結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年3月17日 Vol.416
目次
- 環境を改善する最初の一歩はどうすればいいか - インクリメンタルな環境改善
- 友達との約束を破ったときにどうするか - コミュニケーションのヒント
- 天邪鬼な私
- 勉強したことを伝えるコツ - 教えるときの心がけ
- コピー&ペースト - 再発見の発想法
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
新刊の話。
最新刊『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』を書いています。
感謝なことに先週から原稿は順調に進み、月曜日(2020年3月16日)には編集部にファイル一式を送付しました。まだ加筆部分はありますが、いったん脱稿です!
2020年5月刊行予定のシリーズ最新作『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』は現在アマゾンで予約受付中!
ありがたいことに、予約中にも関わらず、アマゾンの「数学一般関連書籍」で上位に入っています。先ほどチェックしたら三位でした!感謝です!
「予約中」状態で数学一般関連書籍が上位に入るのはめずらしいこと。 読者さんの大きな期待に応えるようにがんばります!
◆『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』(アマゾン)
https://www.amazon.co.jp/dp/4815606021?tag=hyuki-22
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作業ログの話。
「結城浩の作業ログが読めるプラン」に参加しているメンバーは現在約70名前後になりました。先週からまた増えていますね。多数のご参加感謝します。
こちらのプランでは、結城の毎日の作業ログをリアルタイムで常時配信しています。日々の執筆を中心とした作業ログの他に、おりおりに感じたちょっとした考えや、自分の作業環境を整えるツールの話や、自身の健康を保つ工夫なども書いています。
書籍とは違う。Twitterのようなつぶやきとも違う。淡々と続く毎日の中で、どんなふうに生活を整えて仕事に結びつけていくか……そんな「落ち着いたライブ感」が見られる作業ログになっています。よろしければ、あなたも覗いてみてください。こちらに「内容紹介用のサンプル(実際の作業ログ)」があります。
◆結城浩の作業ログ/内容紹介用のサンプル(実際の作業ログ)
https://esa-pages.io/p/sharing/3944/posts/322/e305538b863f2f5c181e.html
メンバーの中には「作業ログはさておき、結城さんの活動への投げ銭感覚で参加しました」という方もいらっしゃいました。感謝します!
お申し込みはこちらから。ひと月200円です。
◆結城浩の作業ログが読めるプラン - 結城浩のサークル
https://mm.hyuki.net/circle/
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質問するときの前置きの話。
若い頃、会社でプログラム書いていた時代のことです。私がプログラムを書いていると、営業さんがやってきて私に技術的な質問をすることがよくありました。「このプログラムはこのOSでも動くんですか」や「新しい機能が入ってもスピードは遅くなりませんか」といった質問ですね。
ところで営業さんが技術者としての私に質問するときに、こんな前置きをすることがよくありました。
「簡単な技術的質問があるんですけど……」
私はそういうとき「簡単な」という一言は必要なのかな……とよく思ったものです。単純に「技術的質問があるんですけど……」でいいのではないでしょうか。
もちろん「簡単な」と言いたくなる気持ちはわかります。「簡単なことだから、あまりお手間は取らせませんよ」のような気持ちが込められているのでしょう。あるいはまた「こんなに簡単なことを質問しては申し訳ないけれど」という気持ちかもしれません。
でも「簡単な」という前置きはあまり意味がない上に、人によってはイラッとくるかもしれないなとよく思いました。
営業さんから「簡単な技術的質問」といわれると、つい「簡単かどうかの判断は多くの場合とても難しいものだよ」と言いたくなります。また「本当に簡単なことなら質問しなくてもいいのでは」と思うことも。
人と人とのやりとりなので絶対の正解はありませんが「技術的な質問があります」だけで多くの場合は大丈夫ではないでしょうか。「簡単な」は付けなくてもいい。場合と相手によっては「質問です」だけで十分。もちろん例外はたくさんあります。
これに関連して、以前書いた「技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ」を思い出しました。質問するときのコツやよくある失敗の話です。
◆技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ
https://www.hyuki.com/writing/techask.html
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自己肯定感を高める話。
「自己肯定感を高める方法」という話題をネットで見かけました。他の人はわかりませんが、私の場合には、このようにすることが多いですね。
- いつもよりも意識してゆっくり歩く
- 物を扱うときに、いつもなら片手を使うところでも両手を使う
自分は状況をコントロールできていると意識して、丁寧に過ごすのです。
「プログラマの心の健康」に書いた以下の話題にも通じそうです。
◆わ・ざ・と、ゆ・っ・く・り・、や・っ・て・み・よ・う
https://www.hyuki.com/kokoro/#yukkuri
ああ、そういえば、両手を使って《丁寧度》をあげる方法は結城メルマガのVol.392にも書きました。半分のろけ話でしたが(無料部分)。
◆結城メルマガ Vol.392
https://mm.hyuki.net/n/n61b58207b794
一つの例ですが、私のプチ自己肯定感が高まるのは「駅の階段を上がってホームに来たときに、たまたま電車が発車直前だとしても駆け込んだりせず、ゆっくりと見送る」という行為ですね。
「電車が発車直前であるという状況によって、自分が走らされる」のは、私には、自分の行動が電車にコントロールされていると認識してしまうようです。なので「がんばって走れば乗れるけれど、自分はあえて乗らないよ」という状況を意図して作る。
そうすることで、電車にコントロールされず、自分がコントロールしているという擬似的な状況を作るのだと自己分析しています。
あなたは「自己肯定感を高める方法」を意識したことがありますか。
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では、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。