<クイーンS:追い切り>

 夏の牝馬頂上決戦、クイーンS(G3、芝1800メートル、8月2日)でメンバー唯一のG1馬が主役を担う。レッドリヴェール(牝4、須貝)が29日、函館ウッドコース単走で追い切られ、5ハロン69秒7-13秒3を馬なりのままマーク。追い切り後は須貝尚介師(49)自ら愛馬にまたがり感触を確かめるなど調整に抜かりはない。2歳の阪神JF以来のタイトルで復活を告げる。

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函館ウッドコースで追い切られるレッドリヴェール

 朝の函館が一気に盛り上がった。追い切り後、パドックでのスクーリングを終え引き揚げてきたレッドリヴェールの背中になんとトレーナーの姿があった。ほとんど愛馬にまたがることはないが、2歳の阪神JF以来、勝利から遠ざかる愛馬の感触を自身でどうしても確かめたかった。

 久々の愛馬とのコンタクト。それほど長い時間ではなかったとはいえ、復活を感じとるには十分だった。師は「すごい背中が良かった。2歳時は迷いのある歩きだったが、今はしっかりとしている。成長を感じる」と満足げだった。

 追い切りは函館ウッドコースで単走。テンからまったくの馬なりも、風格を漂わせながら力強いフットワーク。重い馬場をものともせず5ハロン69秒7、ラスト1ハロン13秒3をマークする貫禄の走り。北村助手は「休み明けでも結果出しているし力は出せる」とうなずいた。

 前走ヴィクトリアM4着後、ここ目標に仕上げられてきた。カイ食いが細い馬。メニューを度々替えないと食べなくなるため、毎回、工夫をこらす。担当の今浪厩務員は、エン麦、干し草などを混ぜずに入れるいつものカイバに、今回は細かくしたにんじんを「ふりかけ」のようにかける函館限定メニューを考案。効果を発揮し、食いが細くなることなく430キロ台の馬体を保ち続けている。

 札幌は初も同じ洋芝の函館で行われた札幌2歳Sを制している。師は「馬場は合う。G1馬らしい走りを見せてくれれば」。北の大地で主役の座を奪い返してみせる。【松末守司】