<函館記念>◇19日=函館◇G3◇芝2000メートル◇3歳上◇出走16頭

 岩田康誠騎手が騎乗した3番人気のダービーフィズ(牡5、小島太)がゴール前の競り合いを制し、重賞初タイトルを手にした。勝ちタイムは1分59秒1。頭差の2着には10番人気の伏兵ハギノハイブリッドが食い込んだ。3着は唯一の3歳馬ヤマカツエース。1番人気のエアソミュールは4着に敗れた。岩田騎手はサマージョッキーズシリーズでトップに立った。

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ダービーフィズ(手前)はハギノハイブリッドとの叩き合いに競り勝ち函館記念を制す

 内から盛り返すライバルに肝を冷やしながらも、最後は力でねじ伏せた。中団につけたダービーフィズは直線で外に出して猛スパート。抜群の手応えでいった んは頭差ぐらい抜け出しかけたが、内のハギノハイブリッドに激しく抵抗された。だが、そこで負けないのが今夏、函館リーディングを独走中の岩田騎手。フ ワッとする馬を左ムチで鼓舞し、最後に頭がグッと下がったところでゴール。頭差で競り合いを制した。

 これが初コンビだった岩田騎手は「4角で反応が良すぎて早めのスパートになった。差し返されそうになったが、何とかこらえてくれた」と胸をなでおろした。それでも厩舎から「スタートしてあまり出て行かない」と聞いて、前半意識的に位置を取りにいったのは鞍上のファインプレー。内ラチ沿いにへばりつき、脚を温存した。マイネルミラノの大逃げにも「2着の馬しか見てなかった」と冷静な判断でマークする相手も間違えなかった。

 母マンハッタンフィズは、01年菊花賞、有馬記念、02年天皇賞・春とG1を3勝したマンハッタンカフェの全妹。厩舎ゆかりの血統を持つ期待馬の重賞初Vに小島太師も満足げ。「すべてがうまくいったね。洋芝適性もあったんだろうし、乗り役もいい面を引き出した。それと今までは馬体を増やすよう努力していたが、今回は逆に絞った。稽古も加減しないでね」。3戦連続のマイナス体重も、初の北海道遠征も、すべてが眠っていた素質開花の要因となった。次走は札幌記念(G2、芝2000メートル、8月23日)。この日の勝利が本物だったことを証明する。【高木一成】

 ◆サマーシリーズ 6月21日~9月13日をサマーシリーズとして、騎手部門と競走馬部門でチャンピオンを決定。距離別にスプリント(対象6レース)、マイル(同3レース)、2000(同5レース)で争う(騎手はトータルポイント)。

 ▽サマー2000シリーズ (1)ダービーフィズ、グランデッツァ10P(3)ハギノハイブリッド、ステラウインド5P(5)ヤマカツエース、マデイラ4P

 ▽騎手部門 (1)岩田21P(2)国分優14P(3)川田12P(4)藤岡康6P