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「(『IGF 1』では)星風に失礼なことをしたかなと」



【本文】

――先ほど、無事に「引退」を撤回する会見を終えたわけですけど、今の心境から聞かせてください。

澤田 あとはやるだけです。

――えー、まずそこに辿り着くまでの話をおさらいしていきたいんです。でないと、まー、話がよくわからないじゃないですか。

澤田 そうですか?

――はい。まず『IGF 1』(4月5日、両国国技館)で星風戦がありました。

澤田 逆に言うと、あの試合は星風に失礼なことをしたかなと。

――失礼なことをした?

澤田 結果が全てですし、それが出た以上は何も言えないですけど、それでも言わせてもらえるなら、あれはホントの澤田と闘っていたわけじゃない、とは言いたいです。言い訳になりますけどね。

――それもわかった上で、あえて言うとすればね。

澤田 ええ。やっぱり星風は全身全霊、命を賭けてくるわけでしょ? そこに対して僕は失礼なことをしたのかな、とは思いますけどね。

――今だから言える話として、星風戦の戦略はどんなものだったんですか?

澤田 相撲出身ですから、向こうは。だから、それを想定していましたよね。

――実際、第1ラウンドはマウントも取って、極めようとしていたじゃないですか。

澤田 はい………。

――歯切れが悪いですね。

澤田 っていうか、まぁ、終わったことですから、そんなのはもういいじゃないですか。ただ、星風に言いたいことがあるとすれば、彼は八百長を疑われて角界を追われたかもしれないけど、少なくとも僕にはそう思えなかった。それは実際に闘った僕にはわかります。正真正銘、身を持って僕がそれを証明しましたから。

――だけどその後、なぜ「引退」っていう話になっていくのか、という部分なんです。

澤田 いや、あの時は終わった後、「辞めよう」と思ったんですよ。

――それは突然ですか?

澤田 う~ん……。リアルな話をすると、あれはクサってたんでしょうね、試合前から。

――試合前から?

澤田 ヤル気を出そうとはするけど、どうにも気分が乗らない。だからあれは俺じゃなかったんですよ。いや、それも俺なんだよなー(苦笑)。

――“売名王”が自問自答している(笑)。

澤田 浅田真央ちゃんじゃないけど、自分で自分がわからない感じですよ(笑)。

――やっぱり物議を醸した『INOKI BOM-BA-YE2013』(2013年12月31日、両国国技館)でのミノワマン戦の後だけに、なかなか気持ちが乗せられなかったんですかね?

澤田 あ、それはあるかもしれないですね。

――『IGF 1』でのミノワマンは、試合後に「澤田、元気出せよ」ってリング上から言ってましたよね。「今日は来ないのか?」みたいな感じで。

澤田 あ、そうだったんですか。だったら、「ごめん、先に帰ってた」って言わないと(笑)。

【5月1日、IGF事務所にて収録/聞き手◎“Show”大谷泰顕】

※次回は、「引退」を口にした“売名王”澤田敦士に連絡して意外な人の名とは……? お楽しみに!