4月27日(土)、4月28日(日)と幕張メッセにて開催され、大盛況のうちに幕を閉じた、
「ニコニコ超会議2」
こちらの超ゲームエリアにて、4月27日(土)の14時より『Pirates of Liberta』のゲームデザイン/アートディレクションを担当している渡辺 範明氏(株式会社ドロッセルマイヤー商會)が仕掛け人を務めているイベント「超・嘘つき村の人狼」の人狼が行われましたので、私こと「ホリゾン広報1号」と「ホリゾン広報2号」で勝手に潜りこんで体験してきました。
ちなみに「嘘つき村の人狼」とは、集団の中に紛れ込んだ人狼を推理して探し出す多人数参加型のパーティーゲーム「人狼」を、より面白く、より遊びやすく、より大人数で遊べるようにアレンジして2012年3月より開始されたイベントになります。
★開場前から盛り上がる人、人、人
早速、潜入を開始したところ会場では、始まることが今や遅しと溢れんばかりの人の熱気に包まれておりました。そして受付に向かい手渡された1冊のルールブック。そこに書かれていた驚愕の内容・・・ざわざわ・・・ざわざわ・・・。
なんてことはなく、落ち着いてルールを頭の中に入れておりました。ルールブックを読んで思ったことは、実にシンプル。初めて「人狼」を遊ぶ私達でもこれならなんとかできそうかな、と思いました。だが、しかし、一つだけ曲者なルールがありました。
基本的なルールは以下の通り
・プレイヤーは開始時に「村人」か「人狼」の役職が割り当てられる。「人狼」は全体の17%。
・村人の目的は、自身の潔白を証明し素早く安全地帯に脱出する。
・人狼の目的は、より多くの村人を食べる。
・制限時間は40分
・潔白を証明するには10人から15人のグループを組んで教会に行く必要がある。
・教会では夕方⇒夜⇒朝とフェイズが進み「懺悔」と「処刑」を行うことができる。
・処刑とは、夕方フェイズで行われ、疑わしいプレイヤーを指差し投票で指名しそのプレイヤーを殺すことができる。
・懺悔とは、夕方フェイズで名乗り出ることができ、朝のフェイズで懺悔したプレイヤーの中に人狼がいたかを知ることができる。
・夜フェイズではアプリを使用し、村人は疑わしいプレイヤーをアプリで入力し、人狼は食べたいプレイヤーを選ぶ。
・朝フェイズで「犠牲者となった村人」と「懺悔したプレイヤー内の人狼の数」を知ることができる。
・もし朝になった時に犠牲者が1人もでなければ、全員村人と判明し安全地帯に脱出できる。
・処刑されたプレイヤーないし、犠牲者となったユーザーは時間が10分、20分、30分と過ぎた時に新たな役職を得て復活できる。ただし開始30分を過ぎてから犠牲者となった場合は復活できない。
上記の内容で40分間の騙し合いがスタートすることになります。
しかし、私は極度な人見知り「10人から15人のグループ」なんかどうやって声をかければいいかわかりません。ということで主導権を社交的な「2号」に委ね(2号が人狼だったらどうしよう…)ゲームが始まりました。
★戦略!?考えるな感じるんだ!!
と思いながら始めようと思ったのですが、どう考えてもフィーリングでは抜け出せないし
かといって運だけでは勝てなさそうな、このゲーム。2号とともにまずはグループを作ることから始めようと「ヘイ、姉ちゃん、わてとグループ組まへんか?」と声をかければいいのかなぁなどと話し始めたところ、突然、会場内に声が響きました。
「作戦があります!」
今回の人狼は、人数が多いため有効な作戦を思いついた人はステージに登壇してマイクを使って発表してもいいということになっていたのですが、開始直後にいきなり勇者が現れました。その勇者が言うには「15人のグループを作り4人が「懺悔」する。その4人が全員「村人」だったら、潔白の「村人」を集めてクリアに向かう。(でもその中でも1人は処刑されて悲しい目に合うわけですが)また4人の中に「人狼」がいたらあぶり出して処刑する」というもののようです。
聞いた感じだと有効だと思うけど、4人の中で1人でも人狼が出たグループばかりだったら、その4人がどんどん増えて行ったら恐ろしくてチーム組めなくなるよなぁとか、でも、この作戦を考えた本人が「人狼」だったらおいしいよなぁとか思っていると、さすが社交的な2号、早速15人のグループを作っていました。
★ディベート力よりも、まずは楽しもう!
1号達のグループが出来た時、既に教会は埋まっていたので教会に行く前に作戦会議を行いました。とはいえ、私達2人は初心者なので全員の意見を聞いているだけですが…。ある人が「さっきの作戦を実行しよう」と言えば、先程、私が考えた点と同じことを考えた人がおり「懺悔人数を2人に絞ってみるのはどうか」なんて意見も出ます。今回のゲーム、人狼経験者も多く参加しているのですが大人数用の特別ルールということもあって、経験者も必勝法がすぐには思いつかない模様です。
私たちも意見を出そうとしましたが、そうこうしているうちに開始10分ほどでクリアした村人が出現し、結果「とりあえず作戦を実行してみよう」ということになりました。
そして、いざ教会に大移動。この時は疑心暗鬼というよりもまだまだワイワイ感が強い状況。教会に移動すると決められた手順で懺悔人員の4人が手を挙げて、処刑する人を選びました。処刑される人は打ち合わせで決めていなかった(当たり前ですが)ので、2号が私を指さすというハプニングも(野郎、覚えてろ!!)その間に2組目のクリアしたグループが出現。その中には最初の作戦の立案者も見られました。なるほど、あれは人狼による嘘ではなかったのか(笑)
そして、順調に妖しいプレイヤーの処刑が終わり、夜フェイズとなりました。
夜フェイズでは周りから見えないように専用のブラックボックス内でアプリを起動し、
怪しいプレイヤーの入力か、食べたいプレイヤーを入力することになります。
この際、人狼同士はわかるように表示されているので共食いすることはありません。
というわけで、私も早速、入力。
渡辺氏曰く、このアプリシステムが開発できからこそ、今回の人数での実行ができたそうな。
慎重に、ボタン入力を間違えずに押します。
ささっと、入力。ここで詰まると、教会フェイズが長くなってしまい、教会待ちの人が詰まってしまいます。
そして、ようやく1回目の教会が終了。
結果、犠牲者が2名出てしまうものの、懺悔した4名の無実が確定しました。
この4名は無実確定チームを組むために新しいチームを探しに行きました。そして残された8名の内2名が人狼となっています。今後の作戦を考えるにあたり、このチームで行動し2名をあぶり出すのか、2組に別れて勝つ確率を増やすか、一度解散して人狼を解き放ち、情報を集めるのかを相談し、結果2組に別れることになりました。
その間に「潔白が証明された村人がステージ前にいるんで、ほかにもいたら来てください」と大声で呼びかける人が現れるも、渡辺氏が「狼の皆さん、紛れ込んで食べるチャンスです!」と煽りを入れると「1人でやってくる人は狼の危険性があるので、必ず証明者を連れてきてください」なんてやり取りも。
また中間発表が何度か行われるものの、細かい数値のせめぎ合いで、数値に弱い私は「なるほど」と思うのが精一杯。さらに人狼がいるかもしれないグループなので、なかなかグループができない。(ただ単に4人とも人見知りなだけかもしれませんが…)1回目終わるまで威勢が良かった2号も必勝法を考えているのか険しい表情をしています。
★見つからない必勝法と焦り!
そして、ようやく私たちも新しく15名のグループができましたので教会に再チャレンジ!
しかし、この時すでに開始から25分を過ぎており、非常に効率の悪い我ら4人!
またグループで話し合った結果、実際にクリアが出ていることで、やはり最初の人が提案した作戦が有効であるという意見が多く4名の懺悔を行い、早く確定を作りクリアを目指そうということになりました。個人的にはもう時間がないのだから、懺悔人数を増やして犠牲者と懺悔の人数を照らし合わせて、このグループであぶり出しを進めて、このプレイでのクリアを目指すのではなく、次の教会へスムーズに移行できるのはどうか?ということを考えたのですが下手に出しゃばって「人狼」と言われても嫌なので、うなずきトリオのごとく、2号とともにうなずいているのみにしました。
その結果、見事に犠牲者を増やすことになり、またしてもクリアできませんでした。
そして残った人間で新しいグループを組もうと思ったのですが、残り5分を切っていることから先程の主導的立場だった人物が「時間が無いから1度解散しよう」と宣言されてしまい、また新たにグループを作ることに。クリアした村人が増えている状況下で解散することは人狼の群れにいたいけな村人を解き放つことになるのではないか?つまり奴は人狼?などと妄想しつつ、最後の望みをかけ教会に行くグループを作りました。
最後のグループで、ついに恐れていたことが起きました。
あまりにも2人ともディベートに参加しないので、疑わしいと思われていたのか、
2号が見事に処刑されました。
しかも2号は30分を過ぎているので、もう復活できません。
処刑された姿になぜか哀愁を感じます。
よくよく考えると、過去2回ともにクリアできなかったのは2号が実は人狼だったせいではないかとも思いました。先程の思案顔はどうやって騙すかを考えていたんだろうなぁ、あいつ性格悪いから。
そして最後のグループとなった今回も見事、犠牲者を出して幕を閉じました。
★結果発表、そこには奇跡が!
処刑された2号を尻目に結果発表を待つ。
見た感じはクリアした村人がステージに入りきらずに溢れているので、村人の勝利かなあとか思いながら待っていました。
そしてステージモニターに映されたのは、総死亡者数78名、死亡した人狼の数13名、
つまり死亡した村人の数は、
以外に多い数字に衝撃が走る会場。
まさに「ざわざわ」という状況でクリアした村人の人数を待ちます。
そしてモニターに現れたのは、
まさかの同数!!
結果「村人」も「人狼」も両方勝ちという引き分けに!
負けたのはクリアしていない村人のみでした。
なお引き分けの画像を用意しておらず、モニターが混乱するという一幕も。
渡辺氏も予想外の結末に「これぞリアルイベント」ともいうべき満足そうな笑顔でした。
最後に「人狼」として4人のプレイヤーを食べてしまった「MVW(Most Valuable Werewolf)」の受賞者が発表され幕を閉じました。
★「超・嘘つき村の人狼」を終えて
今回のイベントに参加して思ったのは、人との触れ合いっていいもんだなぁというのが正直な感想でした。集団でゲームをして遊ぶのなんて、学生時代のオリエンテーションでやったフルーツバスケット以来かもしれないなぁ思いながら遊んでいましたが、見知らぬ人でもワイワイ楽しめる良さを強く感じました。頭脳戦、心理戦の要素もあるので、文部科学省のお役人さん、ぜひ学校教育の入学時のオリエンテーリングに「超・嘘つき村の人狼」なんていかがでしょうか?
それはさておき、とかくとっつきにくい印象があったボードゲームの世界。こういった形で初心者でも遊べるイベントが実施されることで、ゲーム人口の裾野がどんどん広がっていってほしいと、1号は思うのでした。
最後に、私が、狼か村人のどちらだったか?それは皆様のご想像にお任せします。