いよいよ本日は、小説『拷問塔は眠らない ―拷問卿の三姉妹―』発売日です!!
当ブロマガでは、物語の導入である序章を全文掲載!
mothy_悪ノPが奏でる新たな物語を、お楽しみください。

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そして……

……トルチア塔――通称・拷問塔にほど近い、
辺境の町リオンシティの下町にある酒場「Stella's Bar」を、とある旅人が訪れる。
酒場の女主人・ステラは、旅人にトルチア塔に住んでいたかつての英雄
ハンク・フィエロン卿の物語を語って聞かせた。

「知ってるよ。通称『拷問卿』だろう?
「そうです、そうです。自らの所有する塔に敵国の捕虜を閉じ込め、凄惨な拷問を
 行っていたという、あの、悪名高い」
「だが同時に、幾多の戦果を挙げた、英雄でもある。彼をモチーフにした小説や舞台も
 多数存在するほどの……な」

「――最近なんですが、放置されていたトルチア塔に、突如として女性が三人、
 住み始めたんですよ。それが、『トルチア塔の三姉妹』
「不法占拠しているってことか?」
「いえいえ、彼女たちはどうも、ハンク卿の実の娘らしいんですよ。つまりは
 由緒正しき貴族のお嬢様方ってわけです」

ステラは、三姉妹の長女ジベットがこの酒場の常連なのだと言う。
旅人は……いや、警吏に追われる身の盗賊ロイドは、手元の酒を飲み干して心中で呟いた。
(この町での、最初のターゲット候補が見つかったな)

その時、入口の扉が唐突に開かれ、新たな客がその場に現れた。

「あら!? いらっしゃい、ジベットさん。珍しいですね。こんな夜更けに来るなんて」

現れたのは、金髪のロングヘアが美しい、上品そうな顔立ちの女性だった。
せっかく向こうからやってきてくれた『獲物』に、ロイドが声をかけない理由など、
あろうはずもなかった。

――そして、ロイドは誘われるように塔へと赴く。
そこに何が待ち受けているか、知るよしもなく。

三姉妹とは何者なのか。
彼女たちの目的とは何か。
悪意と欲望、愛と憎悪が渦巻く拷問塔の惨劇が、今、幕を開ける。

血と悪と罪の物語、続きはぜひ小説でお楽しみください。