バーチャル・ライトセーバーの修練に備えよ――ルーカスフィルムと視覚効果の製作子会社インダストリアル・ライト・アンド・マジック(ILM)は今週、『Star Wars: Trails on Tatooine』のVR体験を発表し、『スター・ウォーズ』の世界をVRにもたらす第一歩を踏み出した。
『Star Wars: Trails on Tatooine』では、『HTC Vive』ヘッドセットを装着して15フィート四方の空間を歩き回れる“ルームスケールVR”を体験できる。ユーザーは惑星の表面を探索したり、形の崩れたミレニアム・ファルコン号に簡単なメンテナンスをしたりできる。R2-D2も登場し、最後にユーザーはストームトルーパーによる攻撃をライトセーバーで退けなければならない。
ルーカスフィルムの研究開発部門であるILMxLabはサンフランシスコで3月14日(現地時間)、少数グループのジャーナリストに『Star Wars: Trails on Tatooine』をお披露目した。同社は一部の選ばれた観衆にも公開するかもしれないが、このプロジェクト全体はまだ実験段階である、とルーカスフィルムCTOのロブ・ブレドー氏がVR体験のハンズオンデモ後のインタビューに答えた。彼は「この体験から学ぶべきことが大いにある」と述べた。しかし最終的なゴールは、消費者により大規模でより長期にわたる体験を届けることにある。
この学習の狙いは、消費者がこの数か月間にハイエンドのVRヘッドセットを入手してもすぐに試すことができない実験を可能にすることだ。VRのゲームや体験にはユーザーがヘッドホンを装着する必要があるが、『Star Wars: Trails on Tatooine』はサラウンドのサウンドシステムを設置した部屋の中でお披露目された。そしてミレニアム・ファルコン号が飛び立つとき、突風を感じることができたのだ。
このようにあらゆる感覚に訴えること――風や低音を身の回りに感じること――は、何十年もテーマパークで使われてきた、伝統的な実用化技術に先祖がえりしている。「それは簡単なトリックだ――人に風を当てればいい」とブレドー氏は言う。
ILMxLabは、より深い没入感をもたらす解決策として、伝統的な実用化技術をVRと意図的にミックスしている。ブレドー氏は自身が「ロケーションベース・エンターテインメント」と呼ぶものにこれを用いる可能性をほのめかし、これはVRヘッドセットによる視覚的な没入感と、触覚やほかの感覚を組み合わせることができる。「触覚学はVRの超越的な力になるのではないか」と彼は言う。
ILMxLabは一部の関係者に『Star Wars: Trails on Tatooine』をお披露目したのと同様に、異なった形態のVRと拡張現実(AR)について実験してきた。『Star Wars: Trails on Tatooine』はブレドー氏や彼のチームに、ユーザーにギミックの多いミニゲームや複雑すぎる背景のストーリーという重荷を背負わせるべきでない、ということを教えてくれた。「シンプルなほどベターである、ということが我々が学んだことのひとつだ」と彼は言う。
媒体としてのVRにまだこれから慣れていく間は、ユーザーにはリラックスして没入できる機会を与えることが特に重要だとブレドー氏は述べる。「我々の表現方法は、そのうち自然に拡張していくのかもしれない」。
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