「(青木戦は)技術云々より、あいつの心の問題。青木真也は完全にIGFだなっていう」
――『パキスタン•ジャパン友情の祭典』(4月27日、上野公園)では青木真也戦後に「青木、俺はお前にIGFを教えられた。ありがとう!」と言ってました。青木選手と試合をするのは学生時代の柔道以来ですか?
澤田 いや、柔道時代も試合はしたことないですね。
――え! じゃあ、あれが初対決だったんですね。
澤田 初対決です。柔道時代は練習もしたことなかったんじゃないかな。
――ああ、そうなんですか。
澤田 階級も違ったし。もちろん、お互いに、いるのは知っていましたけどね。だからあの日はイメージで試合をしている感じでしたね。
――イメージで!?
澤田 だけど、青木はさすがですよね。ボンボン上を取ってくるし。だけどあの試合は技術云々より、あいつの心の問題ですよね。青木真也は完全にIGFだなっていう。
――青木真也はまだ、IGFではその澤田戦を含め2試合しかしてないのに、完全に「理念」を理解している雰囲気がありますよね。
澤田 ええ。あれはゲノムファイターになってますよ。
――実際、あの試合は見所満載でしたもんね。
澤田 そうですか?
――あれは“凄い試合”というか“名勝負”でしたよ。
澤田 青木は何か言っているんですか?
――人伝に聞いた話だと、「相手が澤田だからあそこまでできた」というニュアンスのことは言っていたみたいです。
澤田 なるほど。
――青木選手は試合後に、「澤田、お前はMMAの中でIGFをやれ!」と言っていたじゃないですか。
澤田 そう言ったんですか?
――言ってましたよ。
澤田 聞こえてませんでした(笑)。
――あらららら。いい話だったのに。その前に青木選手のビンタもありましたよね。
澤田 あったッスねー! 「なんだこいつは」と思いましたよ、あの時。
――青木選手としては「目を覚ませ!」ってことなんでしょうね。
澤田 ビンタの後には(ヒザ)蹴りも来ましたからね。
――そうですね。
澤田 あれも「なんだよ」って思ってたけど、僕に対してメッセージをくれたんですよね。
――叱咤激励というか。
澤田 それに甘えちゃいけないですけどね。
――青木戦というか青空プロレスっていうのかな。あの野外の雰囲気はどうでした?
澤田 アメリカとかパキスタンではやってますけど、日本では初めてですからね。だけど今回は清々しかったですよ。
――清々しかった?
澤田 全て真っ裸になれたかなっていう。音響(設備)は多少あったけど、特別な照明もない野外でね。
――事前の発表がないから、サプライズで出て来ましたけど、観客の反応としては「澤田だ!」みたいな感じだったから、「引退」の流れを知っている方が結構足を運んでくれてたってことですよね。
澤田 ありがたいですね。そういうお客さんを裏切るわけにはいかないですよね。それが僕の使命であるっていう。
――そこで問題になるのは、青木戦の二日後には、小川道場の祝勝会があって、そこで師匠(小川直也)と再会することになるじゃないですか。
澤田 そうなんですよねえ………。
【5月1日、IGF事務所にて収録/聞き手◎“Show”大谷泰顕】
※次回は“売名王”澤田敦士が、小川道場の祝勝会と「引退」撤回を語る。お楽しみに!