今週のお題…………「巌流島・再始動に期待すること」

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文◎山田英司(現『BUDO-RA BOOKS』編集長)………水曜日担当


 
基本的に私は『巌流島』のコンセプトに賛同しているわけではない。
 
ルールをファンの意見で作り上げていくことが「民主的」だとは思わないし、また、試合ルールを民主的にしていいとも思わない。
 
仮に民主的にするとしたら、巌流島プロモーションの株式をファンに買ってもらい、興行がコケたら一緒に負債を抱えてもらう。これならば、有権者としての発言権も認めてもいいかもしれない。しかし、何の責任も負わぬ人の意見を聞いて企業が戦略を立てる訳にはいかない。これと同じである。
 
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むしろ『巌流島』に望まれるのは、石井館長や、谷川貞治氏のような強烈な個性を持ったプロモーターの出現ではないか。自分が借金を抱えても見たいマッチを実現する。かつてのK-1には、こうした潔さがあったから、ファンはついてきたのだと思う。決して民主的ではなく、トップの人間が「独善的」に「悪ノリ」していく過程を、ファンはハラハラしながら見守ったのだ。
 
「巌流島は民主主義をやめます!」
「一党独裁になりました!」
 
と革命宣言をすることから、巌流島の再出発は始まるのではないか。