしても、徹底的にやりこんでしまう。
 この勤勉さも社会的資産化されてる。
 
 そのおかげで日本人が作る物は、隅々までミスが少ない事になっている。
 それは勤勉さが社会的資産化されているということ。


■Amazonが日本の社会的資産を壊してもいいのか

 同様に神社やお寺がある。
 初詣に行ったり、しんどい時に神社巡りしたり、お寺で手を合わせたりしたら、心がホッとする。
 
 「この社会的資産を、Amazonが3.5万円で破壊していいのか?」と思うんだ。
 「でも1回呼んだら50万円かかる」と言われると辛いけどね(笑)
 
 「Amazonが3.5万円なんだから、日本の宗教業界も考えてコストダウンしてくれてもいいんじゃないですか?」って思うな。

 お坊さんがぼったくりなのは、その通りだと思う。
 でも、そんなに"坊さん業"で大儲けしていても、僕たちはお坊さんを、あまり憎いと思わないじゃん。

 土建業界や政治家さんとかは、ぼったくって金を持っていて、「憎い」と思わせる人がいる。
 でも お坊さんは、ぼったくってもデカいバイクに乗っている程度じゃないか(笑)


■金持ちの所有物を社会資産化すべき

 宗教は税制で優遇されてるけど、大儲けして すごく憎いお坊さんなんて目にしないよね。
 吉祥寺なんて、吉祥寺という町全体が何件かのお寺の所有物で、土地の大家さんなんだ。
 それで大儲けしてるらしいけど、それのおかげで都市計画がそこそこの所で進んでる。

 それよりは、どれぐらい"良い事"が共有化されてるのかが大事だよね。
 
 一番いけないのは、お金をタンス貯金して外に出さないこと。
 
 たとえば、キレイな女の人を自宅に独占しちゃうのと一緒だよね。
 キレイな嫁さんにミニスカを履かせてパーティーに連れてくるようなバカな男は、それだけ美人を社会資産化させている。
 だから許してもいいんじゃないかな、と思ってもないことを口にしてみました(笑)

 さっきまでの理論で考えると、そんなイヤなヤツを僕は肯定しているのかと思っちゃう。
 でもその辺りの落とし所は、個人として納得できるかどうかだよね。


【まとめ】
 日本には「清潔」と「勤勉」という社会資産があります。
 宗教もその1つなので、Amazonがそれを壊すのは疑問があります。
 でも日本の宗教業界もコストダウンしてほしいです。